28
二宮はポケットから出したスマホを取り出して櫻井に電話を掛けた。
呼び出し音が鳴るがなかなか出なかった。
「どうしよう。翔ちゃん出ないよ。」二宮は松本を見た。
「今日は?仕事じゃない?」
「あ、そうだ!確かZEROだ。あー、どうしよう。」
「今頃、打ち合わせ中かもな。」松本は困ったなと言う顔をした。
「とりあえず、まーくんを休ませないと。翔ちゃんのマンションまで行こうか。俺のマンションも危ないかもしれないし。」二宮は松本を見て言った。
二宮は相葉が心配でたまらなかった。
「そうだな。とりあえず翔くんのマンションまで行こう。」
二宮と松本は櫻井のマンションに向かう事にした。
しばらく走ってマンションの前に着くと急いで降りた。
すでに暗くなっていたのでそれほど人目にはつかなかった。
松本は櫻井の部屋まで相葉を支えた。
「大丈夫、歩けるから。」と言う相葉を松本は「いいから。」と部屋に着くまで支え続けた。
二宮は櫻井の部屋の鍵をポケットから出すと部屋の鍵を開けた。
「カズ、鍵持ってたんだ?」松本が言うと
「うん。翔ちゃん出掛ける前に机に置いていってくれてて。」
「そっか。さすがだな。」
松本に支えられた相葉は部屋に入ると「水が欲しい」と言った。
松本は相葉をとりあえずソファーに座らせるとキッチンからコップに水を入れて持ってきた。
相葉はそれを受け取るとゴクゴクと飲んだ。
「ごめん、酷く頭も痛むんだ。ちょっと眠りたい。」
そう言ってソファーに横になるとすぐに眠った。
二宮は、寝室から毛布を持ってきて相葉の体に掛けてあげた。
「大丈夫かな・・・。」二宮は不安そうに相葉を見ていた。
「うん。心配だな。ずいぶん痩せちゃって。」
「なんでこんな事に?何かした?俺達。何かしたのかな?」二宮は半分涙声だった。
二人はただただ、不安でいっぱいになった。
続く