姉とは1年以上前に兄の一周忌で会ったぶりだ。会話はいつ交わしたかも覚えていない。別に何かケンカしたとかいう訳では無い。自分が父親を嫌い、家族の集まりをさけ続けていたらいつの間にか連絡先も知らない疎遠な関係になっていた。

姉に悪い感情は抱いていない。だが姉が自分をどう思っているかは分からない。


 4階休憩室。意を決し姉に電話番号を聞く。あっけないほど普通に教えてくれた。ついでに旦那さんの連絡先も教えてくれた。ありがたいが自分が旦那さんに連絡する事なんてあるだろうか。


机に腰かける。自分の斜め前に姉、その横に父親。自然と姉をクッションにおいた形。

姉を起点に話し合いをする。少し話をしては沈黙。会話は途切れ途切れで続かない。


15分ほど待ち、看護師さんが現れる。入院やその他手続きについて説明をうける。その中の入院計画書?を見て母親の病名を初めて知る。肺血栓塞栓症及び下肢静脈血栓症。運動不足等の原因で足に出来た血栓が剥がれ、肺に達して呼吸困難や失神を引き起こす病気。エコノミー症候群と聞けば馴染みが深いかも知れない。後で調べてゾッとしたが致死率が15%程もある怖い病気だ。

必要な書類に記入してとりあえず今出来る手続きは完了した。


再び話し合い。姉はもうすぐ息子の大学受験が始まるので動ける時間が少なくなるのかもしれないとの事。明日、自分と父親で母親が当面入院生活で必要であろう備品を届ける事になった。本当は姉にも来て欲しかったがそれは父親が断った。

とりあえずの方針を決め病院を後にする。姉が自転車を車に乗せて送って帰ろうかと言ってくれたが断った。少し体を動かしたい気分だった。


自転車で帰宅。しばらくして父親から今日は引っ越し先のマンションに泊まると連絡が入る(書き忘れていたが近々引っ越し予定で準備を進めていた)。顔を合わせたくない気分だったのでありがたかった。

姉にこれからの事での相談をショートメールで送ってみる。自分には分からない、お父さんとよく相談して決めてみて下さい。お父さんの事もよろしくお願いします。との返信。

少し暗い気持ちになる。


その日はそのまま早めに寝た。疲れもあったので普通に眠る事が出来た。