森田療法 2
新しい療法を創始した森田は医学に仏教的な思想を取り入れ、患者にこのような話をしたことがありました。
2500年前、ブッダは何を悟ったか。
それは 「生老病死」 からは逃れることができない、という事だった。
苦しむ患者たちは何に苦しんでいるか、なぜ苦しんでいるかといえば、この苦しみから逃れたい、と悩み苦しんでいた、それを逆に受け止めることで病状は改善するんだ、というのが画期的でした。
治療は驚くべき成果を上げましたが、国内外にはこれを評価しない声も多くありました。
症状を意味のあるもの、人生における成長、成熟の機会だと考え、何か取り除くべき悪いものというより、そうなる必要があってそうなっているんだ、と前向きにとらえる姿勢は非常に素晴らしい。
この治療法で治療者は患者の随伴者です、患者とともに一緒に成長する、その思いがあって病気も治ります。
パラリンピックで視覚障碍者がガイドと一緒に走る競技がありますが、森田療法の医者はあのガイド兼コーチのような位置づけでしょうか。
周囲の人も参考にできるのではないかと感じます。