*****鳴かぬにも****

**得るものはある*****

******ホトトギス***


美しい歌への憧れに疲れてしまったのだ

凍れる春に歌など所望する不作法

私はその沈黙を庇護する止まり木となろう

頼りない肩で休んでおくれ


屹立する夏の緑が風に揺れて反射している

生命がけだるく繁茂する


整列した月が秋をふち取り

高邁に澄む


消え入る冬

止まった時間が棘を荒立てる



望まず背負う義務たる生の醜さ

我々は利用される為に生まれる作物か


老いの語らい

負の断片が散りばめられる


病んで尚強制の綱は固く張力を弱めない


安息の後にも響く音色



私の拙い奇術の影で休まれよ