つづき…



 元サタニストの自叙伝 (44) 
 
 間違った一方通行の道 ⑤

 しかし私達にはモルモン教が高位のドルイドによって運営されているということを信じるに足る、あらゆる理由があったので、ウィッチクラフトに参加することを辞めてしまった。
事実1981年にシャロンと私はモルモン教の使徒(世界にいる上位15人の中の一人)とソルトレイクシティで面談を持った。私達は彼に、ある特別のマスタードルイドより与えられた「鍵」や「証拠」を与えたため、彼は私達と打ち解けることが出来た。彼は厳かに、私達の直感と情報は正確であると請け合ってくれた。ルシファーはまさしくモルモンの神殿において礼拝されている神であると。
彼は私達の危険を確信していた。私達は死の苦痛をもって、この対談のことを使徒以下のレベルのモルモン教のどの役員とも議論しないということを警告された。彼はまた、もし私達がユタへと引越せば、そこは間違いなく私達にとって教会のヒエラルキーへと組み入れられる場所になるということをわからせるようにさせた。それで私達はモルモンの教義はちょうどキリスト教化された魔術であるとの理解に至ったのである。

 このように私達は、自分達のウィッカの集会を少しモルモン化させ、自分達のことをサタニストであると考えさせることをやめた。代わりに、私達はルシフェリアンということなのであった。
私達は数少ない神殿のモルモンの仲間であったので、特別に聖別された(実際には秘密にされていたが)下着を身に着けていた。シャロンと私は集会の集まりにスカイクラッド(ウィッカの用語で裸を意味する。)ローブをまとって従事するようになり始めた。私達が何も言わないのに、すぐにローブを纏うことはステータスシンボルになっていた。そのようなことは指導者のパワーなのであった。
私達はウィッチのサバトでワインを飲むことを止め、代わりにぶどうジュースを飲んだ。それは(私達には問題無かった。私達は二人共いつもワインと酒を嫌っていたからだ。)
私達は集会に集まる者達をモルモン教の教会に連れて行くことさえした。他のささいな変化も同じように起こった。

 シャロンと私が最初に会った時、私達はそれぞれ自分自身が願う、魔術的発達を追い求めることを約束していた。私達はお互いの原則を尊重しており、理想とするゴールにたゆまず進むお互いの誠実さに信頼を置いていた。例えば、私はサタニズムに入れ込んでいたが、シャロンはどうしても必要とされる時にだけそれらの活動へと参加した。
それらの儀式は、集会における他の6人ほどの女司祭が、彼女の地位をうらやんでいたので、絶対に必要なのであった。彼女は自分が少しだけ関わるべきだと感じており、そうでなければ陰に引っ込んでいた。
人々は彼女をほとんど母のような存在として尊敬しており、まるで家族のように親しかった。それにもかかわらず、彼等は自分達が個人的に獲得するための魔術的な流れを大きく開いてくれるダークスタッフに、彼女が何の関心も持っていないという証拠があるのではないかと感じていた。しかし、彼女は他の魔術の流れにおいて活動しており、引続き私達の活動を照らそうとしてくれていた。
サタン的儀式の代わりに、彼女は錬金術やクリスタログラフィー(結晶学)やその数学のような科学に対する研究を奨励していた。麻薬(魔法使いの8つの主要な車輌の一つ)の代わりに彼女は菜食主義や健康、ヨガのクラスを教えていた。4つの異教の風の神の名前と共に、呪文が投げかけられる白魔術のサークルの代わりに、彼女は聖書の預言書の使途の名前、マタイ、マルコ、ルカ及びヨハネを用いて、集会の見張り塔(watchtowers)の呪文を投げ掛け始めた。

 思い返してみると、彼女の穏やかな反抗はどのレベルにおいても微妙に明らかになってきていた。このことが起こって程なくして、彼女は普通ではない経験をした。

 サバトのサークルの集まりはいつもと同じように進んでいった。そのサークルは見張り塔のセトに対し呪文が投げ掛けられたが、高位の女司祭の中に女神のエッセンスを引き入れるための呼び出し「ドローイングダウンザムーン」の儀式を行った日は、満月であった。
それはいつものことであったが、その時シャロンにとってトランスに入って女神をチャンネルすることは通常のことではなかった。
この日の夜、全く新しい霊が彼女の頭上に降り、普通でない言語を語り始めた。彼女は呼び出しのための「女神の大勢」(五芒星のポーズ)と呼ばれるものだと思いこんでいた。
突然彼女はガクンと膝をついて、私達が知らないことについて、すすり泣きなから語った。私達は何かが起きているということを予期することに慣れていたが、これはその何かというたぐいのよくあることではなかった。
彼女(=女神または私達が考えていた)は、私達一人一人の上に手を置き、祝福を与えてからサークルに降りかけるために使っている聖水で、私達の足を洗う動作をし始めた。それは私達のイニシエートされた多くの者にとって平静を乱すものであった。忘れようとしてもあまりにも近すぎる思い出であったからである。

 半数以上の者達はカトリックとして育てられ、「聖木曜日」には足を洗う儀式が行われているのを見てきていたからである。
このことがあってすぐに、シャロンは魔術から全く足を洗うこと、普通になること、学校に戻るかもしれないこと、仕事を得て自分の人生の方向を変えることなどを語り出した。

 私達のどちらも何かとても普通でないことが起こったということに気づかなかった。彼女は変えられた女性であった。かなり台無しになったが変わってしまったのだ。物事はさらに良くなって行くように見えたが私は水平線上でぼんやりと現れた、新しい天がくれたチャレンジに気づかないでいた。


   (45) 

 改心、召命、任命される!①

 
 これらのことをあなたがたに書き送ったのは
神の子の御名を信じるあなたがたに、永遠の命を持っていることを、悟らせるためである。
(ヨハネ第一の手紙 5:13)


 私の一つの問題は(私の罪の性質の他に)、シャロンが最初からモルモン教の教えを嫌っていたことで、それが一層強くなってきているということであった。
ウィッカとモルモン教の教義の一つの大きな違いは、ウィッカが徹底したフェミニストで家母長主義であるのに対し、モルモン教会は家父長主義なのである。
私は霊的なモルモン(?)だったので、シャロンはモルモン教会のことを性差別主義で、女性を奴隷のように愚か者扱いしている、という理由で嫌っているのだろうと想像した。

 私は自分自身の宗教的な霊によって、とても盲目であったので、シャロンか真実のキリスト教信仰に対比して、モルモン教の信仰の欺瞞を見通していたということが分からなかったのである。
とても幼い頃、シャロンは信仰を救うという点において、本当のイエス・キリストに出会っていたのだった。しかし、彼女はカトリックの学校で教育を受け、修道女は実質上彼女に、カトリックの信仰こそが、彼女が礼拝し慕うようになったイエスを喜ばせる唯一の道である、という風に脅かしたのだった。

 何の弟子訓練も聖書的な訓練もされることなく、シャロンはカトリック信仰が神への道であると脅されるように信じさせられてきたのだった。
その後ティーンエイジャーになって、ヴァチカンの内に虚偽と偽善を見たが、どこに向きを変えてよいか分からないでいた。
彼女はアイオワのダブークに住んでいたが、そこは90%の人がローマカトリックだったのである。幻滅した彼女は、ヒッピー運動やオカルトの文化的な渦に巻き込まれていった。
彼女はカトリック信仰からウィッチクラフトへと向きを変え、数年たったのち、私と出会ったのである。しかし、私達の大きな違いは、私が全くボーンアゲイン(のクリスチャン)ではなかったのに対し、彼女は既にそうであったことだった。
それは、私の全ての儀式とカトリックの「聖なる儀礼Holy Orders 」が失敗する一方で、彼女は人々から悪魔を払うことができるのかという理由である。

 モルモンとしての数年間を過ごした後で、彼女は感動的なくらい、自分の本来のイエスとの関係に近づいていることに気付いた。しかし、そこには更に長い間かかることになるのだが、彼女は自分のモルモン教のキングジェームズバージョンの聖書を読んできており、真実のキリスト教信仰の知識を増やしながら、力を蓄えていった。私とは違い、シャロンは事実上どのウィッチクラフトの働きからもすっかり手を引いていた。というのも、いかにもそのような魔術の実績が非聖書的であるかを理解しつつあったからだった。
彼女は更に、もっと自分のオカルトの責任を他の者に委任し始め、全ての魔術的繋がりやイニシエーション、集会との繋がりを解くことを話始めた。モルモンを含めて!
彼女は私にその教会を去ることについて話そうと頑張っていたが、私はどうしても聞こうとしなかった。私はあまりにも自分の特別なメルキゼデク司祭職と、新しく確立した独善性の感覚に入れ込んでいた。
シャロンは、私をモルモンの信仰から引き離して自由にするには、周りにある私をサポートするシステムから引き離すことに気付いた。
(略)
シャロンは、どんなにモルモン信仰が本当に真理から遠い所にあるのかということに私が気づくようにするため、天を揺り動かしていたのだった。
(略)
彼女の心は固まっており、私もそれを認めていた。たとえそれが仕事を辞めて、アイオワの不確かな経済圏へと移動することを意味していたとしても。

 シャロンが全く知らなかったことは、私も自分自身、モルモン信仰の中には矛盾が存在するということに気づいていたことである。
しかし私は、それらを彼女と議論することを恐れていた。というのも私は彼女が既にモルモン教会に対し、冷ややかで厳しい眼差しで眺めているということを知っており、教会からさらに彼女を遠ざけることをしたくなかったからである。
その教会での私の仕事の関係で、モルモン教会から補助を全く受けていない、あまりにもたくさんの人々や、4000以上ものモルモン教の施設のために、新約聖書を教えるようにとの招きを受けていたが、あまりにも多くの聖典があり、特にローマ人とガラテヤ人への手紙においてそれが私を悩ませた。しかし私はどこに向きを変えたら良いかという何のアイデアも無かった。その学期が終了した後、私も同じようにダブークに移った。



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 モルモン教の教義の中では現代のキリスト教の多くが重視する三位一体とは異なり、神、イエス、精霊は別個独立の人格であることは認めていますが、

  ・神は以前は人間であった
  ・神には妻(天母)がいる
  ・救われた人間は死後、天で現在の
   神のようになる

などという神概念を持っている『多神教』となっています。
また創世記のアダム、最初の人類の咎について、神が与えた「自由意思」の結果であるから神の目に敵った行いだった。として「原罪の否定」をしています。
全く聖書の記述を真っ向から否定して捏造した教義ばかりです。

 更にモルモン教では、入信した信者達は
「魔法の下着」と呼ばれているモルモン教指定の上下の下着を身に着けなければならないといいます。
神殿から与えられるその下着を身に着けていれば、災いから守られると信じられています。
下着の写真を見れは、昔々の日本のおじさんが着る綿の上下の(申し訳ないけどダサイ)白下着にしか見えませんし、こんな下着を着るなら私でなくとも脱会したくなるんじゃないかと思いました。

 モルモン教は教会への忠誠心や、指導者への忠誠、細かいルールの厳守があるようです。
更にカルト教会らしい話は、脱会した者に対しての徹底的な嫌がらせを行うというのです。
元信者の話では、「モルモン教は、元信者の家族、社会的な地位、仕事まで奪う。」と言います。
19世紀、ジョセフ・スミスにより設立された「ダン部族の者たち」、あるいは「滅ぼす天使団」と呼ばれた集団は、教会に反対する団体や、脱会者を懲らしめる為に活動していると言います。また「教会員を強化する委員会」もあり、この委員会には※元CIAや元※FBIが多く在席しているらしいです。(※やっぱりサタン教団)
彼等のスパイ活動によって脱会したモルモン教徒が酷い目にあっているということです。
何故そこまでする必要があるんでしょうか?!

モルモン教の基本理念が「人間は自らの努力によって進化して神になれる」というのですが、上記の彼等の行動をしていれば反対の「悪魔になれる」のは確実でしょう。



 次回につづく