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大阪大学企画展のご紹介!

今年の出張がほぼ終わりました-----
いや。まだ一つのこっております。

それはどういうものかと言いますと?

ご紹介となりますが、来月、大阪大学総合学術博物館にて、

総合学術博物館創立10周年記念 
第15回企画展
「ものづくり 上方”酒”ばなしー先駆・革新の系譜と大阪高工醸造科ー」



という企画展が開かれますが、それに行ってまいります!

概要

「上方は日本列島の酒の歴史をリードしてきました。
しかもそれは生産・技術に止まらず、社会・文化にまで及びます。
江戸時代、清酒を大量生産した伊丹・池田、寒造りを確立した灘などの『下り酒』が
江戸の市場を席巻し、経済的繁栄を背景に文人墨客を集めました------」



つまり、これは、<上方>と、その中心にあって醸造を支えた大阪大学がいかに
醸造の歴史に貢献したかを呈示する企画展なんですね。
六号酵母の生みの親といえる、私のひいじいさんの五代目の佐藤卯兵衛も、
大阪大学の出身ですので、そのご縁でちょっと扱われていますので、
私も拝見しに行こうと思っています。

さて、この大阪大学の醸造を学ぶための部門は、
当時(100年くらい前)は、「大阪高等工業学校」といってました。
これ、今の大阪大学の工学部に値するのかな?

この醸造科は、当時、酒を学ぶためのメッカでした。
企画展の概要にもありますが、当時の酒造りは「灘・伏見を中心とする
西日本」が中心地。
その頃、関東以北、特に東北や北陸なんてのは、「あんな寒いところで酒なんかできんの?」
みたいな感じでした。もちろん、東地方にも、いい酒を造る蔵もありましたが、
それも、ごくごくわずか。
一般的には、西日本、特に灘・伏見には品質的にはまったくかなわない状況でありました。

*今の北海道も、そういうイメージがもしかしてあるかもしれませんね----リアルに
もろみが凍るといいますから。(でも、最近の気象の変動を見ると、
北海道は未来の銘醸地だと思います)



話は戻りますが、昔は、地方(特に東日本には)たいした酒はないと思われてました。
「下り酒」といって、灘伏見からの酒が運ばれて行って、
それが地酒とブレンドされて、やっとまともなものになる---そういう感じだったのです。
秋田だって、昔は、高級料亭はみな、灘・伏見の酒ばかりでした。

ですから、当時、100年くらい前、
お酒造りで最高の教育を受けるためには、みんな、灘・伏見が近い
大阪高工に行きました。当時の鑑定官のみなさんも、みんなここに入学して、
それから官僚になりました。

そういうわけでうちのひいじいさんも、ひいひいじいさんが投資してくれた
おかげで、大阪高等工業学校 醸造科に進んだのですね。
これは秋田ではたいへん珍しい事だったので、ひいひいじいさん(四代・佐藤佐吉)も
やはり素晴らしい方だったのでしょう。

さて、五代目(幼名:卯三郎)は、勉強ができて、成績が抜群だったらしく、
当時同級生だった、広島「小笹屋竹鶴酒造」の竹鶴政孝氏(ニッカウヰスキー創始者)と
学業の覇を争ったといいます。長じてからも比較されましたが、当時は、
「西の竹鶴、東の卯三郎」と呼ばれたとのことです。

で、五代目は、秋田に帰って来てからも延々と酒造りを勉強して、
今から、80年前に「6号酵母」をもろみに生み出す事に成功したわけです。
酒がほとんど飲めず、体が弱くてよく倒れたといいますので、
本当に難儀なことだったでしょう。

それから------
東北が高級酒造りの面で、突然、有利になってしまいました。
国税庁に採取され、醸造協会が培養して、全国津々浦々に培養&頒布された6号酵母が、
生来の低温発酵性で、(当たり前ですが)東北の気候にあっていたためです。

そしてその頃、時代は吟醸造りの黎明期。
精米機の改良による高度精白と、広島で生まれた軟水醸造、これに
低温発酵性酵母による低温発酵が加わると「吟醸酒」ができます。

こうして、酒質において蔑まされていた東日本に、
吟醸造りのノウハウとその完成形をひっさげて、秋田という「銘醸地」が、
その姿をあらわしたわけです。

この大阪大学の企画展では、その「銘醸地」秋田の創成にもっとも寄与した、
花岡正庸(はなおかまさつね)という、天才技師を多く取り上げています。
(無論、彼も阪大出身です)

花岡先生は、秋田赴任時、当蔵の家付き酵母の優秀性に気づき、(これまた阪大出身の)
後輩技師、小山富司雄(おあなふじお)氏を呼び寄せて、当蔵から酵母を採取させているので、
実際、6号酵母は花岡先生の先見の明と、小穴先生の技術で世に認められた
といって良いでしょう。

蔵元駄文-卯兵衛

ということでポスターですが、ご覧頂きますと分かる通り、
上部、向かって左に五代目の卯兵衛と、その右に、ウイスキーのテイスティングを
している竹鶴政孝氏が並んで載っております。

なんとなく前述した「西の竹鶴~~」という言葉を彷彿とさせますが、
この言葉は、考えてみると、非常に面白い言葉ですね。

今は頒布中止となり亡失してしまった酵母ですが、
きょうかい3号(「酔心」から採取)、4号(不明だが広島の蔵元由来)、そして5号(「賀茂鶴」より採取)は、それぞれ、竹鶴酒造さんのあります広島の蔵元さんから生まれたものです。
これらは、軟水に向いた酵母だったのかもしれませんね。

で、其の次に発見された「きょうかい6号」は秋田生まれ、当蔵発祥です。

こういう来歴を見ますと、灘・伏見以外の、新たな銘醸地の誕生が、
まさしく予見されているような人物の組み合わせのように思えます。
(実際に竹鶴政孝氏の父親であられる、竹鶴敬次郎氏は、
<軟水醸造法>を編み出した三浦仙三郎氏のグループの主要メンバーだったということ)

なんとも「酒は人」という本質を垣間みさせてくれるフレーズだなあ----
ということを思いつつ、このブログを書いていたら、当蔵の会長である父が、今やって来て、
「そういえば、五代目の大阪大学の卒業証書が、昨日押し入れから見つかったよ」
と、<そういえば、昨日、i-phone5予約したよ>みたいな、実にライトな感じで
おっしゃったので、その写真はまたアップします。

ECHO 満員御礼!!

NEXT5 Autumn Live Collection 2012 "ECHO"

蔵元駄文-4

蔵元駄文-3

蔵元駄文-2


蔵元駄文-1

最高に盛り上がりました、ご来場のみなさま、ありがとうございます!!
あとは共同醸造酒だ!

造りが始まりました------

さて、当蔵でも造りがはじまってしまいました!
ちょっと前になりますが、これは「初洗い」の日の様子。
今季初めての米が洗米機に入りまして----

蔵元駄文-佐藤

蔵人一同、神妙に見守っております-----

蔵元駄文-初洗い

こうして24By(2012-2013)の造りも、否応なく
始まってしまいました。
今年も、いろいろとアイディアがありまして、どんどん品質を上げて行ければ
と思っています。ご期待ください。 
あ、それから後で書こうと思って延び延びになってましたが、当蔵、
今季で、(アルコール添加酒の在庫がなくなり次第)念願の純米蔵になります!!
あとは、「山廃酒母」と「白麹酒母」の二本立てで、「醸造用乳酸」を廃止。つまり
「速醸酒母」を廃止します。

さらに(原料糖化促進に用いる)酵素剤、(発酵助成などに用いる)無機塩類=ミネラル
など、表示義務のない添加物も、一切廃します。
おそろしいところもありますが、頑張ります----。 いろいろと用意をして望んでいますので
そうしたあたりは後日説明しますね。

注:

当蔵では、80~70%といった精米歩合の低級酒については、テリの改善、
タンパク混濁などの防止に、軽く濾過をかける予定です。
その際は、最低限の濾過材<珪藻土、場合によってはごく少量の活性炭など>を、
使用します。ただし濾過材は、当然ですが、濾過層にトラップされますので、
酒に残るようなことはありません。

一方、酵素、ミネラル、醸造用乳酸、醸造用アルコールは酒に残り、米以外のものから
造られたこれらの物質は、存在するだけで、日本酒のトレーサビリティを大いに
かく乱します。当蔵としては、このような酒に残留するような添加物について、
ラベル表示義務のあるなしにかかわらず全廃することになります







私は、まだいろいろと雑用の山を片付けなくてはならず、現場への本格的参戦は、
中級酒がそろそろ入ってくる10月半ば過ぎころになります。
それまで頑張ってね、現場!

&ご報告。
なんと、今号の「イブニング」の「ゲキウマ地酒日記」にて、当蔵の秘醸酒(ひじょうしゅ)
シリーズの、「天蛙(あまがえる)」と「亜麻猫」が取り上げられておりました。
とても楽しく読ませていただきました!! ありがとうございます。


蔵元駄文-表紙

表紙だけですみません、ぜひ内容はお買い求めになって御確認くださいませ!!!


& ECHO情報!!
前回のブログで事実誤認がありました。
「一白水成」渡邉康衛君の従兄弟が、DJと書きましたが、義理の弟さんがプロのDJでした。
ちなみに熊本在住。日本の端と端----。駆けつけてはくれそうにないようですが、
それはそれで頑張れ、康衛君!!

各蔵の出品酒も発表!!


まずは2蔵
春霞
・純米吟醸 青ラベル
・特別純米 雄町
+隠し酒 @ DJ Kriba ステージ

一白水成
・純米吟醸 袋吊り 生酒
・特別純米酒
+隠し酒 @DJ Koeichin ステージ

続報を待て!!











続報 Echo

気が狂っているとしか思えない気温の日本ですが、
それでも刻々と仕込みの刻(トキ)は近づいてきます----

当蔵でも、そろそろ米洗い。初蒸し-----
そして酒母の麹造り、酒母造り----
と、だんだんと仕込みの段取りが進んで参ります。

そんな中、NEXT5の
Autumn "live" Collection「Echo」。
10/7(日・三連休の中日」
@JAMHOUSE(秋田市)
18:30開場
19:00開演
22:00終演
 
-----の続報!!

チラシも刷り上がり、そして、イープラスのチケット予約も可能になっております。
ここをクリック!!
満員が予想されますので、ぜひお早めにご予約/購入をお願い致します~。
前売り2000円です!
(なお当日券は2500円です。また、酒はテイスティング制限はありません。
フードは別売りです)

さて、今回は、蔵元DJ/ミュージシャンたちのご紹介を。
まずは、先陣の

DJ Koeichin (a.k.a Ippaku-Suisei)

「一白水成」の蔵元、渡邉康衛氏の初ステージとなりますが。
なんと、康衛氏の従兄弟は、なんと秋田では有名なDJなのでした!
しかもは、現役・五城目町長! (現在、二期目)

期待のステージは-----?

蔵元の従兄弟のDJプレイに合わせ、
蔵元のが独自のフロウを利かせつつ、三期目を狙っての選挙演説という、蔵元本人不在のステージが見物です(嘘)。

ともかく才能のるつぼたる、秋田名家・渡邉一族350年の血が織りなす、興味津々のステージと言えるでしょう。
初っぱなを飾っていただきます~。開演から必見!!







UKB50 (aka. Yukino-Bijin)

名前の由来を言うと本人が怒るので割愛しますので、想像におまかせします。
50人でDJしたりはしません。会場の定員の都合で。

さて、小林氏のステージ。
私的にはチック・コリアみたいな趣味のよい、まさに「ゆきの美人」を傾けながら
しっくりと聴くにふさわしいコンテンポラリージャズで来るのだろうと思っていました。

しかし、昨日の小林氏の発言------
「俺はジャズやらないよ」

えっ? と大方の予想を覆す余裕たっぷりの展開です。
教養高い小林氏の無数の引き出しの中から、
今回は予期しないジャンルが選ばれそうな期待大のステージです。





DJ Yamayu with Belly Dancer tae (a.k.a. Aramasa)

私の妻は、舞踊家で中近東の民族音楽である「ベリーダンス」のインストラクターです。
なので、今回は、ちょっと踊っていただこうかと思い立ちまして、協力してもらうことに
相成りました!

私は、好きな民族音楽などをかけながら、後半はアラブの楽曲に移行。
妻にベリーダンスを披露してもらいます。
ちなみに、私はアラブの太鼓(ダラブッカ)を微妙にたしなみますので、生演奏もやりたいなと
思っています。乞うご期待。





DJ Yamamo-DO (a.k.a Shirakaki)

DJ やまも「ど」。
今年も酒造業界を、黒とか青色とかの、想像を絶した酒軍団で震え上がらせた、山本友文氏。

しかし、彼の率いる「白瀑」は、想定外に爆発する黒いにごり酒のようなものばかり
ではありません。

自家田・無農薬栽培米仕込みなどの、ごくごく真面目な面もあります。
そもそも、彼の大学の専攻は、なぜか機械工学----。
まったく人間・山本とは、とらえどころのない、ミステリーの宝庫であります。

昨年の音楽イベント「酒音」のステージでは、アメリカ在住経験&音楽プロデューサーという職歴を活かした、アメリカンロックメドレーで場を盛り上げてくれましたが、今回はいったいどう来るのか?
これも期待大!



DJ Kriba & Kameyama Band (a.k.a Harukasumi)

ここで断っておきますが、「春霞」と書いて、「はるすみ」。
「はるすみ」ではありません! NEXT5参加蔵の諸君も、あまり間違えないように
してください。


さて、次回共同醸造酒ホスト蔵である「春霞」。その蔵元、栗林直章氏は、
筋金入のブルーグラスバンドのバンジョー弾きであります。
プロの演奏家として、東北の音楽祭等ではしょっちゅう活躍しています。

ということで、今回のライブコレクション「Echo」の目玉は、彼のDJタイムならびに、
彼の率いる新楽団「亀山バンド」のお披露目でございます。

亀山バンドとは、なにも「シャープ頑張れ」という意味ではなく(実に頑張って
ほしいものですが)、亀山精司という、かつて秋田を代表した名杜氏の名から取られたものです。

亀山杜氏は2009年、醸造期間中に逝去。
その意思を継ぐようにして、蔵元・栗林氏は、造りの総指揮を執るようになりました。
亀山氏の頑固一徹な、そして独特な手法の酒造りは、いまだに我々の中で、
崇拝の対象であります。

さて話は変わりますが、
昨年「春霞」の蔵から、秋田県醸造試験場の手によって、「蔵付き酵母」が採取されました。
秋田県の事業で、秋田の各蔵の壁や梁、また古い遺物から、酵母を採取しようという
プロジェクトがあったのです。
一般的には、埃やゴミなんかに、酵母が入り混じって生きているので、これを採取して、
培養し、発酵実験をし、酒造りに使用できるか見るのです。

そして、「春霞」からは、見事、醸造に足る酵母が採取できたのでした!!

故・亀山杜氏に敬意を表し、栗林氏はこの酵母を「亀山酵母」、自分のバンドを
「亀山バンド」と名付けたのでした。

このライブコレクションにて「亀山バンド」がデヴュー。
そして、共同醸造酒は「亀山酵母」で醸される事に決定しています。

これから年末まで、「春霞」旋風が吹き荒れることでしょう!!!

乞うご期待!


そして、今回、ライブコレクションの運営をサポートしていただく、
建築家/音楽家の木川さん率いるジャズバンド「Kickers」にも演奏をして
いただきます。

酒と音楽の素晴らしい一夜になるでしょう!!
会場でお待ちしております。



Next5 Autumn Live Collection " Echo" 

蔵元駄文-えこー3



NEXT5 Autumn Live Collection "Echo"
ネクスト5 オータム ライブ コレクション "エコー”

10/7(Sun)*体育の日の前日、三連休の中日です
@JAM HOUSE(秋田市)
Open 18:30
Show 19:00-22:00


Advance Ticket :2000yen
Door : 2500yen
フリードリンク制
(各蔵の旬の日本酒を、こころゆくまでテイスティング可能です)

フードは、人気店 「タカラヤ」(秋田市山王)、「Jah」(秋田市大町)が参加。
ブースでお食事がお買い求めいただけます。

酒のみならず、蔵元がその世界観を音楽でも表現いたします。
そのための「ライブ・コレクション」。
各々の蔵元がステージに立つ際は、スペシャルな酒が隠し酒として提供されます。
より深くその蔵の感性(センス)を理解し、楽しんでいただけるでしょう。
すべてが共鳴する「Echo」。




タイムスケジュール
18:30 開場 
Dj Kikka

19:00 開演 
Dj Koeichin (一白水成)
UKB 50 (ゆきの美人)
DJ Yamayu with Belley Dancer Tae (新政)

20:10 
Talk Show

20:30
Kickers (ジャズライブ生演奏)
Dj Yamamo-Do (白瀑)
DJ Kriba(春霞)
Kameyama Band (ジャズライブ生演奏)

22:00  終演


チケットの入手方法:
前売り券を、イープラス(http://eplus.jp)で販売いたします。
前売り券は2000円です

なお、当日券は2500円です。当日受付にて取り扱いいたしますが、
開場には定員がございますので、おはやめの前売り券予約購入をおすすめいたします。



もしかして-----今年も、高温障害?

9/7、青山CAY 「それはそれは楽しい日本酒の夜」ですが、
イーチケットの販売を無事終了致しました。
ちなみに、まだ当日券はいくらかございますので、買いそびれた方はチャンスが
ございます!
ただいま、「白瀑」山本さんから連絡がありまして、各部10名分ほど発券するということです。代金はプラス300円の4,300円になります。
申込みは青山CAYへ03-3498-5790まで!

さて、ここ数日は出張で東京におりますが、相変わらず秋田はむちゃくちゃ暑いようです。
先日は、沖縄より暑く、日本で一番暑い県だったということ----。
今日は雨のようですが、東北は全体的にまだまだ日中30度以上が続く日がつづいています。

そのような状況下、先日、秋田市河辺へと「改良信交」「美郷錦」の田圃へと
行ってまいりました。

蔵元駄文-改良

手前側がやや黄色く、奥の区画がやや緑色なんですが、
手前がすでに刈り取りも近い食用米「あきたこまち」の区画。
そして、奥が「改良信交」。生育がゆっくり目で、刈り取りにはまだ時間がかかります。

相変わらず「改良信交」は背が高いです。
ちなみに「あきたこまち」はせいぜい腰のあたりしかありませんが、
「改良信交」は胸のあたりまで軽くあります。
さすが「亀の尾」(ご存知、東北の酒米の祖先。食べてもおいしいです)
の血を色濃くひいているだけあって、やっぱりそのくらい背丈が高い米なんです。
もちろん収量も低く、実に農家泣かせの米と言えます。
こういう米を見ますと、いかに現在の米が、造りやすいように改善された代物であるかが、
よくわかりますね。

とはいえ、今年に関しては悩みはもっと他のところにあります。
そう、暑すぎる。
農家さん曰く「やっぱり高温障害にはなってるだろう」とのこと。

高温障害というのは、稲がこれから実ろうとする時期に、気温が高すぎて、
米の品質が下がってしまうことをいいます。
高温で米がうまく育たず、割れてしまったり、
夜の温度が下がらないため、米の中に栄養が貯まらず、でんぷん質に乏しいスカスカの米(乳白米)になってしまうことです。
西日本に多く発生していたトラブルでしたが、最近は2年連続で、この東北地方も
高温障害に見舞われていました。

そういう米の食味は、個人的な感想としては、
適度なもっちり感が皆無で、噛み応え/舌触りともにひどくムラがあり、
「べたべた」な部分と「ぼさぼさ」の部分がごちゃごちゃに入り交じっているかの
ような嫌な感覚----。
高温障害の年は、日本人としてまる一年、憂鬱にならざるを得ません。
この際、糖質カットダイエットに走る人が続出する勢いです。

特に最悪だったのは22By。一般食用米も酷かったですが、酒米も輪をかけてひどい
有様でした。あまりに溶けない。いや溶けないというか、溶ける部分
(でんぷん)がそもそも少ないので、何をやってもうまくいかない。
四苦八苦して、多くの蔵では例年よりも、仕込みに加える水の量を少なく調整したり、
様々な方法で乗り切りました。

22Byに続き、昨季の23Byについても(それほど悪くないけれど)やはり
高温障害の傾向がありました。

そして、この24By----。
また嫌な予感が----。
そろそろ、造りの方でも対策を練らないとなりませんね。



さて、今年は結構、他蔵の見学に行きました。
まず、酒造組合の若手で構成される「醸友会」の視察。
この毎年恒例の、他県の見学旅行では今年は、静岡~愛知へ参りました。

私としては二回目の訪問となる「醸し人九平次」さん。
若い蔵人達が一生懸命、掃除中。丁寧な造りが伺える、さすがの姿勢と佇まいでした。

蔵元駄文-くへいじ


次期当主の土井さんと仲良くさせていただいてます、「開運」さん。
伝統ある蔵の威容と、また噂に違わぬ、素晴らしい設備の数々を堪能させていただきました。

蔵元駄文-かいうん


酒にハマるきっかけになりました「磯自慢」さん。
お伊勢参りならぬ、お磯参りをして来ました。当主の酒造りの思想が隅々まで
反映された、まさに酒造要塞とでもいうべき完璧な蔵に、圧倒されました。

蔵元駄文-いそじ

それから一昨日は、神奈川「天青」さんに行って参りました。
「天青」さんでは、ビール醸造所やパン製造所、イタリアンから和食レストランまでを保有し、
発酵文化のテーマパークのような取り組みを行っております。
たいへんうらやましい環境でした。

また、発酵全般に知識が豊富な杜氏の五十嵐さんと、延々と醸造技術について
語り合う事ができまして、大変楽しいひとときを過ごすことができました。
ありがとうございました。

(あ、高温障害対策の話もしておけば良かった----)

蔵元駄文-天青

では、また次回!

青山イベント続々報!!

NEXT5 & 魂志会 presents
「それはそれは楽しい日本酒の夜」 at 青山CAY
日時 :
2012.09.07
会場 :
CAY (スパイラルB1F)

続報です!!


ゆきの美人 
ゆきの美人 純米吟醸 雄町
ゆきの美人 純米吟醸 愛山
+これが「ゆきの美人」?と誰もがビビる貴重作品


春霞
特別純米  栗林 23BY
特別純米  雄町 23BY
+23Byのあの名作の雫酒バージョン


やまとしずく

やまとしずく純米吟醸 遠心分離 YamaTornado
やまとしずく純米酒  陸羽123号
+これは絶対に飲めない。伊藤社長いいんですか? 



そして魂志会!!

美和桜
1 純米吟醸 八反生原酒
2 大吟醸 千本錦生原酒
+α

天寶一
1 中汲純米大吟醸40
2 造賀山田錦 純米吟醸
+α

宝剣
1 純米吟醸 八反錦
2 純米大吟醸 中汲み
+α

雨後の月
1 純米吟醸 うごのつき 協会9号
2 純米大吟醸 雨後の月
+α

賀茂金秀
1 特別純米 直汲み
2 純米大吟醸
+α

富久長
1 純米吟醸 山田錦
2 純米大吟醸 八反草50
+α

9/7、青山頂上決戦、
壮絶な闘いになってまいりました!!
ご予約は、
ここをクリック!!

青山イベント速報 二弾!!

NEXT5 & 魂志会 presents
「それはそれは楽しい日本酒の夜」 at 青山CAY
日時 :
2012.09.07
会場 :
CAY (スパイラルB1F)

続報です!!
NEXT5側の出品酒が決まりつつあります。
まずは第一弾-----


「白瀑」
・山本 赤ラベル「備前雄町」仕込み
・山本 白ラベル「自社栽培 無農薬無化学肥料米」仕込み
+想像を絶する超絶イロモノ作品(ラスト30分で登場)


「一白水成」
・一白水成 純米大吟醸
・一白水成 特別純米酒 ややオリ絡みversion
+大盤振る舞いの超高級酒(ラスト30分で登場)


「新政」
・秘醸酒 不思議純米 天蛙(あまがえる)
・純米吟醸 桃やまユ
+お蔵入りになった稀少高級酒(ラスト30分で登場)

次回は、春霞&ゆきの美人&やまとしずくの出品酒のご紹介です!

「それはそれは楽しい日本酒の夜」開催!

$蔵元駄文-日本酒の夜

NEXT5 & 魂志会 presents
それはそれは楽しい日本酒の夜」 at 青山CAY

日時 :
2012.09.07

会場 :
CAY (スパイラルB1F)

秋田の酒、広島の酒、ホントにおいしい日本酒が青山に集まります!
若い造り手の新鮮な感性で造られる日本酒は、今の食生活に最高にフィットしたおいしい飲み物。参加者1人ヒトリのペースで楽しめる試飲会です。女性のみなさんや、「これから日本酒を」と考えている人にこそ参加してもらいたい、おいしい夜です。



◆イベント概要◆
時間:
第一部  18:30~20:00
第二部  21:00~22:30


各部定員:
200名まで(先着予約順/入れ替え制)

参加料:
4,000円 (心ゆくまでの日本酒の試飲と、CAYのエスニック料理もろもろ+α)(このジョイントイベント専用に造った、二団体のロゴ入りミニグラス付き)

会場:
CAY ~カイ~ (スパイラルB1F)
〒107-0062 東京都港区南青山5-6-23 スパイラルビル B1F

ACCESS MAP
←クリック!


出演:【NEXT5】ネクストファイブ(from 秋田) 
・秋田醸造 「ゆきの美人」  
・栗林酒造店「春霞」 (はるかすみ)    
・山本合名   「白瀑」(しらたき)     
・福禄寿酒造「一白水成」(いっぱくすいせい)   
・新政酒造   「新政」(あらまさ)     
-plus-
・秋田清酒   「やまとしずく」


【魂志会】こんしかい(from 広島)
・相原酒造   「雨後の月」(うごのつき)
・金光酒造   「賀茂金秀 」(かもきんしゅう)
・天宝一      「天宝一」(てんぽういち)
・今田酒造本店「富久長」  (ふくちょう)
・宝剣酒造   「宝剣」   (ほうけん)
・美和桜酒造「美和桜」 (みわざくら)


全蔵、蔵元本人が参集で、みなさまにお会いします!


& サプライズ (売り切れ御免、数量限定企画!!)
・日本酒にあう広島風お好み焼き !!
・日本酒にあうスイーツ !!
・日本酒に合う1曲 !!


チケットのお取扱い:e+(イープラス)チケット←クリック! 予約ページへ!




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ということで、兼ねてから告知申し上げておりました広島の「魂志会(こんしかい)」と、「NEXT5」合同イベントが開かれる事に。
長らくお待たせいたしましたが、このたびフライヤーが完成し、晴れて正式にご報告と
相成りました!

なお「NEXT5」には、「刈穂」&「出羽鶴」を擁す秋田清酒さんが、
「やまとしずく」ブランドとして助太刀に参加。もちろん伊藤洋平社長がやってきます。
これで、6vs6のマッチングになりました~。

さて、誰しもが、初っぱなからガチンコ対決ムード一色、「オラッ!!」という叫びとともに
ガラス瓶の破片が飛び散る血みどろの地酒バトル風イベント(一方的にやられているのが
NEXT5)を予想していたにもかかわらず(?)、
今回は、想像を絶する程の、平和ムードのイベントでございます。ラッキー!

もろもろ、大変に世知辛い世の中ですから、(というか気温的にも暑いので)これ以上
ガチの暑苦しい対決ぽいのはやめよう---、ここは戦後まもなくの広島・呉でもないし----

ということで、急遽、イラストレーター&イベントプロデューサーの小池アミイゴさんとタッグを組みまして、こんな柔らかで涼しげなイベントを催すことになりました。
きっと、残暑を癒す、ほっと一息つけるイベントになりそうです。

これは、僕らNEXT5だけでは、あるいは魂志会だけでは、醸し出せないムードですね。
東西団結して、新しい日本酒ファンの入り口にもなるような、ハッピーな会を目指して、
頑張ります。 

なお、お酒につきましての補足。
各蔵、まずはおすすめのアイテムを2種類。こちらをセルフでお飲み頂けます。
(今回のジョイントイベント特製のグラスでお飲み頂きます)
そして、なんと!! 各部の終演30分前からは、
さらにスペシャルなお酒が登場致します!
各蔵には、相当なレアものを用意してもらいますので、お楽しみに。

御飯も、CAYが腕によりを振るって造る、(日本酒に合う)エスニック料理、
プラス、お好み焼きや、日本酒を使用したスイーツ等が揃います。
ステージではライブが繰り広げられますので、こちらもお楽しみに!!

チケットのご予約/購入は、e+チケット←ここをクリックで! 

















白湯フェス 間近!!

ついに、日景温泉(ひかげおんせん)での、
温泉&日本酒イベントが間近に迫ってまいりました!!

白湯フェス 8/11 @日景温泉
http://www.zero-date.org/schedule/schedule_file/001087.html
名酒に酔う。名湯に酔う。アートに酔う。
ただそれだけの幸せ。


【日程】2012年8月11日(土)
【会場】日景温泉|秋田県大館市長走37
【チケット】 日帰り7,000円/宿泊込み14,500円

入浴+宿の夕食膳+「NEXT FIVEの5蔵選りすぐりの日本酒」+「フェス限定地物料理」を含みます。
宿泊について:基本的に2~3名様の相部屋になりますが、2,000円追加で個室、1,000円引きで大部屋の宿泊プランもご用意しております。


【プログラム】
ありそうでなかった秋田の最強コラボレーション「温泉× 日本酒」を実現!
全国的にも注目されている秋田の個性豊かな若手蔵元と秋田のアーティスト・クリエーターが
「EDGE」をテーマに秋田の未来について語ります。

トークゲスト
佐藤祐輔(新政酒造八代目/NEXT FIVE)、山本友文(白瀑醸造元六代目/NEXT FIVE)、
高橋 泰(ヤマモ味噌醤油醸造元七代目)、中村政人(3331 Arts Chiyoda統括ディレクター)


14:00 受付開始 
14:30 ~ 15:30 一部/イントロダクション
日景温泉ならびに、ゲストの新政酒造、白瀑醸造元/山本合名会社、ヤマモ味噌醤油醸造元/高茂合名会社それぞれについて、蔵元から簡単にご紹介いただきます。

15:30 ~ 16:30
名湯日景温泉を堪能し、周囲を散策したり、写真展示を鑑賞したり・・・。
思い思いに、この環境と空間をご堪能ください。

17:00 ~ 19:00 二部/トークセッション「THINK EDGE」 + 夕食+ 日本酒
ありそうでなかった秋田の最強コラボ「温泉×日本酒」を実現!全国的にも注目されている秋田の個性豊かな若手蔵元と秋田のアーティスト・クリエーターが、「EDGE」をテーマに秋田の未来について語ります。
※開場は16:30になります。混雑が予想されますのでお早めに会場にお越し下さい。

20:00 ~ 三部/アフターパーティ(宿泊者限定)
ゲストも交え、盃を交わしながら、語り明かしましょう。


【予約申し込み・お問い合わせ】
ゼロダテ アートセンター[秋田若手アートネットワーク]
秋田県大館市字大町9 (ゼロダテ アートセンター内)
Tel & Fax:050-3332-3819
info☆zero-date.org
(☆を@に変えてください。)







--------という内容!!
トークがこれまた刺激的なメンツでございます。
私も、畏れ多くも、その末席を汚させていただきますが、出演者は----?

まずは、昨年NEXT5で企画運営させていただきました「Tohoku Sake Forum」で一緒に
頑張っていただきましたアート集団「ゼロダテ」の、そして麹町「Arts Chiyoda 3331」運営者であります中村政人さま。

次に、もう誰も手がつけられない-----。今や、「日本酒破壊神」という称号がふさわしい、今、もっともホットな日本酒醸造家、「白瀑」山本友文さん。

そして、最高におしゃれな調味料で発酵業界を刺激する「山茂醤油」の高橋泰さん。

テーマは「Think Edge」。
まさしく、エッジなアーティストと醸造家がそろった刺激的な対談になりそう----
ということで、我々も、テーマを増強しぎるほどに、超エッジすぎるお酒を用意いたしました!!


まずは山本流のエッジを効かせた、いや、効かせすぎてしまった、あの話題沸騰の迷酒が登場!!


蔵元駄文-ブルはわ

ブルーハワイ!!!



これに対抗して、私からは-----? まだまだ実験作の段階なので、1000本限定。
もう売り切れてしまってるらしい、珍酒を提供!

蔵元駄文-天蛙

「天蛙」(あまがえる)!!


そして畳み掛けるように、こちらは未発売の----そして私の好みの味に仕上がった---

蔵元駄文-白やま

「23By 白やまユ 酒こまち」火入れバージョン!! を先行解禁(写真は生です)!!




その相手は、うってかわっての白瀑マジモード「山本」ブランド。
この新作にして、香味バランスが素晴らしく、すでにして名酒の誉れ高い-----

蔵元駄文-亀の尾


純米吟醸 山本「亀の尾」!!!

「Think Edge」というか、「Feel Egde」と呼んでもさしつかえない大衝突で
ございます。



そして、残り三蔵(ゆきの美人、春霞、一白水成)のお酒も、もちろん登場!
こちらは来てのお楽しみ----。

それでは、会場でお会いしましょう!