劇場型、激情型、 | xyavのくしゃくしゃブログ

劇場型、激情型、

ベストセラー、加藤陽子氏の 「戦争まで」 は歴史を線でなく面で、そして立体的に捉えることの重要性を中高生にもわかりやすく問いかける名著?だと思います、氏と私は立場は真逆なのですが。


満鉄はポーツマス条約で得たのですね、その満鉄をめぐる事変を調査するため来日したリットンは財界トップの三井財閥総帥団琢磨とも面談し、その翌日、血盟団事件で団は暗殺されます。


そのような不安定な状況が日本にもあったのですが、政治を安定化させるためには世論をつかまなければならず、そのためには例えば意識を外に向けさせる、抗日や反日のようなこと、韓国が慰安婦問題を、中国が尖閣を、北朝鮮が外圧を利用すること、同じようなこととして当時の日本が外に敵を作ったとも見れると思います。


今後それらのアジアの国だけでなく英国、ドイツ、オーストリア、イタリア、そして米国等々世界中の国の国内政治が不安定化し、例えばトランプは選挙での訴えを全く実現できずに立ち往生して、”抵抗勢力を作って攻撃する劇場型” の演出をせざるを得なくなっていって、小泉劇場国際版というものが全世界的に広がっていく、そういう姿が戦前の日本にもあった気がします。


そのように煽られた戦前の国民は対立の精算、戦争を望んでいた、氏の著書を読めば単に国民は騙されただけじゃない、戦犯でもある、そう感じます。


どのようにして戦争になったか、終戦直後の国会は調査委員会を作り後世に資料を残そうとしたのに、GHQによって解散させられました。


このことは、現在の私たちが持っている戦前に関する様々なイメージ、国民が単なる被害者だというような印象は、実は戦勝者によって植え付けられただけなのかもしれない、と危惧します。


劇場型の危険性をしっかり見ていきたいと思います。