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耳下腺腫瘍のあとさき

のんびり観劇を楽しんでいた私が思いもかけなかった
「耳下腺腫瘍」を患ってから始めたブログです。
完治のご報告をもって終了するのが目標です。

早いもので手術から2ヶ月経った。

今は傷が癒えるのを待っている時期だ。
今の感じはこんな風だ。

患側耳→以前よりは感覚が戻ってはいるが
      やはり触れてもあまり感じない。
      痺れ感は減って来た。
      耳の中が狭くなったように感じる。
      耳下腺摘出したため耳下辺りが少し陥没している。
      耳後ろ周りもあまり感覚はない。

患側傷→まだ硬く突っ張り気味だが
      ひと時に比べれば少し柔らかくなった。
      首筋がつり気味なので首をまわし難い。
      肩こりがかなりひどくてつらい。
      ドレーンを入れていた後は少し盛り上がっている。

患側顔→健側に比べると頬の厚みが1.2倍くらいある感じ。
      開口障害はまだある、8割くらいかな。
      顎下にリンパ液や血液の貯留があり二重顎に見える。
      顔を上下に向ける角度が狭い。


患側下唇のマヒは相変わらずで
これがあるために少し口元が歪んで見える。
いまだにうがいの水は漏れる。
吹けなくなっていた口笛は段々音がでるようになった。
食事は気を付けているのでこぼれることは減った。
汁物はまだ要注意だが。

右唇下辺りに少し指を添えると歪みが軽減する。
ぶりっ子風に話す感じだが年齢不相応なので評判悪し。
傷にまだテープを貼っているので
外出時にはストールが必需品。
季節的には不自然ではなくなって来た。
以前から薄手のストールは好きで集めていたのが役立っている。
マスクは少し忘れることが多い。


日常生活にそれほど不便はないが女性としては辛いものがある。 







今の主治医は私がお願いしたわけではない。

病院は地元の医院で3つ挙げられた中から私が選んだ。
その医院が予約をとり、初診で診察して頂いた先生だ。
病院HPの外来担当表にはその日は確か出ていなかった。
いろいろな事情で違うこともあるのだろう。
よく学会や出張で休診のお知らせとか張り出されている。
初診時、第一に思ったのは「若過ぎるのでは」だ。
まだ発展途上だろうし、やはり経験が少ないだろう。

診察が進んで手術と言われた時も
この先生が執刀医なら不安だなと思ったのも事実だ。
症例数の少ない疾患「耳下腺腫瘍」なので
果たして彼が手術したことがあるのかも疑問だった。
手術の腕やこなした数などどこにも情報はない。
HPにも科全体の手術数や症例は載せているところは多い。
個々の先生別の情報などは資格や出身校などだ。

大規模な総合病院だと診療科には複数の医師がいることが多い。
一部の特患や伝手のある人以外は
その日巡り合った人が担当医になるのだろう。
医師が一人の開業医なら口コミとかで選ぶことが出来る。
大規模病院なら医師個人というより病院全体や
診療科などの評判で選ぶことが多いのではないか。


通院している間に担当医の希望など言う人はいるのかな。
自分の場合は言えなかった。
他の先生のことは何も知らないからだ。
診察が進むうちに何となく医師の輪郭が見えてくる。
少しおっちょこちょいだなとか、
思いついたことを言うのではなく
もう少し秩序だった話をしてほしいとかね。
説明が少ないので聞きたいことはこちらが
しっかり漏れのないよう準備していこうとか、
患者のほうも学習していくのだ。

はじめから「がん」だとわかっていれば
もう少し事前にしっかりと調べただろう。
手術してみないと確定診断は下せないのなら
セカンドオピニオンをお願いすればよかったかも知れないが
今となっては過ぎたことになる。
こんなことを思うのは少し不満があるのかも知れない。


医者のほうだって患者は選べないだろう。
得意とする疾患の患者さんばかり来るわけでもない。
患者が正確に症状を訴えないと医療は始まらない。
話がくどくて長い人、求めるばかりの人や理解の足りない人、
権利を振りかざす人もいるだろう。
今は情報社会なのでやり難い面もあると思う。
でも診察を求めてくる人を拒みはしない。
一生懸命治療してくれるのだ。
お互いに相手の立場に思いを馳せることも時には必要だ。


今手術するなら「大門未知子~Doctor-X~」でお願いしたい。



  

退院後初エコー検査と診察。

皮膚科棟とは違って相変わらず混雑している。
ポケベルを箱に入れ中待ち合いへ、程なく名前を呼ばれた。
「エコー検査では再発や転移は見られません。」
と若いイケメンK主治医が画像を見ながら言う。
「あのう、耳下腺全摘しているのにどこに再発するのですか?」
疑問に思っていたので聞いてみた。
「そうですね、まわりの軟骨とかの組織ですね。」
そんなことがあるのか、怖いぞ。

今気になっていることを聞く。
「傷周りがまだ腫れて硬く突っ張っていますし痛みもあります。
これってもうこのままですか?」
「傷が治る過程で硬くなってそれからだんだん柔らくなっていきます。
まだもう少し時間がかかりますし肩こりとかも訴える人も多いです。、
それから顎下の膨らみはリンパ液の貯留です。」

「えっ、これってリンパ液が溜まっているのですか、
どうして急に二重顎になったのかと思っていました。」
「母は乳がん手術のリンパ郭清後リハビリしてましたが
ここはどうするのですか?」と聞くと
「う~ん……少しずつ減っていくと思います。」
自信なさそうな感じでした、わからないのかもね。
しかしイヤ過ぎるぞ、二重顎は!

実際診察室の椅子に座ると聞きたいことを忘れるので
手帳のメモを見ながら質問する。

「下唇のマヒにお薬はありませんか?」
「今の薬がそうです。」
「今はお薬出して頂いてません、退院後初診察の後
1週間分だけで次はありませんでした。」
「そうでしたか、今日だしますので。」
忘れていたのか、それってどうなの…。

「傷に貼るテープは退院時の説明書によると
1か月間となっていましたが?」
「テープは3か月間貼ってください」
そうなんだ、もう1か月経っているから説明書通りに
2,3日前から貼るのをやめていたのだ。
退院時渡されたのは甲状腺手術後の説明書だったものな、
でも、耳下腺なんだから違う箇所の説明が
あってしかるべきじゃないのかと思う。


「来月転勤しますが新しい担当医師に
きちんと引き継ぎをしておきます、どうぞお元気で。」
「先生もお体に気を付けてご活躍ください、ありがとうございました。」


自動会計機から出て来た紙には本日のお薬はありませんの文字が。
また忘れたのかともう一度耳鼻科受付に行く。
看護師さんが主治医に確かめに。
「すみません、お薬ありましたので。」と処方箋を渡される。
溜息がでます。


医者はイケメンでなくていいから、もう少ししっかりしてほしい。