Featuring Norah Jones/Norah Jones
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この人の音楽のジャンルっていったい何なんだろ?

ジャズ? ポップス? カントリー?

わからんな、まったく。

今回のこのアルバムでそれがさらにわからなくなった。(笑)

とにかくあまりに幅広い選曲。

彼女自身がピックアップして出来たコラボ集である。

これがまぁとんでもなく素晴らしい作品だった。

彼女のあの独特のスモーキーな声からは想像も出来ない

ファンキーな曲もある。

いや、そうじゃなくて、彼女からは想像も出来ないジャンルの曲が

目白押しでそれだけでも心をグッと掴まれる。

これまでのどこかほわっとした彼女らしい曲はむしろすくないかも。

それよりも声を自由自在に操って、どんな曲も生き生きと輝かせている

その類まれな才能に驚嘆。

ヘビロテ、である。

どーも/小田和正

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『小田和正』はずーーーっと『小田和正』なのだ。


約6年ぶりのオリジナル・アルバム『どーも』。

前作『そうかな』は“相対性の彼方”を略したものらしいが、

今回はそのまま『どーも』。(笑)

ご存知の方も多いだろうが、これは小田氏の口癖(?)でもあり、

ライブでも多々発せられる。


ま、それは置いといて。(え)


入手後すぐ聴きたくて(笑)カーステで初聴き。

危うく泣きそうになった。人と会う予定になっていたのにヤバいヤバい。


アコギのシンプルな音色から始まるオープニング曲『君のこと』。

まるで“アノ頃=OFF COURSEの初期の頃”に戻ったかのような

アコースティックで素朴な響き。ただしヤスさんのコーラスはないけど。(涙)

そもそもここで歌われている“君”とは誰のことなんだろう。

長年のファンなら必ず思い起こすであろうアノ人(前述の)のことなん

だろうか?

おそらく小田氏に尋ねても『違う』と言うだろうが。(笑)


2曲目以降は数曲を除き、ほぼタイアップ曲がズラリと並ぶ。

小田氏自身も以前インタビューで、最近は依頼がないとなかなか曲を

書こうという気にならない、みたいなことを言っていたが(苦笑)、

60歳を過ぎてなお、これほどまでにタイアップ依頼が尽きないアーティストも

珍しいように思う。

つまり、それだけ楽曲的にも商業的にも優れた作品を生み出す力が今なお

強力に備わっているということなんだろう。


さすがに若い頃(失礼)のようなストレートなラブソングは少なくなってきたが、

その代わりに心に深くある想いや人生を歌った作品が増えた。

小田氏の場合、目に見える幸せや喜びだけを表現することはまずない。

むしろ見えないところの、“影”のような部分をサラッと織り込むことで

切なさややるせなさ、そして希望みたいなものまでも聴き手に感じさせるから

スゴイ。


『hello hello』を聴いていると、東日本大震災で被災された方々を

思い起こし、心が痛くなる。

そういう意図があったわけではないだろうが、そんな気さえしてしまう

静かで優しくて、でも強い作品だ。


そして『誰れも どんなことも』は、小田氏がソロになった初期の頃の

洒落た曲調を彷彿させる、オトナの心を歌った作品。

こういう世界観はやはりある程度年を重ねた人にしか表現出来ないかもしれない。

ネガティブでもポジティブでもない、流れに身を任せるだけ。オトナだ。(笑)


『やさしい雨』はタイトルとは違って勢いのある応援歌っぽい作品。

これは間違いなくポジティブ。(笑) きっとライブでも盛り上がるだろうな。

ちなみにバックコーラスで“チーム小田”(笑)の面々の声が聴こえるのも

ちょっと楽しい。


特筆すべきはやはり『東京の空』だろう。

『クリスマスの約束』とライブでしか歌われないこの作品がついに

CD化された。

この作品も静かではあるが、応援歌だと思う。

どうしようもなく弱気になっている心を優しく包んでくれて、背中をそっと

押してくれている感じ、とでも言おうか。

『どこかで いつも誰かが見てくれている。無駄じゃないんだよ。』と。

いつも小田氏はそう語りかけている。


すでにリリースされているシングルも歌い直しがされている。

これも小田氏らしい。(笑)


『小田和正』という人は、シンプルなことばに多くの想いを込められる

天才だ。

あの透明感のある声だけが『小田和正』を特化させているのではない。

OFF COURSEの時も、ソロになってからも、小田氏の世界観は、

そして音楽に対する姿勢は変わらない。マンネリじゃない。

それが『小田和正』なのだ。誰もマネ出来ない。

最近は丸くなった、と言う人もいるが、インタビューなどでは相変わらず

とんがった発言も多い。(笑)


小田和正、サイコーにカッコイイ。(笑)


とげまる/スピッツ

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どうしてそのアーティストがお気に入りなのか。
その理由は人それぞれ、いろいろあるかもしれないが、
私に限って言えば、それは『変わらないこと』である。
そりゃあ技術の進歩の激しい昨今である。音楽制作だって
そういった進歩にあやかることも大いにあるだろう。
よく聞く“打ち込み”とか。(笑)
別にそれらすべてを拒絶する、という意味ではない。
確かにあまり多用されると『ちょっとね…』なキライはあるが、
ある程度は仕方がな…いや、容認せざるを得ない。
だってそれじゃなきゃ制作出来ないこともあるんだろうし。
で、それによって生きてくる世界もあると思うし。
何が言いたいかと言えば、要は“根っこの部分は変えないで!”
ということである。
そのアーティストが唯一無二であると知らしめる基盤となっているもの、
ポリシーとか独自性とか音楽観とか。
そういうものはたとえ表面が変わっても、変えないでくれよ~!と。
ぶっちゃけもうマンネリだっていい。(笑) マンネリだって立派な個性だよ。
スピッツというアーティストは、そういう意味で私のお気に入りである。
いつだって『スピッツ』。どんな作品でも『スピッツ』。何年経っても『スピッツ』。
これ! これなんだよ!! これが大事なんだよ!!!
1曲目の『ビギナー』から魂を持ってかれてしまった。(笑)
楽曲の良さでCMなどのタイアップも多いスピッツ。
『シロクマ』『若葉』『君は太陽』…耳馴染みのいい曲たちの合間に
『おっ!』と思わず反応してしまう、ある意味『スピッツらしい』曲が
飛び出してくる。
それがたまらなく楽しくて心地よくて、いいのだ。

もう20年以上のキャリアを持つバンドとなったスピッツ。

フロントマンであるマサムネ氏の持つ世界観がその大きな魅力の

1つであるが、その世界観をちゃんと具現化出来ているメンバの功績も大きい。

とかく売れてくると世の中の流れに飲み込まれ、自分を見失い、大事な根っこを

喪失してファンたちをガッカリさせるアーティストが多い中で、こうやって

いつまでも“らしさ”にこだわって活動を続けているのはホントにすごいことだし

素晴らしいと思う。小田和正氏もそうだけど。

きっとこれからもスピッツは変わらずに『スピッツ』でいてくれると

確信した超お気に入りの1枚なのだ。

モータウン~ヒッツヴィルUSA/ボーイズIIメン
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ずい分とご無沙汰でございました。(苦笑)

またボチボチ語っていきたいと思いますので、よろしく~♪


ここ数ヶ月聴き倒してる作品がこちら。

あのBoyzⅡMenがモータウンの名曲たちをカバーしたと聞いただけで、マジで鳥肌。

で、実際に聴いてさらに鳥肌。

こ、こ、これは…


好き過ぎるーーー!!!(≧▽≦)


とにかく名曲だけに、知ってる曲しかない。(爆) もちろん全曲歌えるさ~♪

ぶ厚いコーラスと圧倒的なボーカル。さすが、としか言いようがない。

アカペラの曲なんて、もうっ、もうっ…。(何)


特に激リピートなのは『Just My Imagination』、『Mercy Mercy Me』、

『Ribbon In The Sky』、『Got To Be There』…。

いや、全曲激リピートと言っていい。(笑)


カバー・アルバムは星の数ほどありそうな昨今だが(苦笑)、この作品が他と一線を画すのは、オリジナルの良さを最大限に活かし、尚且つ“自分たちらしさ”をも最大限に活かしたところにその要因があるように思う。

『古き良き時代』を感じつつ聴けるのがとてもいい。華美で奇抜なアレンジなんて必要ないのだ。心に感じるままを自然に音符に乗せて…。


余談だが、同じ『Mercy Mercy Me』をロバート・パーマーがカバーしたバージョンも、実は大好きだったりする。(笑)


カバー曲って結構奥が深い。

引地洋輔(RAG FAIR)

『記念日だらけのカレンダー』


いきなり動画で失礼します。(笑)


レビューがだいぶ遅くなってしまったが、まぁ遅くなったからと言って誰かからお咎めあるわけでもないので、ヨシとしておこう。(え)


RAG FAIRのリーダーでもある引地氏の初ソロ作品である。

初ソロ作でありながら、ダウンロード配信のみ。ま、企画モンだからしょうがないか。(苦笑)


それにしても『記念日だらけ』ならぬ『ツボだらけ』の曲じゃないか!(爆)

狙ったとしか思えない小技が随所にちりばめられている。さすがは『計算』を信条とする引地氏である。(違)


これまでも“RAG FAIRのメンバー”として彼が手がけた曲は多々ある。その昔は(笑)“切ない系”の曲しか作れないとか、“失恋ソングメーカー”とか、いろいろ言われた引地氏であったが(失礼)、いつからだろう、そういった路線は影をひそめ、より彩りのある清々しいサウンドでアプローチするようになった。


で、『記念日だらけのカレンダー』である。


彼が大好きな(爆)松●聖子バリのキャッチーな曲。

もう『これでもかっ!』と言うくらい盛り沢山なバックのアレンジ。

凝ったコーラスワークも彼らしい。

それにファルセットまで織り交ぜた…ぶりっ子(死語)な歌い方!(爆)

兎にも角にも“80年代”っつーか、“昭和”の香りプンプンである。(笑)


途中Aサビの終わりから転調するところがあり、そこがもう耳に心地いいったらもう! あ~確信犯だな、こりゃ!と思わずにはいられなかった。(笑)


もちろん歌詞も素晴らしい。

彼が詞の中で描く人物ってのはいつも等身大だ。ヘンにカッコつけたりオトナぶったりはしない。あくまで等身大。だから、曲の世界に入り込みやすい。これが彼の作品の最大の魅力だろう。


RAG FAIRの作品とは一線を画したこの作品、ダウンロード配信だけじゃホントにもったいないと思うんだが、それはそれで引地氏のキャラに合ってる気もしないでもない。(笑)

夏のドライブにも合いそうなキャッチーなナンバー、さ、アナタもLet's download!!!

ほんとの気持ち/松たか子
¥980
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滅多にこの手のCDは聴かない私なんだが。(笑)


ご存知の方も多いかもしれないが、実はこの曲、あの『小田和正』氏の作品である。

小田氏と言えば、結構いろんなアーティストに曲を提供している。マーチンこと鈴木雅之氏、大学の後輩でもある坂本サトル氏、そういや若いところでは(笑)KAT-TUNなんかにも。さらに女性アーティストでは、お馴染み山本潤子さん(HI-FI SETに、だが)、ヤイコ…は共作か…、あっ! 島倉千代子さんにも提供してたっけな。そして松さん。実に幅広いラインナップだな、こりゃ。(苦笑)


小田氏が作り出す音楽の世界観っていうのは、いつも普遍的で、透明感に溢れてて…なんだが、この松さんに提供した『ほんとの気持ち』でもそれは変わらず。しかも、怖いくらいに“揺れるオトメゴコロ”なるものを表現してるところが流石!というより、すごい。


ある人が気になっていて、でも自分はそれを認めたくなくて、でもやっぱり気になって、相手はきっと自分のことなんて何も思ってないと思いこもうとして(笑)、そんなこと考えつつもどんどん惹かれていっちゃって…あ、ほんとはね…みたいな、行きつ戻りつする心の動きが実にじれったくもあり、微笑ましい。(笑)


もちろんこの曲を魅力的にしたのは、松さんのボーカリストとしての素質・資質もその大きな要因の1つである。あくまでサラッと歌い、かつ透明感溢れるその声は、小田氏の世界観にとてもよくマッチしている。表現者としての松さんの真骨頂と言えるのかもしれない。


小田氏のバックコーラスはあまりにステキで、思わず耳を凝らして聴いてしまう。(笑) 松さんの声と相まってまるで真夏の木陰にそよぐ爽やかな風のようだ。あ~なんて瑞々しい~~!


この曲にはいろいろなエピソードがあったり。(笑)

高音部の歌い方がどうしても納得できなくて、レコーディング中に松さんが涙した、とか、プロデューサーの1人として、現在ご主人でもある佐橋氏も加わってるとか。

ま、そういう曲なんですな。(え)

自己ベスト-2/小田和正

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『小田和正』という人は、本当に『歌うこと』が好きな人なんだなぁと思う。

そして彼は『歌うこと』でいろんなことを伝えようとしているんだなぁと思う。


『オフコース』という伝説のグループで彼は『愛』を歌っていた。『愛』の他に、『青春』や『人生』、『友』についても歌っていたけれど、あの頃の歌で心に残っているのはやはり『愛』の歌だった。

解散後ソロになっても彼は同じように『愛』を歌った。でもだんだんと『人生』を歌うことが増えた気がする。そして以前よりも、そのことばの持つ意味が強く伝わるようになった。それだけじゃない、『優しさ』を感じるようになった。


相変わらずの透き通るハイトーンボイス。妥協を許さない緻密な音づくり。でもすべての曲が優しさと強さに溢れている。オリジナルだろうがリメイクだろうが、それは関係ない。彼の歌には、癒すように励ますように心に語りかけてくる“何か”がある。


今年還暦を迎えた彼である。

彼を見るにつけ思うのは『年を取るのも悪くない』ということ。そして『あんな風に年が取りたい』ということ。

その歌を聴くたびに、その歌う姿を見るたびに、そう思うのだ。


『たしかなこと』と『ダイジョウブ』、きっといろんなところでいろんな人の心を温めていることだろう。

LOOKING BACK/小田和正

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LOOKING BACK2/小田和正

¥2,199
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いわゆる『オフコースのセルフカバー・アルバム』である。


この2作品というか、小田氏が手がけるこの手のセルフカバーにはいつも凄まじい賛否両論が。(苦笑) まさに『肯定』『否定』の真っ二つである。『まぁいいんじゃないの?』ってな生ぬるい意見はあまり見られないのがすごい。(苦笑) 理由は簡単だ。否定派は『原曲をいじるな!』 そして肯定派は『原曲にこだわるな!』 きっと両者はどこまで行っても平行線に違いない。(笑) でもそれでいいと思う。だって『音楽』には決まった解釈なんてないんだから。


私はもちろん『肯定派』だ。たとえン10年来オフコースや小田氏の音楽に親しんでいても、である。原曲の良さは痛いほどわかっている。だってオフコースは、彼らの音楽はホントに偉大だったからね。誰がどういじったところで…それが小田氏であっても原曲を超えることは不可能なのかもしれない。そして小田氏だってそんなこと百も承知なのかもしれない。でも小田氏はあえてそのタブーに挑んだのである。


まず選曲がいい。これらを選んでくるあたり、やっぱり小田氏は確信犯だと思ってしまう。(笑) 『あー、そう来たかーーー!!!』な感じ。アレンジ上手いなーーーーー!!! 特に気に入っているのが『Yes-No』『夏の終わり』『僕の贈りもの』そして『あなたのすべて』『愛の唄』『もう歌は作れない』『君住む街へ』…ってどんだけあるんじゃい!(笑)


『僕の贈りもの』は子どもたちとコラボっている。小田氏と子どもたち…オフコース時代にはちょっと想像できない組み合わせだな。(苦笑) しかし…いいぞ、これは。こんなにぴったりハマるとは。『愛の唄』はあまりに優しい。そして美しい。ううう…泣かせるなよ、小田氏。(知るか) で、『もう歌は作れない』。もともと大好きだった曲だ。原曲もそれはもうコーラスも素晴らしくて泣けたが、こっちだってすごい。鳥肌が立つくらい痺れたさ。


聴き終えて思った。原曲と比べるからいけないんだ。これはもう独立した別の曲なんだ。だって以前歌っていた時とは立場も年齢も歌い方も感性も解釈もみーーーーーーーーーーーーーんな違うんだから。だから比べたってしょうがない。比べること自体がナンセンス。それよりも、“LOOKING BACK(過去を振り返って)”と言いながら、思いっきり前を向いてる小田氏がカッコよすぎるぜ!(笑)


私は小田氏が自身とファンの“オフコースの呪縛”を解くためにこれを作ったと思っていたんだけれど、どうやらそれは間違っていたのかも。過去を否定してはいないし、過去を葬り去ろうともしていない。(笑) ただ、いい曲だからもう1度“今の自分で”歌ってみたかった、では?


それにしてもどの曲も原曲はずい分前に作られたのに、まったく色あせてないのがすごい。時代を超越してる感すらあるぞ。


恐るべし小田和正。(素)

オフコース
The Best Year of My Life

このアルバムがリリースされることを知ってホッとしたファンは多かったに違いない。

小田氏とともにオフコースを創り上げてきた“同志”でもあった鈴木氏が去って2年。果たしてオフコースは『オフコース』として活動を続けていくのか、解散してしまうのか…そんな思いに揺れた時期だった。でも彼らは帰ってきてくれた。新メンバーを入れることなく4人で。


私はこのアルバムはオフコースの全作品の中でもかなりの上位に位置するくらい好きだ。『夏の日』や『緑の日々』など名曲揃いであることももちろんその理由の1つだが、それ以上に全篇を通して流れる、爽やかだが温かいサウンドのせいかもしれない。今までの緻密で繊細な音づくりはそのままに、何と言うか…そうだ、『聴き手に入り込む余地』を与えてくれるようになったというか、『生身の感情』をより感じさせてくれるようになったからかも。上手く言えないが。(苦笑)


新生オフコースとして待望のシングル第1弾となった『君が、嘘を、ついた』。ラジオから初めて流れてきたこの曲に衝撃を受けた。こんなに感情をあらわにした熱い曲、あったっけ? 『今君が嘘を・・・』のリフレインが心に刺さった。オープニングの『恋人たちのように』も今までの小田氏のイメージからは予想しなかった激しい曲。


そんな驚きを一瞬にして静めてしまったのが『夏の日』と『緑の日々』さらに『気をつけて』の“美メロ&美歌詞”(え)3部作。こ、こ、これは!!! 『夏の日』は超キャッチーな作品だ。小田氏のハイトーンが冴え渡る。『緑の日々』では“オフコースここにあり!”の見事なコーラスワークが繊細な歌詞と相まって泣ける。『気をつけて』は夕暮れの切ない情景をなぜか思い起こさせる。松尾氏(たぶん)のハーモニカがさらに切なさを煽って涙腺を刺激する。(笑)


そう、松尾氏、松尾氏の曲に小田氏が詞をつけた『僕等の世界に』がこれまた名曲。淡々と語るような松尾氏のボーカルがエンディングに向かってうねるように変化していく。素晴らしい! 4人になってからのオフコースでは彼が徐々にその存在感を示すようになっていく。


エンディング『ふたりで生きている』は小田氏らしい弾き語り風な静かなバラード。とにかく切ない。そして優しくて温かくて柔らかい。私にはこの印象がこれ以降の小田氏と彼の音楽にも結びついているように思う。


4人になった新生オフコースは過去を振り返ることなく、力強く再スタートを切った。そこには悲壮感も焦燥感もなく、ただ音楽を愛して止まない真のプロミュージシャンたちの真摯な姿があった。変わっていくものと変わらないもの、それを否定することなくその両方が自然に絡み合い、カタチになっていたこと、そして歌い続けてくれたこと、それが嬉しかった。心の奥底にしまい込んだ消し去ることの出来ない寂しさはいまだあるけれど。

Unbreakable/Backstreet Boys
¥1,364
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キタキタキターーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!

兄貴的存在だったケヴィンが脱退したと聞いたとき、それはもうショックだった。だって彼が上手く舵を取っていたような気がしていたからだ。精神的軸になる存在がなくなってしまったら、それはグループにどれほどの影響を与えるだろうか、と。


まったく杞憂だったじゃないかっ!!!(笑)


Backsは帰ってきた! そう、Backs is back!!!である。(え)

1番心配していたのはケヴィンが抜けたことで音楽的に薄っぺらくならないか、ということ。調和の取れたハーモニーもその魅力の大事な要素であるBacksだ。そこが手薄になってしまうとやはり辛い。


これまたまったくの杞憂だったじゃないかっ!!!(笑)


なんだかますます厚みを増してたぞ! というより、以前よりも声を重ねるパートが増えたように思う。“追っかけハモリ”や“技ありハモリ”がね。これがかなり耳に気持ちいい♪ 複雑になればなるほど楽曲に深みが、彩りがプラスされる。


個々のボーカルワークも冴え渡ってるじゃないか!

ニックはすっかりオトコの声になったし、ブライアン!!! 繊細さの中に強さが加わって魂鷲づかみだよ、こりゃ!(笑) ソロ活動で得たものがどれだけ大きかったかがわかる。AJは相変わらずのハスキーボイスで、あのノリの良さは他の追従を許さないし、ハウィーの甘い声…この人のトップのハモリはサイコーだね。


楽曲はホントにいろんなジャンルがあり、初期の頃を彷彿させるようなダンサブルでパワフルな曲が数曲あるのが懐かしいというより、かえって新鮮。ライブではきっとこの曲たちで踊りまくるんだろうなー♪ そしてもちろんミディアムテンポのバラードも。美メロ満載! 思うに、Backsはピアノとよく合う気がする。ピアノが奏でる美しい旋律とBacksの繊細なハモリがものすごくマッチするんだな、これが。


メンバーにとってケヴィンの存在がやはりとても大きかったのは事実。ショックも大きかったに違いない。でも4人で続けていくと決断したことに心から拍手を贈りたい。ケヴィンはこれからもずっとメンバーの1人なのだ。そしてBacksはまだまだ“Boys”でいてくれるということを、このアルバムで示してくれたように思えるのだ。


見事な復活、おめでとう!