つづき

元サタニストの自叙伝 (7)
2009/12/23
ブログ主さん公開 

第6章 獣の腹の中へ

「私は知識と喜びを与え、輝きをもたらし、酔いで人間の心を沸き立たたせる蛇である。私を崇めるためにワインと風変わりな薬草を持って、彼を酔わせよ。そうすれば私の預言者に語らせよう。」
アレイスター・クロウリー「法の書(2;22)」

サタン的兄弟団において、私がどのように「進歩」していったかという話に戻ろう。次の2〜3年が過ぎ、集会のやり方もまた変わってきた。人々の動きも、結婚したりなどして変化していった。それでも十分に何年もやってきた信仰の厚い核となる追従者達がいた。なので、さらに上の4位階の準備のため、儀式魔術のクラスを教えることを始めるのに十分な3位階の者達がいた。これらのクラスのため、私達はO.T.Oの協力にかなり頼っていた。シャロンと私は今やO.T.Oの5位階のメンバーで、高位の僧職におけるクロウリーの魔術、錬金術、グノーシス魔術、メーソンリーなどの実践のために人々を訓練し始めていた。ここで重要なことは、アレイスター・クロウリーはO.T.Oの総裁のTheodre  Reussを完全に信頼しており、聖なる子供−ホルス(エジプトの鷹の頭を持つ神)-の下、クリスチャン時代は覆され、1904年に新しい永遠の時代が始まることを確信していたことである。彼はニューエイジの宗教は、ギリシャの言葉であるテレマ(「意志」を意味している。)に基づくものだと言っている。彼はキリスト教の「ただの時代遅れ」の信仰は、別のギリシャの言葉アガペ(精神的、無私の愛)に基づくものだと教えている。


  ニューエイジの救世主

クロウリーはおそらく、「アイワス」と呼ばれる人間を超えた存在、スピリットガイドから、彼の最初の妻ローズ・ケリーを通して交信をもたらされていた。この本「法の書」は、聖書を含む全て他の書物の置き換えであるとクロウリーの追従者達から思われている。クロウリーはクリスチャンのアガペの原則をグノーシス主義のテレマよりも下とみなしていたことを記しておこう。彼はこの新しい宗教の正当性を与えてくれるものとして、O.T.Oの総裁Reussを信頼しており、彼はクロウリー率いるイギリスのO.T.O支部を世界で最初の「テレマ主義」の団体とした。クロウリーはこのようにして、『グノーシス主義におけるブリテン、アイルランド、イオナそして全ての島々の聖地の、最も優れた最も神聖なる王』という勿体ぶった称号を得た。
シャロンと私、そして私達グループの大半の高僧達はクロウリーの宗教を20世紀におけるキリスト教の理論的な進化だと信じていたので、自分達をテレマ主義者だとみなしていた。私達はO.T.Oのメンバーとして、クロウリーによって実践された魔術の形式をより進んだ生徒達に教えていた。O.T.Oとの共同によって、Vama  Marg-左利きの道(タントラ的オカルティズム、タントラの形態であるセックスヨガ)のマスターとおぼしき者を勧められた。「右と左手の道」はオカルトからきた用語である。インドで起こり、タントラヨガから来た。


※※補足文
「タントラ」とはシヴァ神妃の性力を崇拝するヒンドゥー教のシャクティ派の聖典。

右手の道は男性性(または中国語語で陽)だと思われており、一般的に全てのオカルティストからは良いものとみなされている。右利きのタントラは男性支配であり、純粋な形を含む。その鍵は男性側の一連のセックス体験(maithunaと呼ばれる)のゆっくりとした抑制にもある。これは神シヴァや女神シャクティとの合一(ヨガ)を得るために行なわれるとされる。
左手の道は、女性支配(陰)である。ウイッチやサタニストを除く(彼らはそのような区別をクリスチャンや性差別者であるとみなしている。)
オカルティストからはそれは悪であるとみなされている。左手のタントラは男性側の完全な性的解放を許し、他の甚だしく逸脱した方法をヨガの到達点とおぼしきものを得るために使うのである。特別の性的動作や訓練を通して、人間の不死は達成され、他次元と空間へ入り込むため人間の体のチャンネルは発達し得るのだと信じられている。
タントラヨガは冒涜的であり、邪悪であるとほとんどのヨガ行者から思われているが、クロウリーの登場以来、今や西海岸でも教えられているのである。

私達が会った「マスター」は左手のタントラを取り巻く魔術的なテクノロジーを発達させた真のパイオニアであるとされていた。彼のことを『アクエリアス』と呼ぶことにしよう。彼は私が今までに会った中で一番変な、一番危ない人間だった。アクエリアスはO.T.Oの対的総裁(どちらかといえば司教に似ている。)によって高く推薦されていた。それでシカゴの彼のセミナーに出席してみた。
(中略)
アクエリアスはグノーシス主義的カトリック教会のための北アメリカの都市部の大司教であった。彼はまたフリーメイソンリーのエジプシャン位階(メンフィス-ミツラム)とヴードゥ教のヒエロファントのマスターでもあった。私は彼に、自分はすでにオールドカトリックの司祭であると伝えると、さらに感銘を受けた。彼はグノーシス主義的カトリックは、ハイチからアメリカへの道を経由してフランスから来たと説明した。そしてその使徒的継承は、ユトレヒトのオールドカトリック教会が行ったように、バビロンの大祭司まで遡ると説明した。
アクエリアスの学部はとても複雑で、それを扱うのにまるごと本1冊分になっただろう。そのほとんどは、O.T.Oやタントラ信仰、アングローカトリック、フリーメイソンリー、ブードゥー教の教えと似ていた。ここでは、私が他のオカルトとウイッチクラフトの教師から学んできたことをまとめたよりも、彼から黒魔術について教わったことの方が多かったというだけで十分だろう。




 この(7)を読むとサタンの教会や組織は魔法学校といえますし、まさにサタニストを育て悪魔に遣えるために訓練されていくようになっているのだということが伺えます。それは古代バビロンの時代から行なわれてきたことではありますが、近代ではその魔法学校の初代校長、もしくは代表がサタンに愛されたアレイスター・クロウリーになった。ともいえるのではないでしょうか。この先をもっと読むと更にそれが確信的に入ってゆきます。



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