2024年4月16日
長く苦しい一日だった。
この日のことは鮮明に覚えている。
一年前のブログには書けませんでしたが、
手術当日受付で「万が一の時蘇生処置を希望しますか?」の誓約書に緊張しながらサインしたこと。
手術直前小麦を送り出す時、看護師さんに抱かれている姿を写真に撮ろうとした際
「手術中死んでしまったらこの写真が最後になる。私以外の人に抱かれた写真が最後は嫌だな」との思いが突然湧き出て撮らなかったこと。
二階の入院病棟から大きめの白い箱を抱えた方と先生が下を向きながら降りてきたこと。
一年前 手術を決断した時は桜の季節で 来年も小麦と一緒に見られます様に と願う日々だった。
今年も桜と再会し 穏やかな気持ちで心から奇麗だな~と感じることができました。
(4月9日 多摩川河川敷)
一年前無事に退院出来ていなかったら
この先ずっと桜を見ると切ない気持ちになってしまったことでしょう。
4月4日 JASMINEの術後一年健診。
壁の供血犬さん達が増えていた。
ありがとうございます。
あなたたちのお陰でたくさんの命が救われています。
検診は予約時に担当の先生を指名することもできますが、私は日時だけの予約でした。
そしたらね
初めてお会いする先生で名札見たら水野先生!
JASMINEの心臓手術は上地先生と水野先生の2チーム体制で水野先生は医長。
とっても偉い大先生なのですよ~
お話ししている時は優しく小麦を撫でてくださいました。
いつもの様に30分位検査で預けてから結果説明。
血液検査
少し高い項目あるがこれ位は食べ物の影響もあるので
体調が悪くないなら大丈夫だそう。
エコー検査
心臓サイズは前回からあまり変化なし
以前よりある軽度の僧帽弁と三尖弁の逆流は現状維持。
体重4.02kg
心拍数、血圧 心雑音 心電図 問題なし。
全て順調です。
手術を決断する際 経験者の方のSNSを探しまくりました。
術後は順調でも数年経つとゆっくり心肥大が始まり…
小麦は9歳で手術していて
この先投薬治療が再開する日が来るかもしれない不安は拭いきれない。
以前の検診で別の先生に術後数年先の経過を聞いた時は「その子によりますが術後3~5年位するとお薬飲み始める子もいます。小麦ちゃんがこの先どうなるのかは分からないのでしっかり検診を続けていきましょう」
との答えでした。
今回 水野先生にもお伺いしてみました。
この病院が出来て心臓手術が一般的になって10年。
当時の成功率は9割でした。
今は7~8%上がってます。
術式も改良し、心臓をより良い状態にして退院させる事が出来て
心肥大が始まる迄の期間も伸びてきてます。
現在 経過を追って統計を取っている段階ですが
若い年齢で手術して心臓はずっと安定したまま寿命を迎えた子の報告も多くあります。
そして10年前手術した子も心肥大で服薬が再開しても肺水腫を起こすくらい悪くなってしまう子は僅かです。
とっても前向きになれる答えが聞け 心が軽くなりました。
長い獣医学の歴史の中で心臓手術が出来るようになってまだ10年。
小麦の経過も一つのデーターとなり、未来に続く医療の発展に繋がることでしょう。
次回検診は1年後
(JASMINE近くの公園 )
あと何回 一緒に笑って桜を見られるかな。
小型犬に多い僧帽弁閉鎖不全症。
この病気と闘う子が
様々な病気と闘う子が
ずっと大きく苦しむことなく穏やかに幾つもの季節を過ごせます様に