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スマホをソファーの前のテーブルに置くと松本は、洗面所へ行き顔を洗って歯を磨いた。
リビングへ戻ると着替えを済ませ再びスマホをポケットへ入れさっき、メモを取った紙もポケットへと仕舞い込んだ。
寝室を覗き、「大野さん?」と声を掛けたが眠っているようだった。
松本は、玄関で小さく「行ってきます」と言うと部屋を出た。
電車を乗り継ぎメモに書いてあるアパートへと向かった。
帽子にマスクと言うスタイルだったからか、誰も松本には気付かない。
適当な駅で下りるとそこから歩いた。
たぶんこの辺だ。
ちょっと古いタイプのアパートで8部屋くらいのアパート。
この住所によると二階の部屋だな。
ちょっと古い鉄の階段を上ると二階に通じていた。
アパートの前は砂利になっていて、そこが駐車場らしかった。
砂利の駐車場の端に物置のようなプレハブが2つあった。
住人が物置に使う物なのかな。
そこの物置に身を隠し様子を見た。
部屋には誰がいるのか分からない。
特に出入りもないまま時間が過ぎた。
もう、帰ろうかと思った時に一人の男が向こうから歩いて来た。
松本は、慌てて身を隠した。
その男は、メモに書いてある二階の住所の部屋へと入って行った。
あれが高橋か?
あの部屋に雅紀がいるんだろうか。
どうしよう。
訪ねてみるか?
続く