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うーむ、硬いタイトルですね。

これ、何かと言いますと、
配偶者等からの暴力（DV）、ストーカー行為、児童虐待等にかかる被害者が、加害者に住所を探索されることを防止するために、第三者に対して住民基本台帳の閲覧、住民票の写し、戸籍の附票等の交付を制限する措置です。
硬いなぁ💦 余計分からなくなっちゃいますね💦💦

簡単に説明いたしますと、

DV、ストーカー、児童虐待の被害者で、加害者に住所を知られると心身に危険があると考えられる場合、「本人以外には住民票の写し等の交付を制限する」という制度があるのです。

「住民票の写し」とは法令上の用語で、一般的には住民票のことです。

住民票は本人及び同じ世帯の人に交付するのが原則ですが、委任状があれば来庁した人の本人確認をしたうえで交付されます（法令上これを妨げることはできません）。

これを悪用して、委任状を偽造して住民票の交付を不正に受けるという事件が残念ながらあるのです。

例えば、DVを理由として離婚した夫婦があり、その夫婦には未成年の子がおり、親権は妻が取ったとします。

離婚時に養育費や子との面会交流の取り決めはしたものの、元夫は納得せず自宅に押しかけ粗暴な言動をしたり、通学中の子を待ち伏せして接触を図るということがあります。

このため元妻と子は引っ越しをしたが、元夫が執拗に住所を探索している……。

こんな事例に対応するために設けられた制度です。

【余談】

支援措置がなされ住民票の写し等の交付に制限がかかったことを知った元夫は……、市（区）役所の窓口で暴言を吐き暴れますね(-_-;)

最終的には白黒ツートンカラーのお車に迎えに来ていただくことになりますが、その後の現場確認、捜査関係事項照会書や調書作成への対応などで職員は労が込みますので、加害者様におかれましてはどうか冷静な対応をお願いいたしますm(__)m

さて、この制度の運用については、警察、社会福祉事務所や児童相談所等の行政機関、市町村などの関係機関が連携して行っているのですが、これらの関係者にとって「ええっ？」という判決がありました。

2018年4月、住民基本台帳事務における支援措置を使用した元妻に対して、「元妻は、元夫と子との面会交流を妨害する目的で住民基本台帳事務における支援措置を使用した不法行為である」として、元夫が名古屋地方裁判所に訴えを提起し、判決が下されたものです。

これについて名古屋地裁は「元妻が父子関係を断つためにした支援措置の目的外（虚偽）使用であり違法」と判断しました。

これを受けて、「虚偽DV見逃し」「妻と県に賠償を命じる」と報道されたのです。

警察、各行政機関、市町村などは適法に事務を進めてきたはずであり、判決に対して「えっ？」というのが率直な感想だったのではないでしょうか。

この判決については控訴され、2019年1月名古屋高裁では「被害者要件、危険性要件を満たしている」として逆転判決がされ、2019年9月には最高裁判所も高裁の判決を支持して確定しています。

被害者（元妻）について住民基本台帳事務における支援措置がなされています。

DV等の被害者支援は難しい問題ですが、これに一石を投じる裁判（と判決）でした。

何事でも加害者と被害者には言い分があることから、話が噛み合わなかったり、言動が先鋭化することがあります。

この判決の中では「被害者が怖いと思えばそれはDVである」「まずは被害者保護にある」という趣旨の言葉が挿し込まれていました。

行政機関や市町村の相談窓口では、何を以てDVとするのか、その例においては支援措置が必要か……など悩ましい例が多々ありますが、この判決（判例）の説明文は今後の事務の指針となるものだと（当時）思いました。

DV等でお悩みの方、特に住所を探索されたくないとお悩みの方は市町村役場を訪ねてみてください。

住民基本台帳事務における支援措置を含め、シェルターや法テラスの案内などきっと具体的なアドバイスがもらえるはずです。

※ 法令や判例を扱う時は用語等の使用に厳密にならなければなりませんが、このブログではかなり噛み砕いて表わしています。

ガチガチの正確性よりも読みやすさを優先しておりますので、その点はご容赦くださいm(__)m