もうずいぶん昔の話になる


その日は初夏の風が吹くとても心地良い日だった


仕事に向かう為会社の車を走らせていた、車のエアコンから人工的な風を受ける事もなく車の窓を少し開ければ自然と心地良い風が吹き込んで体を包んでくれる


高速道路を快調に車は走る


しかし快調で心地良い時間を遮る音に俺は気付いた


「パチパチパチパチパチパチ」


?…硬いなにかに干渉するような音が微かに車内に響く


タイヤが小さい砂利を巻き上げてタイヤハウスに当たるような音


しかし高速道路に砂利なんて無い…ミラーでタイヤや道路を確認してもなんの異常も見当たらない


?…車内から音がしてる?


後部座席にはウチのベテラン社員が乗っていたのはもちろん知っていた。しかし氏は異音には気づいて無いようだ


しかしやはり音は依然続いている


運転しながら車内を見回す…とりあえず運転席助手席からは何も確認出来ない


後部座席か?…とルームミラーを覗く


後部座席ではベテランさんが窓を少しだけ開けて吸っていたタバコの煙を逃がしていた


車内に煙がこもるのに気を使って窓を開けていたのだろう、特に変わった所は見受けられなかった


そう、あの時までは…


ベテランさんは頭髪に問題がある、いわゆるバーコードだ、右から左へなけなしの頭髪をなでつけていた。今日も完璧だ


いや、完璧だった


少し開けた窓からは車内の空気を吸い出す方への力が働いてしまっていたようだ


ベテランさんの頭髪は頭頂部でフワフワと不安定に揺れている。しかし頭髪は右からのひとかたまりにまとまってはいる


しかし次の瞬間全ての答えは弾き出された


開いたー!頭髪がパカッと開いたー!


左へなでつけていた右の頭髪が一気に開いた!


炊飯器のフタか!髪の毛ってそんな風に開くかね!?中身はなんだ!炊き込み御飯か!


完璧ゆえにそのままパカッと行っちゃいましたよね!


もうね、釘付けですよ!


すみません取り乱しました。では


そして開いた頭髪は少しだけ開いた窓から毛先だけ出し激しくガラスを叩いていた


「パチパチパチパチパチパチ」


これか!


ベテランさんはその状況を良しとするはずも無く、スッと馴れた手つきで元に戻した


しかし無情にもまた頭髪は車外に吸い出された


もう笑いが止まらないよ…


笑っちゃいけないけど笑いが止まらないよ…


俺運転中だよ?   


もう見ないようにしよう…


でも音は聞こえちゃうんだもの!


アレが起きてるのは明白なんだもの!


ハンドルを握る手が、いや…身体が震えてたのは間違いない


だっておもろいんだもの!


ベテランさんは、いやズルムケさんは何度か直す⇨パカッ⇨直す⇨パカッとを繰り返していい加減堪えられなかったようで静かに窓をスッと閉めました


あきらめちゃったよ!!


ちょっと肌寒くなっちゃったのかな!?


炊き込み御飯が冷めちゃうからかな!?


もうねこっちも必死ですよね…


涙で前が見えないんだもの!


事故ってこういう時に起こるのかな?って思った初夏の出来事でした


Remixで物語風に書くつもりがいつもの感じになっちゃったよ!(笑)








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