[自由至上社会主義 アナキズム]ノーム・チョムスキーの問い
チョムスキーの問い
言語学者であるノーム・チョムスキーは、思想家でもあり、政治家でもある。
1950年代後半に「生成文法」「言語生得説」を発表。
その反響は言語学だけに留まらず哲学、数学、コンピュータ言語にまで及んだ。
言語学の面でも多大な影響を受けたが、特にチョムスキーのグローバリズム批判や9・11への言及
利権、金儲けのためのテロリズムとプロパガンダのためのメディアコントロールへの発言など、著名な学者のアナーキーな態度に激しく感銘を受けた。
そんなチョムスキーが資本主義、民主主義、戦争など現代世界の様々な事について語っている本がある。
その中のある一節を読み、完全に迷子になった。
何をすれば、日本が世界が今より良くなるのか?
暗く長い夜
見通しの悪いところを松明片手に恐る恐る歩く。
手探りで調べれば調べるほど、闇という空間の造りがそれとなく明らかになってくる。
懐中電灯ほどの見通しがついたが、電池のストックが底をつく事への異常な懸念に、生き物としての退化を感じる。
LEDライトで照らす事で、ついに全貌が明らかになった。
しかし、ここで全てなのか、ほんの一室なのか?
ここからではまるで解らない。
朝がくるかもわからないこの空間で太陽を待つしかないのか?
どうすればいいのか?
まだ、まるで自分なりの答えも見えませんが、チョムスキーの一節を引用します。
以下引用
「国民の大多数が望む、いままで切実に求められていた社会改革に取りかかったとします。
例えば、ラテンアメリカで人気のある改革派候補が当選して改革をはじめると、たいてい二つのことがおきます。
ひとつはアメリカが支持する軍事クーデターが発生します。
しかしここではクーデターが起きないとしましょう。
次に来るのは資本ストライキです。投資資本がその国から流出し、投資レベルが下落し、経済が失速するのです。
これは一九八◯年代のニカラグアが実際に直面した状況です。
唯一の問題は、富裕層は自分たちが政治的権力をわがものにしない限り、投資をしたがらないということです。」
引用:「チョムスキー世界を語る」より
ここで出てくるニカラグアの政党というのは
The ClashがLondon callingの翌年(1980)に発表したSandinista!で歌われているサンディニスタ党の事です。
キューバ革命に影響を受け、結束し革命にまで至るが、上記の問題からは逃れられなかった。
この事は、エジプトでの革命に影響を受けた日本国民の手で革命を起こす際、教訓にすべき事例だと思います。
国会では利権のためだけの多数決が繰り広げられ、国民の意思、常識すら作り上げられた上での選挙をする事で、一握りの異変に気付く少数派の意見を淘汰する。
理想的な政党が、主導権を奪えさえすれば!
と思っていた自分にとって、このチョムスキーの例え話が実際の出来事だと知って、完全に迷子になりました。
国際金融などの一部の支配者、それを取り巻く世界の富裕層に対して、最も致命傷を与える事が革命である事に変わりはありません。
最も今必要な事が革命である事にも変わりはありません。
しかし、その革命の色次第では、せっかく一致団結できた一揆が日本の病の根治にまで至らず、無力感の内に牙を抜かれ無気力で無批判な消費者にされるカウンターの可能性も秘めています。
ニカラグアの革命も資本家のさじ加減ひとつで収束へと向かい今もなお、あまり良い状況とは言えません。
大事なのは革命と自立、否定と代案、爆発的な世直しと持続可能な自給。
これらが同時に存在した時に、グローバリズムの中枢にいる富裕層の作為にかき混ぜられる事なく「全部足りてる。頼る必要が無い」としっかりNoを言えることができるはず。
これまでも、今も衣食住、エネルギーの自給率を高めているコミュニティーはたくさん増えてきています。
武者小路実篤の時代も、ビートニクの詩人たちも、ラスタファリズムの人たちも、今と同じ事、同じ問題を昔から説いています。あんな影響力ある人々が説いてもなお根源は変わらない。
しかし上下に波を打ちながらも確実に高まってはきている。
いまの日本でも福島原発を機に、革命の気配が熱を高めてきています。
メインストリームである政治の中から流れを変える場合、少数派のサブカルチャーから渦を起こす場合、いずれにしても、資本の大元をほんの一部の支配者たちが握ってる限り、その金銭での支配、海外依存から脱する必要があります。
なぜ、世界唯一の核爆弾被爆国にこのようなことが起きてなお健全な暮らし、健康な体を手に入れることが許されないのか?
誰が得しているのかを調べれば誰もが必ず腹が立つ。
本物の民主主義ならば、電力も、メディアも、農法も、政治も、ライフスタイルも選択できる権利がある。
民主主義や資本主義のシステムが悪いようにも感じるが、チョムスキー曰くまだそのシステムが完全に機能した瞬間は無いとのこと。
主義というシステム自体を変える前に、まず一度、完璧な民主主義が実現できれば、何もかも変わる。そのために最も必要なことが、時代が大きく動く瞬間に、民衆が声を張り上げる事だ。
マクロな宇宙を見てもミクロな世界を見ても爆発と創造は表裏一体で存在を形成している。
日本のような先進国で起きる革命こそが世界に最も強く影響を与えれるはず。
今日で二ヶ月。
この問題は今の子供たちの代まで二十年、三十年、四十年とずっと尾を引く。
子供達の代に回したくない。引き継がせたくない。
自分たちのケツは自分たちで拭こう。
何がなんでも今しかない。
次回:文化の分化

