弓状の国土
人口の減少する地方が生き残っていくには、地域間の連携が欠かせないのですが、それを実現しようとした時に障害となる日本の特徴がいくつかあります。
まず第一に弓状の国土です。
英国、フランス、ドイツ、スペイン、米国、中国などなどの国土を見てみれば、どこも円形に近く、まとまりがあります。
日本の海岸線は長く複雑で、総延長は米国を超えるとも言われ、交通網の整備には手間が掛かります。
第二に、主要部だけでも四島に分割され、加えて多くの離島もある事です。
橋やトンネルでこれらを繋がねばならず、日本には克服すべき厳しい条件を突き付けられています。
第三には脊梁山脈。
日本の河川は短く急流で氾濫し易く、山は国土を分断し、また積雪の多くなる原因にもなっています。
第四に地質。
面積の70%を占める山岳地には風化した岩が多いため崩落し易く、土石流などが発生して麓の集落を襲います。
第五には狭い平野部です。
日本の可住地は27%ですが、英国は85%、ドイツは67%、フランス73%などとなっていて、その狭さが分かります。
そしてこれが少ないだけでなく、まとまっていずに分散している事も特徴で、関東平野や大阪平野などの河川は常に流路を変えて流れていましたので、これらもまとまった広い可住地ではなかったのです。