抑鬱亭日乗

抑鬱亭日乗

複数の精神疾患を抱える者の独言を忌憚なく収録する
傾いた視線からこの世はどのように見えるのか

 職務上の事情により、会社又は個人の払うべき税金を計算している。

 

 考えるまでもないが、業績が好調な企業は払うべき税金が高額になりやすい。

 繰越欠損金のある会社なら法人税は抑えられるが、消費税はどうにもできない。

 毎年、業績が好調であれば、法人税、消費税の納税額は高額になる。

 こちらとしても最大限、税額を軽くする努力をするものの、劇的に税額を下げることはできない。

 それでも税額を抑えろと主張されると、法に触れる行為をすることとなろう。

 

 業績が好調な会社の経営者は税金を払いたがらない傾向にある。

 最終的な税額を計算した後に追加の資料を持参する御仁が後を絶たない。

 これが一度や二度なら仕方がないが、それ以上になると堪忍袋の緒が切れそうになる。

 追加した資料を加味して、再度税額を計算せねばならない。至極面倒である。

 経営者は高い税額であるが、払える資金は十分にある。

 どうしても支払うを税金を低く抑えたいのである。

 カネモチは税金を嫌う。

 

 小生の職業は他人にどう見えるのか。

 パソコンに金額を打ち込むだけの作業に見えるのだろうか。

 後から資料を追加しても、パソコンに金額を入力すると終わるとでも考えているのだろうか。

 そう思われているのなら、とんでもない勘違いである。

 詳細は割愛するが、神経をすり減らして税額を再計算する。間違えがあってはならないのである。

 

 そうして顧客から何とか了承を得て納税してもらう。

 このような御仁に一度、仕事の舞台裏を見学してもらいたい。

 繁忙期により、1ヵ月以上、新聞を読むことができなかった。

 夜に放送されるニュース番組も視聴できない日も多かった。

 だが、ラジオで聞いたのか、3月上旬に日経平均株価が40,000円を超えたことは覚えている。

 バブル期に記録された最高価格を飛び越えた。

 

 なぜ、今頃になって日経平均株価が高騰したのか疑念を抱く。

 近年の物価の高騰に小生の安月給は到底、追いつくことはない。

 「景気が良い」と実感することはない。

 岩波新書や中公新書を1冊、千円で買えなくなってしまった。

 中小企業の業績も堅調とは言えない。苦しい経営を強いられる状態は未だ続いている。

 

 なぜ株価が高騰するのか。

 上場している大企業の業績が好調であることは一つの要因であろう。

 大きな組織が利益を生み出す状態になりつつある。

 モノを可能な限り安価で仕入れ、製造し、高価で売却すると儲かる。

 非正規雇用を最大限に活用すると、人件費を最小限に抑えることができる。

 その生産物を国内のみならず、海外へ販売する。

 現在、1ドルを円に換算するとおよそ150円である。

 海外向けに販売を強化すると、円安であるためモノが高価に売ることができる。

 おそらく、このようにして大企業は収益を確保していると思われる。

 

 株式市場が賭博の場になっていることも考えれれる。

 理論上、株式市場と企業の純利益は相関関係にある。

 しかし、現実はそのようにはならない。

 割安の株式を購入し、その価格が高価になると売却するのは投資家の鉄則である。

 株式市場はこのようなマネーゲームの温床となってしまった。

 

 いつの間にか日経平均株価は40,000円を下回った。

 株価は経済の体温のようなもので、高すぎることも問題である。

 理由はよくわからないが、株価が高騰する状態を「バブル」と呼ぶのであろう。

 株価はいつまでも上がり続けない。上がった後は下がるのみである。

 

 小生は1980年代後半のバブル景気に憧れている。

 一年で一番きつい時期を乗り越えた。

 正月明けから3月中旬まで気力、体力、根性がないと務まらない。

 5月も厳しい時期であるが、この3カ月に比べるとまだ余裕がある。

 

 顧客が新規の御仁を紹介してくれるのはとてもありがたい。

 しかし、このような新規の断れない顧客が来ると、件数が増える。

 むげに断ると、依頼が少なくなるリスクが高まる。

 組織の代表は「件数を減らす」というが、今年も件数が増えた。

 過労死ラインなど気にしていられない。

 このように早朝から深夜までこき使われ続けた。休日はほぼない状態である。

 

 毎年恒例の現象が発生する。

 歩行者信号は朝と夜で見え方が異なる。

 朝の信号は人物が歩いている。

 夜の信号は歩行者の手足が数本に見え、走っているように見える。

 乱視はたった一日で進行するものらしい。

 だが、休息し次の朝を迎えると、進行したはずの乱視が治癒している。

 

 嗚呼、疲れた。

 ニュースで大企業であるが、新卒初任給が21~25万円に上昇する傾向にあるという。

 新卒初任給以下の給与でも、常に自分はプロフェッショナルであるという自覚は揺らいではならない。

 全国的な賃上げの波紋は大企業が中心でり、零細組織には及ばないのが現状である。

 ストライキを決行する御仁もいるようだが、小生がストライキを敢行すると、待っているのは解雇である。

 「お前の代わりはいくらでもいる」という言葉が大嫌いである。

 

 元日の夕刻。

 突然、手元にあるスマートフォンが騒ぎ始める。

 石川県で大きな地震が発生した旨を表示している。

 次の瞬間、京都に38秒後に地震が起きると表示している。

 北陸方面で大きな地震が発生したことは理解できたが、本当に京都も揺れるのだろうか。

 

 このようなことを考えていると、住居が揺れ始めた。

 建物が回るような揺れがしばらくの間、続いた。

 間違いなく北陸方面で大きな地震があったことを確信した。

 太平洋の南海・東南海トラフで大地震が発生することは予想されているが、能登半島で発生するとは思ってもみなかった。

 

 再びスマートフォンが騒ぐ。

 次は津波警報が発せられた旨を表示している。

 ここでラジオをつけてみた。

 するとアナウンサーが絶叫している。

 「大津波警報が発令された、一刻も早く逃げて、高い場所に逃げて」と何度も叫んでいた。

 ここで初めて小生は事の重大さを認識した。

 

 翌日、ニュースで街の様子を知る。

 古い建物の1階が2階に押しつぶされている。

 この映像で小生は阪神大震災を思い出した。

 当時の建物は今のような耐震基準がなかったため、建物の1階が軒並み押しつぶされていたのである。

 建物の下敷きとなり、犠牲となった御仁が大勢いた。

 圧死は免れたものの、生きたまま火災に巻き込まれた御仁も少なくなかった。

 

 災害は突如、姿を現す。

 備えが重要である。

 憂鬱な2023年が終わり、未知の2024年が始まりました。

 皆様、明けましておめでとうございます。

 今年もよろしくお願いします。

 

 この数年、諸般の事情により投稿の頻度が著しく少なくなりました。

 その状況は今後も続きそうではありますが、今年は週に一度の更新を目標に掲げます。