長年よその農場の草をこっそり食べ続けていた牛を
自分の家畜小屋に閉じ込めることは容易ではない。
どれほど牛飼いがおいしい干し草と飼い葉でおびき寄せても、
はじめの内は牛も拒むだろう。その内少しは食べるようになる。
だが、あてもなくさまよいだす潜在的傾向が再び現れ、
牛は逃げ出してしまう。何度も牛飼いに誘われることによって、
牛は徐々に家畜小屋に慣れてくる。
そうして、ついに野放しにしてもさまよわなくなる。
心もまた同様で、ひとたび内面の幸福を味わえば外の世界へと
さまよわなくなるだろう。
ラマナ マハルシの教えより