最悪の状況を乗り越える

不動産投資を始めるとき、私が自分に課した条件があります。

それは、『次の質問に明確に答えを出し、YESと言える』ことでした。

質問は、『最悪を想定して、なおそれでも乗り切れるか？』というものです。

最悪の想定とは、私の場合ずばり『自己破産』です。

つまり、不動産投資をして『自己破産したとしても、乗り切れるか？』という質問に、納得できる答えを用意することが不動産投資を始める条件でした。

これは私自身に課した課題でもあり、実は妻に言われたことでもあります。

なぜそこまでして不動産投資をやろうとするのか？と思われる方もいらっしゃると思います。

当時の私は追い込まれていたからです。

精神的にも肉体的にも。

なんとか自分の手で稼ぐ必要がありました。

会社をクビになっても、自分で生きていく必要がありました。

というのも、、、、

私が不動産投資を志したのは、会社での過労や心労が重なって体を壊し長期入院することになり、会社の人事からもこの状態が続くようであれば解雇せざるを得ない、と言われたことがきっかけです。

（以前この辺りを記事を書いておりますので、興味ありましたらどうぞ↓）

『私が不動産投資を始めた理由』私が不動産投資を始めた理由、それは「会社からの解雇宣告」がきっかけです。ちょうど過労やストレスで倒れ入院した時期で、原因不明で入院して4ヵ月くらいが経過した…

ameblo.jp

この時は、不動産投資に絞ってはおらず、FXや株式投資、物販、アフィリエイトなど実にいろいろな副業を試しました。

『石橋を叩いて渡る』性格の私は、検討は慎重にかつ丁寧に進めていきました。

早朝、会社の生き帰りの電車の中、帰宅後、まさに起きて会社で仕事をしている時間以外ほとんど頭の中はそればかり考えていました。

幅広く書籍等でも情報を集めながら、かつ実体験を持つ人の直接セミナーを受講したり、コンサルをうけたりしました。

書籍は、それこそ１００冊以上は読んだと思います。

副業関連で、実践している人にも３０人くらいにはあったと思います。

お金も数百万はかかりましたが、自分の今後を決める大事な決断には、必要な投資と割り切って投資しました。

最初はいろんな情報がありすぎて整理するのに苦労しましたが、情報の整理・分類を続けていくうちに少しずつ全体像が見えてきて、自分でも納得できるレベルまで咀嚼できるようになりました。

数ある副業の中でも、不動産投資が最も合っているとの結論に達しました。

・会社員を続けながらでも空いた時間で実現できる

・長期的に安定して資産を積み上げていくことができる

・自分一人でもできる

・融資（レバレッジ）を活用できる

相当不動産投資に前のめりになっていた私は、１年ほどの長い検討期間を経てようやく実行に移す段階になっていました。

不動産のノウハウは大体頭で理解できた。

いろんな実践者に話を聞いて、自分にも不動産投資をできそうなことも分かった。

時間はかかるが成功できそうな道筋も見えた。

・・・

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・・・

でも、、、

その中でどうしても解決できない疑問が残っていました。

それが、仮に想定外の出来事が起こって、『自己破産』するような事態に陥った場合、家族を露頭に迷わせることなく最低限の生活が可能か？というものでした。

この問題は、不動産投資の本をいくら探してもなかなか出てきませんでした。

コンサルティングをしてくれている先生にも５名ほどに尋ねましたが、明快に答えてくれる人はいませんでした。

不動産投資のイロハは勉強し、納得し、踏み出せる状態にまではなった。

しかし、最後のリスク管理の一番難しい問題が未解決でした。

途方に暮れていたころ、

ふと書店である本が目に飛び込んできました。

これだ！と思いました。

著者はかつて、140億円の負債を抱えていたのですが、8年かけて負債ゼロ、個人保証ゼロ、自己破産せずに自立再生した経営者で、実践経験をしてきたというのです。

一気に読破しました。

そして著者に会ってみたくなりました。

ちょうどセミナーをやられていたのですぐに申込みました。

いざセミナー当日。

貴重なお話を伺える感謝の気持ちから、近所のケーキ屋さんでお菓子を詰めてもらいお土産に持っていくことにしました。

セミナー開始。

セミナー会場には６名くらいの方がいらしていました。

不動産セミナーなどは少なくても１０数名、多ければ１００名超というのが多いので異様な雰囲気がありました。

でも考えてみれば、自己破産の話を聞きたいというのは相当追い込まれた人か、私のようによほど小心者の慎重な性格か、どちらかでしょう。

一通りセミナーを受けました。

書籍は隅々読んでいましたので、内容の部分は問題ありませんでした。

私がそれでも著者の『三條慶八』さんにお会いしたかったのはマインドの部分です。

どんな困難でも、必ず道は拓ける。

意思のあるところに、道はできる。

私は衝撃をうけました。

そう、私が求めていたのはこれだったのだ、と感じました。

頭で、ロジックを組み立てて、リスク分析をして適切に評価したリスクを軽減する方法を検討するのものいい、いいんだがそれだけではだめだ。

理屈抜きでやりきるんだ、乗り越えるんだという精神論が一番大事だと説かれました。

もちろん、ただの精神論ではありませんよ。

実際にそれこそ四六時中、論理を巡らせ、相手のことも考えつつ生き残る道を最後の最期まで探し続ける。

そのうえで、大事なのはハートだ、というわけです。

今までにお会いしたメンターの方々からも感じたことのない、意志力を感じました。生命力を感じました。

こういう迫力が私には足りなかったのだと打ちのめされた瞬間でした。

三條先生ともセミナー後おはなしをさせていただきました。

『私はこれから不動産投資を始めようとしている。最後のリスク管理の部分で答えが出せないでいた。今日は精神力の大事さをを教えてもらい、感謝しています。踏み出したいと思います。』と一方的に宣言をしてお礼を言ってセミナー会場を後にしたのを思い出します。

しばらく言いようのない興奮を感じつつ、次にどのように動くか自分なりに整理してみました。

妻を露頭に迷わせるかもしれない、という事実は変わらない。

自分だけではいざ知らず、妻も保証人に入ることを求められることもある世界。

自分なりに何としても乗り越える覚悟はできたが、妻にも少し覚悟を持ってもらう必要がある。

これは二人の問題。

いや未来の子供たちも含めた家族の問題なのだ。

自分が覚悟をもって始める。

不幸の始まりではない。

幸せの始まりなのだ。

考えうるリスクも最大限考えて、それに対する用意もできた。

自己破産が最大のリスクと思ったが、それすら回避する人に話を聞くこともできた。

実際、地震などで不動産が倒壊し、借金だけが残るリスクがある。

倒壊率を調べたところ、現実的にRC造では0.2％という調査もある。

リスクをゼロにすることはできない。

ゼロにすることは、挑戦をしないということだ。

挑戦をしないということは、リターンのゼロを受け入れるということだ。

最低限のリスクは引き受け、リターンを狙う戦法で行く。

リスクそのものもコントロール可能なものだ。不動産の場合は特にコントロールの幅が広い。

そのあたりを夫婦で話し合った。

妻も私の熱意についに納得はしていないが、ついてきてくれると心を決めてくれた。

ありがたい。

感謝に尽きる。

決して失敗しない。たとえ失敗しても何とかリカバリーする。

強い意志をもって道を拓く。

決断したあの時を改めて思い出し、初心に帰ろうと思う。

自分には、『どうせ最後は死ぬんだ』、どうせなら『自分なりに精一杯の花を咲かせて散ろう』という死生観があります。

一人の場合にはそれでも

自己破産の想定