約2ヶ月ぶりの更新

太平洋戦争のロジスティクス/学研パブリッシング
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旧日本軍=兵站軽視の図式が成立しているためか、とにかく旧日本軍は兵站は叩かれる。

「インパールガー、ガダルカナルガー、船舶輸送ガー、機雷で海上輸送ガー」と言うのが旧日本軍の兵站であり、それ以上でもそれ以下でもない、とされてきた。

しかし「旧日本軍の兵站の正確な実態は?」 と質問されたら誰もが「?」とばかりで実態が掴めない。

本書はもしかしたら、今まで光を当てられて来られなかった、旧日本軍の「正確な実態」を書いてくれるものなのかもしれない。

是非とも買いたい1品である。(ステマ)

シリーズ

② ブラック企業 イノベーションも食いつぶす悪魔

http://ameblo.jp/za255/entry-11555861086.html

ブラック企業 イノベーションも食いつぶす悪魔

http://ameblo.jp/za255/entry-11527281290.html


トレハロースの大量生産に世界で初めて成功した林原の社長がこう言われているのがあった。


千年、働いてきました―老舗企業大国ニッポン (角川oneテーマ21)/角川グループパブリッシング
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”同族経営・非上場の強み


しかし、大企業にはなぜできないと言えるのか。そう尋ねると、大きな黒々とした眼が印象的な林原さんは、むしろ小声で諭すように答えた。


「まず株主が大勢いますからね。ましてや合併、合併で大きくなっちゃうと、株主の数も増えますから、その人たちを説得しないと研究開発ができない。


それと、大きい会社のサラリーマン社長って、1期2年という任期があるでしょう。自分の任期のあいだに成果をあげないといけないから、なかなか長期的に物事をとらえられない。


それに加えて、ちゃんと市場調査をしてからということになったら、それだけでだいたい4、5年はかかってしまう。いくらおカネがあっても(新しい研究開発は)できないわけですよ」





ところで、僕が老舗企業の取材をしていると言うと、同族経営の閉鎖性に対する露骨な嫌悪感を示す人が少なくない。


同じような先入観が、取材前の僕にもあった。実際に経営陣の顔ぶれを見てゆくと、同性がずらりと並んでいるなどというのはよくある話で、株式を公開していない老舗企業も多い。


林原にしても、グループの中核をなす会社の経営陣は、いずれも林原さんに委ねられ、株式も非上場である。


ところが、林原さんは、同族経営・非上場でなければ、画期的な独自の研究開発など不可能だったというのだ。



林原さんが強調する同族経営・非上場の強みとは、ひとつには「社長が替わらないこと」、もうひとつは「株主の顔色をうかがわずに済むこと」である。


だからこそ、長期的な視野で研究開発に臨めるし、ハイリスク・ハイリターンのテーマに長期間、資金を投入することができるというのである。


ここで肝心なのは、研究開発の責任の所在をつねにはっきりさせている点だと、林原さんは強調した。


アイデアを出したのは社員だったとしても、テーマを設定した責任はすべて社長の林原さんが負うと必ず公言する。


そのテーマについて、研究開発の担当者たちとディスカッションすることさえ、あえてしない。


それで、社員は責任意識に縛られたり、失敗を恐れて萎縮したりせず、大胆に発想し、研究だけに打ち込めるというのが、林原さんの持論なのである。”


201~202ページからの引用