昨日は、薬薬連携のお話しでしたが
今回は病薬連携
つまり処方箋を実際にかいてらっしゃる医師の講義を聞きに行ってまいりました。
調剤薬局にとって、一番難しいのが処方箋意図を読み取ること
やはり、その方針、考え方などをこのような形で伝えていただける機会は逃してはいけません。
ちょっと内容をご紹介
今回は 循環器セミナー
「抗凝固・血小板薬選択のガイドラインと実際」
日本医科大学武蔵小杉病院循環器内科部長 佐藤直樹先生
内容は心房細動を中心に・・・
増え続ける高齢者心房細動にどう対応するべきか?
基本はガイドライン!薬局薬剤師もガイドラインをある程度知っておくべきだと感じました
日本循環器学会心房細動ガイドラインより
表1 心房細動患者における抗血栓療法
クラスⅠ
リスクが2個以上の有する患者への治療;. 脳梗塞や出血のリスク評価に基づいた抗凝固療法の実施
クラスⅡ a
中等度リスクを1 個有する患者へのINR2.0~3.0でのワルファリン療法
クラスⅡb
リスクがないが必要な場合もある(絶対ではない)
それでは、どのようにリスクを評価するのでしょうか
心房細動患者におけるリスク評価
CHADS2スコア
C:Congestive heart failure
H:Hypertension
A:Age≧ 75歳
D:Diabetes Mellitus(糖尿病)
S:Stroke/TIA(脳梗塞やⅡAの既往歴)
ここで、ワーファリン
効きすぎれば出血のリスク、効かなければ脳卒中などにつながる・・・・
どうしたら??
PT-INR迅速測定可能な測定器の紹介がありました。
…血液凝固モニタリング検査装置(1式20万円前後)
薬局の中にはすでに用意しているところもあり、今後長期処方の際の薬局の役割として必要な検査機能になっていくであろう。以下の内容のためにも有効。
・遺伝子多型による効果の出方の違いなど、投与量が予測可能!
・ワルファリンの投与開始時は、最低量から投与するがリスクの低減のためには出来れば維持量から開始したい。そのためには細やかな検査は不可欠で、薬局でのフォローも期待されている。
また今後リフィル処方箋などの可能性もあり、こういった測定器は薬局に完備することが
必要不可欠になってくるのだと思います。
新規抗凝固剤
適応:非弁膜症性心房細動
・直接トロンビン阻害剤・・・・ダビカトラン(プラザキサ)
アルガドロバン(スロンノン)
・トロンビンⅩa阻害剤・・・・リバロキサバン(イグザレルト)
エドキサバントシル(リクシアナ)
ワーファリンは立ち上がりが遅いがダビカトランなどの新薬は立ち上がりが早い。
経済効果は・・・
値段はダビカトラン110mg232.70円75mg132.60円
ワーファリン1錠9.6円3錠28.8円
まずは、立ち上がりの速さを必要としているかどうか、腎機能が悪くないかどうか、経済効果と納豆などの食生活とをかんがえての選択をされているとの説明でした
その後は、出血リスクに対するもっと詳しく対応するためのお話などもありました。
どのようなときにどの程度抗凝固薬などを休む必用があるかなどは病薬連携ではとても大切
最後に、佐藤先生からこのようなお話がありました。
「たとえば、INRの数値が変わっていないという患者さんのワーファリンが変更になっていたり、腎機能が悪い患者さんにダビカトランが通常量出ているなど、少しでも疑問に思った時はすぐに問い合わせしてほしい。
そういう形で、私たちを助けて行っていただくの良い形だと思います。」
とおっしゃっていました。
みなさん気後れせずに問い合わせ、頑張りましょう!!
今週は実は3日間連続の勉強会があり
時代は少しずつ調剤薬局に多くのことを期待してくれているのを感じる1週間でした
勉学の秋かな
Mikan