【前記事の続き】

『迷宮季譚』イラストに関して


イラストは当初、立体造形をメインに活動している友人の作家さんにお願いしました。
というのも、ボーカロイドを使用しながらよりアーティスティックな表現で、と思ったからです。
しかし、春の曲で制作していただいた作品は単体ではとても素晴らしかったのですが、自分の中で違和感があったためお断りすることになってしまいました。
これは本当に申し訳なかったのですが、今回は純粋にエゴを表現したかったので手前勝手な理由でしたがそのようにしました。

そこで以前一度イラストをお願いしたことがあるDakenさんに依頼をすることになったのです。

このアーティストは2次創作、オリジナル、どちらも独特の感性を持っており好きな作家さんです。
前作は初めてのコラボでもあり、正直中途半端になってしまった感はありました。
自分でも正直に言えない部分があったな、と。

しかしこの方の表現に関するオリジナリティは自分的にトップクラスであり、描いていただけるのはこの方しかいないかな、と思いお願いすることになりました。

約1年振りでしたが快諾いただきました。
既に春の曲は出来上がっておりましたので、イメージはしやすかったかもしれません。

9分にも及ぶ春曲は自分のすべてを注ぎ込んだ作品でもありました。

これが現時点で一番再生数がある作品となっています。
意外でした。
こんなわがままな曲がこんなに回るとは思いませんでした。
絵師さんの力によるところも大きいですが、どうやらそれだけではないようです。

エゴサーチしていますと、とても心強い感想を書いていただいたブログがありました。

私の伝えたい音楽が伝わった、それを感じることが出来た瞬間です。
それは本当にうれしいことです。

さて、イラストは統一感を出すためにもDakenさんにお願いすることは初めから決めていました。
しかし先方はかなり著名な作家さんです。
以前一回承諾してくれましたが、4曲受けていただけるか不安だったのは正直なところです。

結果的には素晴らしい4つのイラストとアルバムイラストを手掛けてくれました。
今回はいくつか注文も出して、自分の納得いくものに仕上げていただきました。
妥協はしませんでした。

快く修正を受けてくださるDakenさん、神対応です。


さてさて、そんなこんなで作り上げた作品が
『迷宮季譚』
です。

秋にはボーマス、M3というイベントで出品を考えています。

各曲はTunecoreというサイトを通じて各媒体での配信を、またBOOTHでの販売をしています。
しかしアルバムのデジタル配信はちょっと考えています。
これはCDというメディアで手に取って欲しいし、曲間含めてコンセプトアルバムですので、そのニュアンスがデジタル配信では再現出来ないのです。
ハイレゾ配信はしたいんですがね…


ということで、委託も考えますが、何しろマニアックなので(笑)
手配り基本で考えたいです。

あと、イラスト担当のDakenさんのイベントで置いていただけるときは購入できます!


長々と書き綴りましたが、それだけの作品に仕上がったという自負はあります。

ありがとうございました!

 

 

 

 


 

昨年から継続してきた私的音楽プロジェクトがミニアルバムとして完結いたしました。

『迷宮季譚』

 


という名前のアルバムです。

これからこの制作裏話を書きます。
長いですが一気に書きます(笑)



そもそも自分は中3からギターを始め、20歳くらいから曲を作り始めました。独学です。誰かのコピーをするよりも独自性のある創作を好む傾向があったようです。

そんな自分を形成してきたルーツを掘り起こし、自分に正直に作ろうと始めたのが今回の企画でした。
無意識的にも何かに媚びることをせず、ただ作りたいものを作る。
そんな創作の原点に返り、しかし期間を限定して作りました。

そんな自分のルーツは何か

高校時代に文学に目覚め、漫画家を目指して集英社に持ち込み投稿していたときに知った江戸川乱歩の世界。
エログロデカダンでありながら純文的なテーマがあって、幻想文学としても他を圧倒していたと思いました。

そんな退廃的でありながらも、だからこそ美しい、滅びの美学みたいなもの、アングラ的悪趣味的な人間の本性、そんなカオスな世界を曲として描きたいと思いました。

プログレッシブロック

これは好きな音楽ジャンルでした。
他にも色々聴きますが、このジャンルが一番アグレッシブでクリエイティブでエモーショナルなロックを提供していると自分は感じます。

自由気ままに作る、にはこのジャンルしかありません。

ということで季節の移り変わりの妙が顕著な日本に住み、日本にしか住んだことのない、海外旅行もしたことのない自分にはよいテーマだと思い、創作を開始しました。

ありふれた大きな括りのテーマですが、そこに先ほどの乱歩テイストを足すわけです。

余談ですが、乱歩を扱った映像作品で納得のいくものはありません。
実写、アニメ両方です。
それだけ私には特別な世界になっています。
このアルバムは乱歩の世界を描いていません。
あくまで自分のルーツ探しの一端にすぎません。


さて、音楽の話に戻りましょう。

アルバム名は最後に決めました。
迷宮はそのまま、迷い惑う世界、それを醸し出す“空気”が日本にはたくさんあると思います。
本当に美しい国だと思います。日本。
リゾートバイトなど含めて色々と私も各地を点々とした時代がありました。観光ではなくそこに一定期間住む、という行為は特別な経験でした。

そんな堂々巡りを仏教的な輪廻に例えた部分が冬の曲にあります。
CDジャケットにも蓮を追加で入れてもらいました。


季節をテーマにデカダンな美学を表現する。
これが迷い惑う季節の物語=迷宮季譚です。


春の病は夢うつつ
真夏の夕凪シンドローム
秋の残酷ノスタルジー
冬の仮初め虚ろな悪夢


この4曲はほぼ同じ機材で制作しました。
サウンド的に統一感を出すには同じが良いです。
CDを購入していただくと機材リストが載っていますが、

IK Multimedia
という会社の製品が多いです。
これはいわゆるシミュレーター系のプラグインを販売している会社です。
ギターサウンドはこのシミュレーターです。
アンプのマイク録りはしていません。
PCのプラグインでアンプシミュレーターはたくさんありますが、この会社のAmpliTube4 MESA/Boogieはとんでもないレベルだと思います。

そしてドラムは定番のBFD3でベースはほぼTrilian。
これはもう、何でも自由自在です。

そして決め手はIK Multimediaのマスタリングソフトです。
Lurssen mastering console

これは本当に素晴らしいです。
音圧アップの時代においていかに音像を崩さずに音圧を上げられるかがクリエイターにとっては重要(なはず)

音圧アップによる音像破壊は本当に嘆かわしいことです。
プロのCDでもあります。
そこまでして音圧アップする必要はあるんでしょうか?
ハイレゾで音圧アップした、音が死んだものを聴いても何も価値はありません。

ダイナミックレンジ

これがない音なんて死んだ音楽ですよ。本来は。

でもこれがなくてもいいのがダンス系です。
あれは音のレンジを感じなくていい音楽です。
ディスっているのではありません。
むしろ、それ以外の音楽が流行に合わせてその手法をとってしまうことに嘆いているのです。

音圧アップは本来必要ないことです。
だってボリューム上げればいいことですから。
均一な音量ではなく、音の強弱を感じる、究極的にはクラシックですが、そういう音楽は音のレイヤーを感じることができます。
それは“心地よい”はずです。

私の曲は許せる限界まで音圧アップはしています。
しかし、他の曲よりは音量が低く感じるかもしれません。
それでいいのです。
Lurssen mastering console
というマスタリングソフトはその弊害を少なく音圧を上げてくれるソフトウェアです。


大分長くなりました。

イラストに関しては別記事にて。

niconico動画に新曲『冬の仮初め虚ろな悪夢』(VOCALOID:GUMI V4)をアップしました。

 

 

この1年間は四季をテーマに耽美幻想の世界を創ってきました。

 

集大成とも呼べる内容になっているかと思います。

 

プログレッシブロックという、変拍子やテンポチェンジを多用した、少々マニアックなジャンルですが、聴けば聴くほど味が出る、そんな曲になっているかと思います。

 

冬の曲はプログレメタルと言ってよいでしょう。春の曲とは夢繋がりです。

キングクリムゾン、ドリームシアター、イエス、ピンクフロイド、そんなプログレ大御所の影響を垣間見れる作品に仕上がっているかと思います。

 

なお、4/30(日)に幕張メッセで開催されるイベント、ニコニコ超会議内の『THE VOC@LOID超M@STER37』(ボーマス37)にて、四季シリーズをミニアルバムにして販売することになりました。

 

ジャケットイラストもシリーズ担当のDakenさんに描いていただきました。

とても美しくかっこいい、そして幻想的な作品ですのでこちらもお楽しみください。

 

販促ポスターはこちら!

 

 

それでは新曲、是非聴いてくださいね!

http://nico.ms/sm31072856

 

 

Type-Y.O(YOYO) Website

http://www.yoyo-record.com/

 

Daken Website

http://xdakn00.wixsite.com/boxd

STELLA LEE JONES 1/28 LIVE REPORT



前置き(結構長い)

“STELLA LEE JONES”を知ったのはプログレバンド“taika”を経由してでした。
taikaのピアニスト、高橋在也くんとはとある映画のゼミで知り合ったのですが、taikaのライブを観に行くまで2年くらい経ってしまいました。
凄いピアニストなのに控えめで、ちょっとプログレバンドもやっているくらいな感じだったので、聴く機会を逃してしまったのかな(笑)
昨年、Facebook上での投稿を見て興味をそそられ、アルバムを購入。
これがドンピシャで、ああ、何でもっとプッシュしてくれなかったのかな~と思ったりもして。

そして対バンライブとワンマンに参戦。
taikaを一発で気に入った理由には谷本氏のドラムがありました。
リズムや生楽器はライブでその真価を発揮すると思うが、これがまた見事にツボに嵌りました。
サウンドもアレンジもとても好み。
自分はギター弾きですが、それ以外は打ち込みで曲を作っているので他の楽器もとても気になるのです。

さて、そんな出会いからステラを知ることになりましたが、興味を引いたのは2ndのアルバムジャケット。
丁度発売したばかりでSNS上でも宣伝されており、凄く面白そうな、ワクワクするようなイラスト。
フランクザッパのグランドワズーを思い出しました。
そして曲もサウンドもとてもピッタリでお気に入りの作品に。
1stはライブ会場で買おうと思い、まずは2ndをしっかり聴くことにしました。

アルバム1曲目というのはやはり印象的な作品が多いがこれもそう。
この1曲だけでこの後の曲が悪いわけがない、と思える、そんな曲。
エネルギッシュでエキゾチックでドラマティック。
濃密な構成だけど疲れないし聴きやすい。
個々のメンバーの演奏力は素晴らしすぎますが、それ以上に曲の面白さ、完成度の高さに圧倒されるアルバムでした。
自分もプログレ的な曲を作っていますが、こういった世界は憧れの境地。

これらの曲は色々な音楽にインスパイアされていると思いますが、しっかりと昇華され唯一無二の域に達しています。
個人的には“Return to Forever”の『浪漫の騎士』、“Steve Reich”の『ディファレント・トレインズ』他を想起しました。


さて、ここからライブレポ(笑)

ライブはレコードの完成度をそのままに、先に書いたようにリズムと生楽器の躍動感に箱の空間独特の広いレンジによって圧倒的な力となってサウンドが体に響く。
ミックスバランスも良く、純粋にその世界に入っていけます。

曲と演奏の素晴らしさは言う事無しなので、それ以外で感じたことを少し。

ベースの佐野さんの演奏する表情がとても印象的でした。
上原ひろみさんのトリオで弾くアンソニージャクソンを思い出しました。
楽器は顔で弾く、とも言われるくらいですからね。
入り込んでいるな~と。

顔で言うと、テンポアップしていくところの谷本さんと相川さんの笑みもまた印象的でした。

パーカッションは楽器の数が多く、シロフォンまであってステラのサウンドには欠かせないパートだな、と思いました。
個人的に“キングクリムゾン”のビル・ブラッフォードが好きなので、『太陽と戦慄』と重ねてニヤニヤしてしまいます。

入山さんのバイオリンはインストバンドなのにボーカルがいるような感覚で聴ける。エモい!

佐藤さんのピアノは何かこう、グサりと刺すような攻撃的な音がいいですね。

佐々木さんのアコーディオンも“エキゾチックな楽器”という印象を変えるような響きです。

そして平田さん、
ギターが前面に出ることは少ないが、出てきた時の存在感が半端ない。
あとMC聴くまで、あんな気さくな感じな方とは思いませんでした。
無口であまり話さないイメージでした。
ライブ開始から無言で4曲くらいやっていましたし、そうなのかな~と思ったら全然ちがいました。
ライブ終了後、1stのCDを買ったときに少しお話したけども、素敵なオジサマでした!
(入山さんもサインありがとうございました)



ということで、初のライブだったので思うことがたくさんあり、長くなってしまいました。
次回も行けると思うので楽しみにしています!(5/6)

興味を持った方はまずは音源を聴いてみてください!

STELLA LEE JONES HP
http://www.stellaleejones.com/

taikaもいいですよ!
http://www.taikaweb.jp/

 
新曲をアップしました!
秋はノスタルジックな憂いを帯びた季節です。

四季シリーズ3作目の秋はそんな憂いと、残酷なまでのリアリティ、逃避したくなる、いや、出来ると思えてしまう錯覚、色々な感情が入り混じった作品になっているかと思います。

まずはniconicoにアップしましたのでこちらからお聴きください。
イラストはシリーズ担当のDakenさん。ILLUSTRATION2017に掲載の作家さんです!
今回も妖艶なる幻想世界を独特のタッチで描いていただきました。

https://twitter.com/xDakn