20
ピンポン、ピンポン。
朝から鳴り響くインターホンに目が覚めて二宮はインターホンのモニターのスイッチを押した。
「はい。」
見ると潤が映っているのが見えた。
「どうしたの?こんなに早く。」
「わりぃ。ちょっと入れてくれる。」
「えっと、いいけど。ちょっと待ってて。」
二宮は慌てて寝室に行って服を着てともこを起こした。
「何?まだ早いー。」
「ごめん、潤くんが来た。」
「えっ?ちょっと待って。」
ともこも慌てて服を着て髪を整えた。
二宮は散らかってる部屋を少し片付けて潤を部屋へ通した。
「こんなに早くどうしたの?」
「うん。ちょっと。ごめんすぐ帰るから。」
「もう、今日はともこも来てたんだ。」
「ごめん。お詫びに朝食作るからさ。」
「本当に?」
「うん。」
潤は冷蔵庫にあるもので、ササッと簡単な朝ご飯を作った。
3人で朝食を食べながら潤はどうしてここに来たかの経緯を話した。
「ちょっと待って。なんで別れることになるの?」ともこが潤に聞いた。
「まぁ・・・なんて言うか。。」
「あけみちゃん、浮気したわけじゃないんでしょ?」二宮が不思議そうに潤を見た。
「でもさ、他の男と出掛けてたんだよ?俺と喧嘩してる時にさ。」
「別れる事ないよ。ちゃんとあけみと話して。」ともこは潤を見て悲しそうに言った。
「あけみから言ってきたんだ。この家を出ていくって。」
「でも。別れるとは言ってないよね?潤くんっ?!」
ともこは潤を揺すった。
「ともこ、やめな。二人が決めたんだからさ。」
「でも。。」
「ごめんね。ともこちゃん。俺達ダメみたいだよ。」潤はそう言って悲しそうに小さく笑った。
「あんなに仲良かったのに。」
ともこは悲しそうに下を向いた。
「潤くん、これからどうするんですか?」
「うん。あけみが荷物をまとめて出て行ったら俺もあのマンションは引き払う。一人で暮らすには広いし。」
「そっか。決めたことならね。仕方ないよな。」二宮は少し残念そうにそう言った。
潤はその後何も言わずに朝食を黙々と食べた。
テレビの音だけが部屋に響いていた。