日本鯨類研究所は世界中の鯨類が食す餌(魚、オキアミなどの甲殻類、イカなどの軟体動物を包括する)の消費量は2.8~5億トンと推定し[3] 、これは世界中の人間による漁獲量9千万トンの3倍~6倍であるとした上で、鯨のみを保護する事によって海洋生態系に悪影響を与えると主張している。これがいわゆる「鯨食害論」である。

鯨は、人類が誕生する以前から海洋生態系 に組み込まれる形で、海洋生物を消費し、鯨もその中で死後、糧になることを繰り返してきた にも関わらず、今頃何故それが主張されるのか、また捕鯨対象種以外の種をわざわざ含む説自体を疑問視する[4] ^

常識はウソだらけ (WAC BUNKO 73)/日垣 隆
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」ワック 小松正之は「鯨80種は全て食用になる」とコメントしている。 意見もある。

また、「北太平洋のミンククジラ個体群がオキアミ よりも、サンマイワシ など群居性の中小型魚を多く捕食していたことは専門家にとっては古くからの常識であり一般向けの動物学啓蒙書籍にも広く記されていた事実であったにもかかわらず最近になって調査捕鯨の成果として人間の食料になる魚類の大量捕食が判明したかのような広報がなされた」「鯨類の総バイオマス量が激減している以上、鯨類が消費する水産資源も激減しているはず」などが指摘されている。

一方、「南極で餌をとる鯨などはオキアミを主として食すこと、マッコウクジラ などのように深海の軟体動物を食べることなど、人間の漁業と競合していない部分の方が遥かに大きい」、また「計算の対象となった世界中の鯨類にはイルカなど捕鯨対象種以外の種を含んでいる」などにより、2.8~5億トンと言う数字を漁獲量と比較するのは不適当であり重大な誤解を招くという反論もある。事実、この数字を算定した際の日本鯨類研究所の推定では、捕鯨対象種のIWC所管のヒゲ鯨に限っては、直接人間の漁業と競合する魚の消費量を1200万~2400万トンとしており、これは漁獲量の15~30%にしか相当しない。