※ショッキングな写真がありますので、
記事の下の方を見る方はご注意下さい。


スピが亡くなっても、私にはしなくてはならないことが降りかかった。
スピの亡骸をいい感じのサイズの箱に寝かせて、お花を敷き詰めるために花を買いに行くこと。
スピを購入したペットショップへ、あまりにも早くスピを永眠させてしまったことへの謝罪と、その時に持って行く手土産の調達。
そしてスピの火葬の予約。

いつまでもスピと離れたくないけど、そうも言っていられない。
私がスピの亡骸を手放さなければ、スピは天国には行けないかもしれない。

私はまずペットショップ店主さんに、近日中に挨拶に伺っても良いか確認を取り、閉店間際のお客さんが居なそうな時間に約束をした。

そして、近所の大型スーパーに赴き、お花を買って、手土産のお菓子も買った。

深夜。
重い腰をあげて、ネットで火葬業者を調べはじめた。
共同火葬ではなく、個別火葬で、骨は自分で拾えて、自宅で骨壷で管理出来る火葬が私には理想だ。
ペット霊園に収めるとか、そもそも葬儀をせずにどこかの土地に埋めるとかの方法も無いわけでは無いけれど、私としてはスピにはいつまでも傍にいて欲しい。毎日お花や餌を供えて、スピのために祈りたい。スピに話しかけたい。

ネットで探すと、たくさんペット葬儀屋が見つかる。けれど相場が決まっているのか、私の指定条件の火葬をしてくれるには、費用の相場が1.5~1.7万円。
そもそもスピを購入したばかりで、私のお財布は厳しい。それにスピの成長を見越して購入したケージやブランコ、アスレチック用具、ペットヒーターやおもちゃなど、小鳥と一緒に暮らすための飼育用具も揃え始めていたからその費用も出費していたし、スピがお月様にかくれんぼしてしまった為にかかる、お花の代金、ペットショップへの手土産の代金、更に火葬の代金がかかるのだ。
当然予算は厳しいものになる。

深夜にも関わらず、ネットに電話番号を書き込みしたら、葬儀屋からすぐに電話がかかってきた。
『ネットに電話番号を記載頂いたのでお電話させて頂きました。この度はお辛い別れをご愁傷さまでございます。お客様の地域に火葬車が伺えるかお調べしますので居住区を教えて頂けますか?』
私は業者さんの勢いに押されながら「まだどちらの業者さんで火葬を行うか決めていません。今、費用と火葬方法をネットで調べていて、御社で行うとは決めていません」
そう言ってキッパリお断りしたのだが、
『うちに決めなくても結構ですが、決めて頂いた場合、火葬に伺える地域か、スケジュール的なも空きがあるかを調べさせて頂きたいと思います。お住いはどちらですか?』

自分のリアルな居住区を知らない人に話すのは怖い。
ましてや、ネットに書き込んだ電話番号に、直ぐにこんな深夜に電話をかけてくる業者だ。
でも、確かに、居住区的に火葬車が来ることは可能だろうと思うけど(過去にペット火葬の経験があるので)、火葬スケジュール的なものは分からないから、念の為、〇〇区ですと答えた。
折り返し地域担当の火葬係から連絡させますと言って電話は切れた。
10分程して担当区の火葬係さんから連絡がきた。明日は朝からみっちりスケジュールが埋まっているけれど、明後日以降はスケジュールに空きがあるので大丈夫ですとのこと。
ちなみに、と質問してみた。
「ペットが亡くなってから、皆さんどのくらい時間をおいて火葬されるんですか?」
「不謹慎ですが、夏などはペットさんの腐敗が早く進んでしまうので、遅くても2日ほどです。今の時期なら、それでも3日後くらいが限度だと思います」
私は検討しますと言って、電話を切った。

前述の通り、私は以前にも別のペットを亡くしているので、その時の火葬業者を調べてみることにした。あの時、安くて理想的な火葬をしてくれたから。
既にスマホの電話帳には履歴はなく、火葬業者の名前も分からない。貰った領収書だって行方不明だ。だって5年以上前だ。スマホも数回機種変しているし、当時使っていたPCは既に壊れて、今はPCすら持っていない。
だから藁にもすがる思いで、過去のタブレット端末のブックマークからその業者っぽい名前を見つけ出し、深夜にも関わらず電話してみた(HPには年中無休24時間電話OKの表示があったので)。

さっき、あんなに沢山のペット葬儀のサイトを見たのに、私が見つけ出したサイトは、ひっそりとして、検索サイトにも引っ掛からない、影の薄い所だった。グラフィックデザイナーがデザインしたよえな洒落たサイトでは無い。
けれど、費用を聞いて、今回も頼ることにした。
私の理想の火葬をしてくれ、費用は税込で1.3万円。
他社より2千円も安いのだ。
しかも他社は火葬費用の他に、骨壷の代金がかかるのに、そこはそれも込みで、きっちり1.3万円だという。
前回利用した時より少し値上がりしてはいる(前回は同じコースで1.1万円だった)が、前回利用したのはもう5年以上前のこと。
値上がりすることもあるだろうし、サービスの面でも費用の面でも、もうここ以外考えられなくなってしまった。

私はその業者に火葬の予約をお願いした。

そして翌日。火葬をその翌日に控え、約束の時間にペットショップへ向かった。
預かって直ぐに命を散らしてしまった私を、店主さんは怒ってはいなかった。
「ヒナならば、悲しいことだけど、こういうお別れはしょっちゅうあって、正確な死因も分からないし、朝あなたから見て普段と変わりなかったのなら貴方が殺したわけではない。気にするなって言うのは無理だろうけど、また気持ちが落ち着いたら小鳥を飼うことも考えて欲しい。」

私は気持ちがごちゃごちゃになった。

スピが居なくなってしまって寂しい。
もう逢えないのが悲しい。
ヒナなら直ぐに死んじゃうこともあるなら、何故あの時、私にお迎えするタイミングだと言ったの?
私は最終的には自己判断で連れて帰ったけど、最初に、まだお迎え出来る状況じゃないから無理ですって断ったじゃん。
それなのに、半ばゴリ推しでスピを連れて帰らせたじゃん。
私の知識が足りないからスピを助けられなかったんだと思う。
例えばスピが病気だったとしても、気がつけなかった私が原因。
齟齬が死因なら私がスピを殺したのと同じことだ。
あのままこのペットショップに居たら、まだスピは元気で過ごして居たんじゃないの?
私があのタイミングで連れ帰ったから、その命を縮めてしまったんじゃないの?
そもそも、元々健康な子だったの?
店主さんは健康だとそう言っていたけど、ペットショップでのさし餌タイムの時は他の子の方が激しく鳴いていたよね?
私のせいじゃないなら、スピは誰のせいで亡くなったの?
私以外、あの子を守る人はいなかったのに。
こう言っちゃなんだけど、いくら鳥を愛してる店主さんでも、売り上げが欲しかったからあの日私にスピを買わせたんじゃないの?
そして、また飼えというのは、うちの店で買えってことじゃないの?
なんで、誰も私を責めないの?
私以外、私を責める人が居ないのは何故?


この時は、店主さんの優しい対応も、私は疑心暗鬼になってしまって信じられなかった。
頭を下げて、心ばかりですが…と渡した菓子折は、最初は断られたけど結局は受け取ってもらえた。
そして、私はまた文鳥を飼いたいと店主さんに伝えた。


スピとの別れはずっと忘れられない。
今まで犬や魚やシマリスやハムスターやうさぎを飼ってきて、天寿をまっとうした子もいれば、逃げ出して見つけられなくなってしまった子もいるし、病気を見抜けなかった子もいるし、引き裂かれるようなお別れをした子もいる。
どの子もお別れした当時よりは哀しみは薄くなってはいるけど、些細な思い出たちを忘れたことはないから。
スピもきっとそうなる。
私が一緒に暮らして、今までで一番期間が短かった子。
でも大切な大切な愛しい子。

スピが大切だから、今回、出会いから別れまでをこのblogに残すことに決めました。

そして私はまた文鳥をお迎えします。
12月に入ったら、ペットショップに見に行く約束を店主としています。
今度は2羽。
兄弟かもしれないし、まったく血の繋がらない子達かもしれない。オスかもメスかも分からないから番になるかも分からないし、番にしたいとも思っていない。
あのお店の鳥さんたちは、ヒナは特にあちこちから集めてくるので、ブリーダーさんのように自家繁殖させている子は殆どいないそうです。
でも、幼いうちから一緒に育てれば、ある程度大人に近づいた時に、血まみれになるようなケンカをする子は少ないという。 

でも他の多頭飼育の文鳥飼いの方の話では、兄弟でも一緒に育てても、合う合わないっていう相性はあって、血まみれのケンカをする子もいるよ、と。そういう子は少ないけど、確かに居るから、幼いうちから一緒に育てたからといって、必ずしも仲良しの文鳥メイトになるとは限らないそうだ。
そうなったらケージを分けて、放鳥も別々にすれば良いだけだから、そんなに問題では無いよって教えてもらった。

私は店主さんの言い分より、実際に文鳥ファミリーを現役で育ててる方の意見を信じる。
だって、店主さんは、確かに鳥に詳しいけど、セールストークもしなきゃならないでしょ?
私に教えてくれた文鳥のこと、全てが本当じゃなくて、客に売るのに都合の悪いことは隠したり、オブラートに包んだりして話してるでしょ?

スピが亡くなって、私が彼に責められなかったことが、私が今まで盲目的に店主さんを信用していたことを、逆に信用を失わせる結果に繋がった。

大切にします。幸せにしますと約束をして
スピを連れ帰っておきながら、1週間程度で亡くしてしまった私を、彼は一言も責めなかったから。
それは私が、客だからだろう。
イヤミの一言も無く、彼は私を労ったから。
確かに私はスピを喪ってから体調を崩していた。精神的にまいって、睡眠も食事もままならなかったりして、酷い顔色でお店に伺ったと思う。

すぐ対応出来るからと客全員に渡している店主さんのLINE宛に、異常を知らせるLINEを送った時、対応が遅かった。
ヒナが死んでしまいやすいのは本当のことかもしれないけど、店主さんの態度が私には、『売ったばかりの子を死なせたダメな飼い主』ではなく、『新しい小鳥を購入させる為のお客さん』扱いにみえてしまったから。

それでも、アフターサービスの手厚いこのペットショップで、また文鳥を購入します。
ただし、今までみたいに店主を盲目的に信用したりはしない。

スピが亡くなってから、私はSNSで、文鳥を飼っている人を、片っ端から無言でフォローさせて頂きました。
 リフォローして下さった方にはお礼もしましたが、まだ実際に、どの方がどんな飼い方をしているのかの把握は出来ていません。
これから、フォローさせて頂いた人達から少しずつヒアリングをして、文鳥についてのリアルを知っていこうと思っています。

新しい子はつがいでもお友達でもいいんだけど、2羽お迎えします。
そして成長具合を見比べながら飼育していきます。
次に文鳥関係のことをblogの記事に出来るのは、
お迎えする文鳥が決まった時だと思います。

12月に入って、すぐ、かな?
もっと長くスピの喪にふくすべきかとも思いましたが、寂しくて仕方ない。
スピの代わりにはならないけど、新しい家族として、また文鳥と暮らしていきます。

約2週間に渡り、スピネルに関する記事を読んで下さった読者様、ありがとうございました。


うまくまとめられなかったけど、
これにてスピネルの記事は終了とします。

ありがとうございました。
【スピネル】とは、色んなカラーがあるけど、赤が主流の尖った宝石の名前です。
文鳥は嘴が美しい赤で尖っているので、
この名前を選びました。
次にお迎えする子達の名前はもう決めてあるのですが、それはまたの機会に。

とりあえず、ありがとうございました!
読んで下さって本当にありがとうございました!
スピネル、愛してるよ!