森田療法 4 | xyavのくしゃくしゃブログ

森田療法 4

私たちは人生で様々な危機に遭遇します。


そのとき、精神的に不安定になる場合があり、それは症状と呼ばれあってはならないもののように敵視されます。


取り除こうとして悪戦苦闘し、それができなかった時には行き詰まり、打開のためには方向転換すべきではないかという転機にもなります。


取り除けない苦悩を受け入れ、自分の思い通りにならないことがあるのだとの学びにもなり、自分の限界を知ります。


日本人は欧米や中韓などに比べても自己主張が苦手だ、と感じることがありますが、この精神医学に関しても欧米流の科学によるアプローチが全てなのではありません。


日本的な感覚で自然に任せ、人間が自分の力を主張して無理に変えていくだけが改善の手段なのではない、と言いたいわけです。


あきらめることによって別の生きる道を模索することにつながり、欧米的な考え方とは違う新しい生きる力がそこから沸き上がります。


苦悩を苦悩として受け入れるしかないという諦念は、人生の感じ方は変化するという無常観の理解へ結びつき、苦悩と共に生きると同時に、無常だからこそそこからも生きる力を得ることができます。


現在、自死やいじめ、虐待やひきこもり等々、非常に多くの精神医学の観点を伴う問題がさらに増える傾向にありますが、ぜひ、欧米式の合理主義で解決できなくても、日本の自然に任せるやり方が有効な場合があると私は訴えます。


消し去るべき症状と言われた苦悩から、学び、知って成長していくのですから、森田によってここにピンチはチャンスとなっているのです。