汚いボロマンションの最上階。
隣は塾長の自宅。
奥さんが子供背負いなが家事をしていた。
塾の中は内装はズタボロ。
狭い空間に大勢の小学生がいて、厳しい授業を行っていた。
夏休みなどは一日10時間以上閉じ込められた。
同じ問題集を暗記するまで何度も解く。
覚えたら今度はスピードアップを目指して繰り返す。
計算問題でも基本的に暗記であった。
小学生ながら、電車で塾通いするために遊ぶ時間やテレビ観る時間全くなくなった。
そこまで勉強しても成績は上がらず、親には怒られてばかりであった。
「いい加減にあきらめて欲しい」というのが俺の本音であったが、親は息子を有名私立中学に行かせる夢をあきらめてくれなかった。