知音(ちいん) | 四十路日記

知音(ちいん)

人はひとりでは生きていけない事を表す言葉は多いが、 

知音 ” 

という言葉もその一つ。 

 

 

昔、中国に琴の名手がいた。  

 

その友人は鑑賞の名手で、 

奏者の曲をよく理解してくれた。 

 

奏者が琴を弾いて、高山に登った境地を表そうとすると、 

友人は、 

「すばらしい。泰山のように堂々とそびえたつ気がする。」 

と評する。 

 

流れる水を表現しようとすると、それを聞いた友人は 

「ああ、すばらしい。まるで黄河や揚子江のように広々としている。」 

と評する。  

 

あるとき、奏者はため息をついて言った。 

「君の琴を聴く耳は、何とすばらしいのだろう。私の表現しようとする境地を君は完全に聴きわける。私の琴の音は君の耳を逃れることができない。」 

 

ある年、不幸にしてその友人が死んだ。 

奏者は琴の弦を切り、それからというもの二度と琴を弾かなかった。 

 

奏者の名を伯牙という。 

ここから 

伯牙絶弦 ” 

という語も生まれた。 

 

音楽を理解すること、転じて自分を完全に理解してくれる真の友人。 

 

自分を理解し評価してくれる人がいなければ、人は何事もなし得ない。 

この故事は、それを語っている。 

 

 

私にはこのような知音はいない。 

 

・・・・・・・ 

 

いや、 

一匹いましたビックリマーク 

 

来夢ちゃんが(笑) 

 


四十路日記