バレーの世界大会にチャレンジシステム(ビデオ判定)がついに導入 | バレー・テニス中心のスポーツブログ

バレー・テニス中心のスポーツブログ

男女バレー・テニス等のスポーツ、ダイエットを記載します

$バレー・テニス中心のスポーツブログ
1年に1度ほど書いてるこのビデオ判定シリーズ。昔から見て下さった方は、ああそういえばと思うかもしれませんが、ついにバレーボールの世界大会の2013ワールドリーグの予選7/7(日)「ポーランド×アメリカ」「セルビア×イタリア」戦でテスト運用されたようです。

おそらくWGPのどの試合かはわかりませんが、ビデオ判定が使われると思います。予算のある日本の試合かもしれません。

FIVB関連記事はこちら

下記は自分の解釈で受け取ってますので、個人的な意見として、ご参考までにお願いします。

ビデオ判定でかなりやることがあって、細かい部分まで判定するとなると、試合中の流れがコロコロと変わり、故意的にチャレンジシステムをタイムアウト代りに悪用するチーム(監督)がでてきそうで、あまりバレーでのビデオ判定は個人的に賛成できないです。

初期にやるとすれば、サイドライン、エンドラインのIn、Out判定くらいでいいのではないかと。それで問題なければ、他のネットタッチ、ワンタッチ、パッシングセンターラインなども試みればいい。

現状のビデオ判定は、おそらくですが審判エリアの卓上ビデオで判定するだけじゃないでしょうか。結局、テニスのように会場と一体になるオーロラビジョンなどで観客を納得させるようなことはない気配です。

人気を沸騰させるには、変な間合いは必要なく、また会場のファン達を選手・スタッフ共に納得させるようなシステムが必須。それだけのことが20秒程度でできればいいですが、時間がかかる時はタイムアウト以上の90秒ほどかかる場合も多く、タイムアウト以上の効果も出てしまう可能性があります。

チャレンジシステムは、ロンドンオリンピック後にほぼ結論に達したようです。2014年の女子はイタリア、男子はポーランドでの世界バレーにて、正式導入を目指すと。
http://www.aboutxinjiang.com/Science/content/2012-08/13/content_7128852.htm

となると2013年の男子WL、女子WGPからテスト形式で始まり、様々な課題を調整しながら、2014年の世界バレーで正式導入となるようです。

重複しますが、基本的なビデオ判定について記載します。

◆ビデオ判定システム『Hawk-eye』
テニスファンならご存知の通り、すでにテニスではイギリスのホーク・アイ・イノベーションズが開発を手がけた「ホークアイ(Hawk-eye)」(鷹の目)と呼ばれるシステムが2006年3月から導入されています。このシステムはミサイル誘導技術を応用したもので、コート周囲に10台のカメラを設置し、ボールがどのような軌跡を描いたか瞬時に映像解析を行うシステムのことです。

まずは下記の動画をご覧ください。


ただしテニスとバレーで違うのは、テニスはほぼ毎ゲームごとにタイムアウト的な余裕があり、更にはコーチはグランドスラムなどの大きい大会では全くサインすら出せないルール規定がある。そのため本当に個人で全ての試合コントロールをしなければならない。

でもバレーは監督の介入や試合中でのアドバイスは自由なので、システム的にも選手以外の介入が認められているので、試合の流れにどう影響するか???
$バレー・テニス中心のスポーツブログ
しかし、このホークアイは若干ブレがあるとか。3.6mmの誤差らしいのも最近になってわかっています。
http://www.stevegtennis.com/2012/06/should-hawkeye-be-used-at-roland-garros/

ではバレーについてのビデオ判定システム導入がどうでるのか?みてみましょう。

1試合の流れへの影響
●監督がゲームコントロールに大きく影響
●最大4回のタイムアウト(TT含む)
●ベンチからの指示OK
バレーは、テニスよりも更にゲーム感覚が早いスポーツなので、コート外からの指示など、監督などスタッフの影響が非常に大きい。Hawk-eyeのビデオ判定には30秒以上の時間がかかるだろうから、下手をすればタイムアウトと同じ効果となってしまう。

要は、負けているチームが試合の流れを変えたくて、明らかにアウトと思われるものでも故意的に「チャレンジシステム(判定に異議を唱え、ビデオ判定を依頼すること)」を要求するような悪質な使い方が増えないかを懸念してしまします。

韓国リーグの試合ではビデオ判定がすでに導入されているが、判定に90秒もかかっているようです。現在も継続されているのかは不明です。


2012/13のCLの準決勝でもビデオ判定が導入されました。イスタンブールの会場で直接かかわった方もいらっしゃると思います。会場には全く説明もないようだったので、これで本当にいいのか?と思ってしまいます。逆に今までのバレーのいい試合を止めてしまう感じがしました。

●CLファイナル4準決勝 ワクフバンク×ガラタサライ

開始1:09:55~
木村沙織のワクフバンク×佐野優子のガラタサライの対決で注目された第3セット5-5の場面。ガラタサライのオズソイのスパイクがサイドラインOut? In?

結局これで2分間も試合が中断。TV画面では何度もそのスローモーションが流れたため、わかったでしょうが、会場の人には何?って感じのように思えたんじゃないでしょうか。ビデオ判定は、両チームを納得させるだけでなく、ファンもきっちりと知る必要があると思います。

その一体感がテニスのように会場のファンもリズムを取りながら拍手をするように盛り上がらなければ、やってもあまり意味がないように考えます。逆にファンからの不満が増えるだけかもしれません。特にバレーはテニス以上に展開が早くリズムが大事なスポーツ。この導入がいい方向に向かえばいいと思います。

2ビデオ判定事項
A reminder of the Challenge System process:
1) Video verification can be called upon team's game captain request,
  however before the game has been resumed and directly after the rally
  which is a matter of doubt.
2) Both teams have the right to call video verification for referees' decision twice per set.
  If the result of video verification leads to decision change in favour
  of requesting team, it does not decrease the number for video verification
  calls available for this team in this set. On the other hand, if decision
  of referees was correct, it means that the number of video verification
  calls for this team in this set decreased by one.
3) First referee himself has the right
  to ask for video verification in case he is in two minds and his call
  will finish the set / match.
4) Subject for video verification can be the following situations only:
a. all position where touching the floor (ball IN or ball OUT);
b. ball contact with antennae (particularly the order: after the attack hit or
  from the block);
c. faulty antennae or net contact by a player;
d. contact of player's feet with end line (when executing service),
  attack line (when back row player executed attack hit) and under net penetration
  into the opponent's court (center line);
e. Libero player's feet position while playing the ball overhand finger pass if directly
  after an attack hit has completed while the ball was entirely higher than the top
  of the net.
f. Only the game captain can address his requests for video verification to 1st referee
  (not later than five seconds after the rally has been finished). If the request
  will be judged by 1st referee as not consistent with point 4,
  the request will be rejected and the requesting team sanctioned for game delay.
  In case of a correct request the 1st referee will initiate video verification procedure
  whistling and pointing both hands towards scorer's table. All acting players remain
  on the court for the time needed to assess video.
5) Second referee analyses the video replay on a screen next to the court.
  A replay will be available for onsite spectator and the television audience.
6) Second referee after verification based on video replay informs by hand signals
  the 1st referee who is responsible for final decision.
7) In case no action's evaluation based on video replay can be done, decision
  of the 1st referee remains in force and the team jeep the challenge.

3課題
●システム導入のための予算
●ビデオ判定するための会場の設定(観客を納得させるための大型ビジョン)
●審判の格付け(テニスではビデオ判定によるミスが審判の査定の一つとなっている)
※タイムアウト以上の時間間隔により、大きくゲームの流れが変わる可能性
※試合の遅延

おそらくこのシステムは、FIVBの支援はなく、開催地負担になると思いますので、これまで以上に開催地は予算をかける必要があります。もしかすると観客の入場料チケット代に少し上乗せされる可能性もあるでしょう。

4メリット
●関係者や視聴者からの不満が解決(2011W杯日本×ドイツ戦の女子のように監督が試合後に審判への批判が減少)
●テニスのように観客や視聴者の判定への不満をコントロールすることができ、審判への不振解消および会場の大型ビジョンで映し出されるため、凄く盛り上がる

ウィンブルドンのテニスでは試合中での選手からの不満が解決し、その後もメンタルコントロールが可能で、非常に絶大な効果を得ています。20秒以内くらいで大型ビジョンに映し出されるため、ゲームの流れもさほど変わらずできているようです。MLB・日本のプロ野球・ラグビー・ボクシング・ショートトラックスピードスケートでも導入されていて、非常に納得しながら試合が継続できています。

ラフプレーも多いサッカーにも要望が多いようですが、接触プレイとグランドサイズの大きさなどですでにテスト導入されました。しかし敷地範囲が広すぎて、正確にできないのが課題のようです。しかしEUROやW杯予選でも多発している、「幻のコール」ゴールラインでのゴール判定だけでも行うという動きもあるようです。

ただバレーボールは他のスポーツと違って1ポイントの所要時間が短く、コロコロと流れが変わるスポーツ。1ポイント15秒で終わることも多く、2分もあれば8ポイント進むことも。そうなると1~2分の中断がいかにバレーボールにとって大きいか。

ビデオ判定の「チャレンジシステム」が「タイムアウト」以上の効果があるのは、当たり前になりそうな気もします。サーブやスパイクのOut、Inの判定だけで、テニスのように「Hawk-eye」で会場と一体になる方法だけ試してもいいのでは?と。

故意的に明らかにアウトでも「チャレンジシステム」を使うような監督やチームが出てこないことを祈るだけです。ただテニスと違ってスポンサーが世界中で獲得できるとはいかないバレーでは、予算の都合や会場での大型ビジョンの設営の課題もあり、「Hawk-eye」を使うことは難しいと予測します。

となるとコートサイドの小さなビデオ判定機器で判定することになり、いかに短時間で、会場さえも納得できるシステムが組めるかどうかだと思います。これからバレーの世界大会でも導入されていくと思いますので、どうなるのか見ていきたいと思います。

記事を読まれたら、下記2系統にブログ応援クリックお願いしますm(_ _)m クリックだけです
にほんブログ村 その他スポーツブログ バレーボールへ