誰かが
絶望をくれた
それはとても
鈍い色だった

もっと
鮮やかな色の
絶望が欲しかった

鮮やかな絶望なら
もっと陽気に
落ち込めたのに
無様な中年には
なりたくなかった
だから早く
死にたかった

そんな理由で
煙草を吸い始め
ある日ふと思った
死のうと思えば
いつでも死ねる

だが
生き続けたくても
叶わない時がある

そう思った

ただ今
思いっきり
無様な中年として
生きているが

もしかしたら今後
素晴らしい何かが
待っているかもしれない

そう思った

きっかけは
他にもあったけど
私は禁煙を始めた

人生は
積み重ねだと思う
日々の経験
日々の努力
日々の発見
日々の感謝
日々の葛藤
その日その日の
様々なものを
積み重ね
人生を実感し
人生を刻んで行く

しかし
心の壊れた私の生き様には
面積がない
私の生活は
私の日々は
いつも点でしかない

積み重ねられない日々
稀にしか
刹那的にしか
実感出来ない生
刻んで行くのは
人生ではなく
過ぎ行く時間

過ぎ行く時間の中
粉塵のように拡散している
私の人生

いつか来る終焉までには
私の人生という粉塵は
舞い降りて来るだろう

初冬の雪のように
粉塵は舞い落ちては溶けて行き
何も心には残らないのだろうか

それともこの壊れた心を
粉塵はすり抜け
積もらず消えゆくのだろうか

憧れたハッピーエンドは
この人生にはなさそうだ
私の人生という粉塵は
壊れた心には残らない

今までの無駄な人生ごちそうさま
これからの無駄な人生糞食らえ