ニノ1
出会いは偶然だった。
いや必然だったのかもしれない。
えーと、攻略本は・・・っと。
俺は本屋にいた。
冴えないゲーマーとでも言おうか(笑)
ネットで調べてもよく分からなく攻略本に詳しく書いてあるとネットで見て本屋に来た。
探してもないな・・・。
これで二件目の本屋。
普段あまり出歩かないから何だかものすごく疲れた。
仕方なく店員に聞いてみる。
ちょうど同じ棚の所で本を整理している女の店員がいた。
「あの、、」
気付かないのかその店員は本を整理し終わって向こうへと行こうとしていた。
「あの、すいません」さっきよりも大きな声で声を掛けた。
店員が振り返ってこちらを見た。
髪が肩につくくらいの長さ。
クリっとした瞳で俺を見た。
何だかドキッとしてしまった。
「なんでしょうか?」
店員がこちらを見て聞いてきた。
俺は本の説明をして在庫があるか尋ねた。
「ちょっとお待ちください。」
その店員は俺をそのままそこに残してレジの方へと行ってしまった。
しばらく待つとまた店員がやって来て「今、在庫がないようでして・・・もしよろしければお取り寄せしますが?」
「えっと・・・どのくらいかかります?」
「2、3日で届くかと思います。」
「じゃあ、お願いします。」
「あの、すいませんが名前と電話番号を記入願いますか?」
「あ、そうか。」何だかめんどくさいなと思った。
そもそも本だってネットで頼めばよかったんだ。
でも、本屋に行ったほうが早く手に入ると思った。
それなのに在庫がなくて取り寄せか。
結局待たなきゃならない。
やっぱり断ろうか、そう思ってはみたものの、ここまで来て断るのもこの店員に悪いような気がした。
俺はレジカウンターまで行って名前を書いて届いたら連絡をくれると言う言葉を聞いてすぐに帰ってきた。
部屋に着くとすぐにモニターの電源を入れた。
ゲームを始めてしばらくしてからさっきの本屋の店員を思い出していた。
何となく気になっていた。
ネームプレートをチラッと見た時名前が見えた。
ともこ・・・だったかな。
苗字は見えなかったな。
ふーん・・・
この時はまだ自分の気持ちに気付いていなかった。