②本の装丁


また元に戻りまして、夢二の装丁をご紹介します。本日ご紹介するのは吉井勇著、「明眸行(めいぼうこう)」(大正5年10月30日発行)です。

明眸とは、


「碧落を切り取ってそこに鏤めたような眼である。まさに霊水を噴かうとする泉のような眼である。住昔の神の忘れて住った果実のやうな眼である。恋人の涙で造った珠のやうな眼である。否々、私がここであらゆつ形容の詞を述べてもまだほんとにあの明眸を現すことは出来ない。」(本文より)


そんな美しい瞳のことのようです。







館長 木暮 享