高校2年生の冬休み明けの登校日だった。
朝起きたのに身体が起こせなかった。
怠いなあとか、眠たいなあとか、そんな類のものとは明らかにちがった。
「ああ、無理だ」と感じた。
身体が自分の意識でコントロールできないもののように感じた。
怒鳴りながら起こしにきた母になにも言えなかった。
腕を引っ張られて怒鳴り声を浴びる。
わたしは心の中で
「無理だ、もう無理だ」
とそれだけ呟いていた。
でも口からはなにも出てこなかった。
もうその力すら残っていなかった。
自分を表現してもこの人には聞いてもらえないという確信があった。
じゃあ他の人ならと思ったかというと、そうではない。
誰にも言えなかった。
友達がいて、先生も話を聞いてくれそうで、親もいて、誰にでも言える状況なのだから、相談すらできないわたしが悪いのだとひたすら自分を責めた。