テスト
名古屋院のドクター日記 の方は、ぼちぼち更新しているのですが、こちらのブログは医療に関することに絞ってしまったせいか停滞しております。他の院長達ともつりあいが取れなくなってきたので、今日行なったスタッフへの中間試験を掲載します。
当院では、美容外科に対する知識を深め、患者様から質問を受けたときに適切に答えることができるように、定期的に勉強会や確認テストを行なっております。
【平成二十年度中間試験】
- 当院の埋没法について
(1)なぜ取れにくいんですか?
(2)なぜ腫れが少ないんですか?
(3)術後、糸が眼球を傷つけることはありませんか? - 挙筋短縮を瞼の裏側から行なう長所は?
- 挙筋短縮とタッキングの違いは?どう使い分けるか?
- 当院の下眼瞼脱脂の特徴は?その長所は?
- 鼻尖縮小をした場合、横顔でどういう変化が起こるか?図で説明しなさい。
- 隆鼻術の際、シリコンを使用する長所と短所は?
- 鼻中隔延長術と鼻尖部耳介軟骨移植の適応の違いは?
- プリンセスバッグの特徴は?
- 豊胸術後、カプセル拘縮を防ぐために当院が行なっていることは?
- 額のしわを治すにはどんな方法がありますか?どう使い分けますか?
- わきがを治すにはどんな方法がありますか?どう使い分けますか?
- 「脂肪吸引は術後とても痛いと聞きました。ほんとですか?」と聞かれました。
どう答えますか? - 「えらの手術は術後とても腫れると聞きました。ほんとですか?」と聞かれました。
どう答えますか? - 当院のえらや頬骨の手術方法の特徴は?
- 糸で引っ張る方法と比べて、フェイスリフトの長所は?
過去に一般病院で働いていても、当院へ入職時は美容外科に関する知識はほとんどありません。実技や知識の両面からスタッフを鍛え上げていくわけですが、今回のテストが今までのまとめでした。スタッフもかなり胃が痛い思いをしたと思いますが、この頑張りが今後の患者サービスにつながると思って頑張っています。
ねぎらいの意味で、明後日は食事会を行なう予定です。
隆鼻材料について
3月になりました。
写真もなくて読みにくいとは思いますが、また3年前の名古屋院院長日記からの再褐です。
今回は隆鼻材料についてです。
鼻を高くするには何か材料が必要ですが、どう使い分けているのかを説明します。
固形物としては、大きく分けるとシリコンプロテーゼと自分の組織があります。
当院ではこの日記で何度も書いているように、鼻筋の部分にのみI型シリコンプロテーゼを使います。
鼻先部(鼻筋から皮膚をつまんでいって、厚くなる部分)の手前までです。皮膚の厚みが変わる部位なので、シリコンプロテーゼの先端の段差などはわかりません。鼻先部は皮膚と軟骨の間に余裕がないため、異物を使うと皮膚が薄くなりやすいのでほとんど使いません。
さて、自分の組織についてですが、代表的なものに耳介軟骨、肋軟骨、腸骨、筋膜などがあります。
鞍鼻など病的に鼻筋が陥没している場合には腸骨を使う事もありますが、骨は軟骨と違って多少吸収されるため、だんだん形が変わっていきます。そのため、実際の美容外科の現場ではあまり使う事はありません。
次に軟骨ですが、当院では鼻先を部分的に高くしたり下に出す場合や、鼻橋部を下に出す目的で耳介軟骨を使います。
ただ、鼻筋に使おうとすると耳介軟骨の場合はいくつか重ね合わせないと希望の厚みや長さになりません。鼻筋の部分は皮膚が薄いためその継ぎ目が気になったり、シリコンプロテーゼと違って細かい細工ができないため、どうしても自分の組織でとおっしゃる方でない限り、あまりおすすめはしていません。ただ、過去にシリコンプロテーゼによるトラブルがあって、自分の組織じゃないと難しい場合は使用します。
その点、肋軟骨は十分な長さと厚みがあるので、重ね合わせなくても鼻筋に使う事ができます。ただ、胸の一部を切らなければならないので、美容外科の患者様にはなかなかお勧めしにくいですね。
最後に筋膜ですが、通常側頭筋膜を使います。
これは、傷が髪の毛の中に隠れる点はいいのですが、膜なのでなかなか細かい細工まではできません。
厚みにしてもある程度は吸収されるため、イメージ通りの形に術中に仕上げていくことは困難です。特に鼻筋は微妙な凹凸があるので、それに合わせて筋膜を細工する事はできません。
それでは、どういう場合に筋膜を使うかですが、主に皮膚の薄さを補う目的で使用します。
例えば、L型シリコンプロテーゼによる圧迫で鼻先の皮膚が部分的に薄くなってしまい、耳介軟骨を移植しても軟骨の輪郭がわかりやすい場合とか、高齢になって鼻筋の皮膚の弾力やみずみずしさがなくなって薄くなり、プロテーゼを入れても形が浮き出やすい場合などです。
あと、鼻根部のみを高くしたい場合などは、シリコンでは先端の段差が出るので使用する場合もあります。
このように、いろいろな材料を目的に合わせて使い分けていく事が重要なのです。
なんでもシリコン、なんでも自分の組織と考えるのではなく、各々の特性をよく把握して、それぞれの長所短所を説明して患者様に判断してもらう事が大切だと思っています。
以上です。
考え方については、この頃とあまり変わっていませんね。
違いといえば、鼻中隔軟骨を時々移植材料として使うことぐらいでしょうか?
あと、いまだにシリコンプロテーゼを細工せずにそのまま入れているクリニックがあることには驚かされます。鼻背の凹凸に合わせて、いかにフィットするプロテーゼを削り上げていくかが手術のポイントなのですが、そのまま入れてしまうと、結果的によく動いたりずれたりすることになってしまいます。困ったものです。