こんばんは。東京都立川市の開業税理士@ノブ です。
先日、本屋に行って日経文庫の本棚あたりを物色していたところ、
MBA経理課長団達也の不正調査ファイル
日経ビジネス文庫 林 總 著
および
MBA経理部長団達也の企業再生ファイル
日経ビジネス文庫 林 總 著
という本が目に入り、興味をそそられ購入してみました。
私はあまり知らなかったのですが、インターネットで「団達也」で検索をすると
日経ビジネスオンラインで「熱血!会計物語~団 達也が行く」という題名で
ストーリーがネットにて読めるようで、そのSeason1~2の文庫本のようです。
この本の要旨は、シンガポール大学を首席で卒業した団達也がアメリカ
の一流コンサルティングファームからのオファーを拒み、日本の中小企業に
就職し、その中小企業に潜む不正経理や倒産危機をいかにして解明し会社
を立て直していくのか?! です。
私がこの本で興味をそそられたのは、
・会計の知識は、その現場(製造業であればその製造現場など)の実態を
よく知ったうえで活用することにより、経営に役立つものとして活かされる
・企業における経理部は、会社の数字を正確にかつスピーディーに開示
することだけではなく、将来の経営に役立つ生きた情報を経営者に提供し、
経営課題について経営者とともに解決していくことが大切である
・利益よりキャッシュフローが会社にとって大切である
という点です。
◆会計の知識というのは、経理を行う者にとってとても重要なファクターですが、
それだけでは頭でっかちになりがちで、その知識を経営にしっかりと活かす
には、現場の実態や会社独特の処理などをよく把握することが大切です。
とくに管理会計(経理数字を経営に役立てるために活用する会計手法をいい
ます)においてはとても重要です。
◆経理部は会社の数字の集約場所です。営業から上がってくる数字や、工場
などの現場から上がってくる数字をすべてまとめて見ることができる場所です。
その経理部から、経営に役立つ情報を率先して提供し、経営課題を解決して
いくことは、今までもそうだと思いますが、まだまだ厳しい経営環境においては
特に強く求められることだと思います。
ただ、中小企業にとって、経理部をはじめとした管理部門にはなかなかコスト
をかけられないことが多いと思います。
そういう場合には、私たち税理士を大いに活用していただき、税理士と一緒に
経営課題に取り組んでいただければと思います。
◆「利益よりもキャッシュフローが大切」ということは今までもよく言われている
ことですので今更のことかもしれませんが、やはり会社の数字はついつい
損益計算書上の利益で見てしまいがちです。
しかし、一番大切なのはキャッシュフロー(資金の流れ)であることをこの本は強く
言っています。そのとおりだと思います。
利益は出ているけれども倒産してしまう(これを黒字倒産といいます)のは
起こりうることなのです。
たとえば、どんなに売上が上がってもその売上金の回収がなかなかできな
ければ、運転資金は不足します。
また、在庫をたくさん抱えている状態で利益が出ていたとしても、その在庫量
が適正でなかった場合には、手元資金が在庫(棚卸資産)に形を替えて
会社内に留まってしまっているわけなので、手元資金の不足を招くことが
起こりえます。
したがって、もちろん自力で現金を増やすためには、利益を出すことは当然
必要ですが、利益だけに注目するのではなく、合わせてキャッシュフローに
ついても注目し、運転資金が効率的に使えているのかどうか、資金不足の
要因は何か等について考える必要があります。
そんなことをこの本を読んで改めて再認識しました。
私のお客さんにもこの再認識したことをしっかりと還元していきたいと思います。
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