新しいデニムを穿き始めると


今まで穿いてきたデニムをより愛せるという現象が発生する




穿き始めのデニムほどいじらしい物もない


真っ紺でまだ誰の物でも無いという濃い状態



これからの色落ちが楽しみなのは間違いないがそれは長期戦を意味する



毎日、毎日、同じデニムを穿く


そんなルーティーンを繰り返している時にふと隣を見る


そこには穿き込みを一時中断したかつての相棒が佇んでいる



ふと手に取って広げてみる



え?こんないい感じに色落ちしてたっけ?


結構色落ち進んでんじゃん?



隣の芝生は青いとはよく言ったものだ



新品同様の真っ紺デニムと見比べるとそれは美しい色落ちと今後のポテンシャルに満ちている


穿いてる時はそいつに全集中してるからこそ色落ちの現在地になかなか気づけないんだよね


得てして次のデニムを手にした時に気づくものだ





この現象があるから並行して何本か色落ち進めるのがいいと思ってる


そりゃ1本入魂して、理想の色落ちを完成させてから次の1本にいくのが理想だが


サラリーマンの穿き方では次の1本を手に入れるまでに何年要するか分からない




長期戦を見越すなら次の1本が前の1本の良さを引き出してくれる


それを繰り返しながら徐々に色落ちを進めていくのが色落ちライフを楽しむやり方のひとつだろう



新しい1本の色落ちがある程度進んだら、今度は前の1本に戻って再び色落ちを進めたくなる


そしてまたすぐに新しい1本を手にしたくなる




常に色落ちに追われ、デニムと共にある


こんな人生も悪くないだろう