ベンチャー創業日誌  -35ページ目
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起業への興味が醸成された時期:大学時代②

起業への興味が高まってくる中、ベンチャーの本場であるアメリカのシリコンバレーに行ってみたいとの思いが日に日に強くなってきました。高校時代からアメリカへの漠然としたあこがれのようなものがあり、大学に入ったらお金をためて留学しようと思ってはいましたが、アメリカの中でもシリコンバレーに行ってみたいと強く思うようになりました。

当時90年代半ばで、インターネットへの注目が急速に高まっている時期でした。インターネットで世界が変わると言われ始めていて、その中心がシリコンバレーであるような気がしていたのです。シリコンバレーに行けば、何かとんでもないチャンスがあるのではないか、と学生だった私は勝手に心を躍らせていたのをはっきりと覚えています。

そこで、早速大学の交換留学制度を調べてみることにしました。ひょっとすると、シリコンバレーの大学と提携しているかもしれない、そう思って教務課にいそいそと行き、冊子を調べつつ、教務課の人に聞いてみました。

そうすると、西海岸のシアトルにあるワシントン大学(University of Washington)の経営学部への交換留学制度があり、学部からたった1人だけ交換留学生として派遣してもらえるという制度があることがわかったのです。しかも1年前から始まったばかりの新しい制度でした。「これはラッキーだ。シリコンバレーからも近く、きっと起業のチャンスもあるだろう」そう思って、応募することをその場で決意しました。

実際にはシリコンバレーとシアトルは、相当の距離がありますが、海外に行ったことのなかった当時の私には、それを知るよしもありませんでした。「シアトルには、マイクロソフトのビルゲイツがいるぞ」と勝手に興奮していました。「確か飛行機作ってるボーイングもシアトルにあったよな」とかあまりベンチャーとは思えないような大きな企業についても無理やり関連づけて、シアトル行きを夢見るようになったのです。なんとなく、アメリカの西海岸全体がシリコンバレーだという気が当時はしていました。

シアトルのワシントン大学に行くため、交換留学生に選ばれるぞ!と決意したその日から、私の大学生活は一変し、結構まじめなものになっていくのです。次回からは、結構まじめな大学生活を送るようになったことをアピールしていきたいと思います。

ベンチャー創業日誌始めました

ウェルスタイル株式会社を創業するため、前職のゴールドマンサックスを退社してから約1年が経ちました。創業のバタバタの中、一瞬で過ぎ去った1年でしたが、これを機に、ブログを始めることにしました。

この1年、「なぜゴールドマンサックスをやめて、起業したの?」とか「なぜ投資銀行からヘルスケアなの?」といった質問を数多くいただいてきました。その度に、丁寧に返答してきたのですが、伝えたい事が多すぎて、想いの一部しか伝えきれていないと感じてきました。振り返ると、起業を本気で志したのは、大学1年の時ですし、現在の事業の源となるヘルスケアへの興味を抱いたのは、おそらく小学生くらいの時でした。長い間の想いを、短い時間でご説明するのはなかなか難しいものです。

そこで、今さらながらという感もありますが、創業から約1年経った事を機に、起業に至るまでの自分の人生を振り返ると同時に、未来に向けての志や夢、日々の思い等を日誌にまとめていこうと思います。

●起業への興味が醸成された時期:大学時代①

会社を経営する人になりたいと、なんとなく思って大学は経営学部を選びましたが、本気で起業をしたいと思い始めたのは、大学に入学してからでした。

大学1年の時に、仲の良い7-8人が集まって、サークルをいくつか作りました。テニスサークル、バスケサークル、アウトドアサークル、イベントサークル等です。集まった仲間と一緒に遊びながら、大手企業の協賛をもらいながらイベントをやったりと、会社経営のまねごとのような事をやっているうちに、いつかは起業したいとの思いが、だんだん強くなってきました。大手企業に対して企画書を書いたり、スタッフを集めてミーティングをして戦略を練ったりといった活動が、すごい楽しかったのを今でもはっきりと覚えています。

この企業経営のまねごとをやっていた時期は、今から考えると大変重要な事をたくさん学んだ気がします。スタッフの人たちにいかにやる気を出して活動してもらえるか、お金の管理をどのようにすればよいのか、集客をどのようにするか、等多くのことを学びました。

また当時一緒にやっていた友人からも多くのことを学びました。今では、彼らは会計士になったり、政治家になったり、大手広告代理店で働いていたり、メーカーの研究者になったりとそれぞれの分野で活躍しています。たまにみんなで集まり飲みますが、いまだにいろんな事を教えてくれる良い仲間たちです。
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