天皇制 | xyavのくしゃくしゃブログ

天皇制

権力と宗教は、互いに権威や権力を高めるために利用し合うような関係を作る場合がありますが、特に西洋では教会が絶大な権力を誇りました。


ところが宗教などは所詮人間による作りモノでしかなく、やがて化けの皮が剥がれ、世俗の権力に政治的な支配はとってかわられていきます。


政教分離などと言う事が言われるのですが、日本の場合は皇室が権力から距離を置き、その分離を維持してきました。


宗教としての仏教が盛んになって権力と結びついても、依然として天皇の権威が失われる事はなく、宗教とは少し違う位置づけだった事が分かります。


皇室の権威を宗教や権力が握る事はなく、権力だけでなく宗教すらも人為的に後から作られた人工物であると言ってもよいような、そんな権威からの距離を縮める事はできませんでした。


天皇や皇室の権威は神話に基づく宗教的迷信に過ぎない、という見方が可能にも思えますが、権力や他の宗教から距離を置いてきたという点で、単なる宗教とは違いもありそうです。


ではその違いとはなんでしょうか。


それは自然により近いと言う事です。


という事は、天皇や皇室よりも、他の宗教は自然から距離がある、という事にもなります。


例えば一神教の神は自然を作った創造主なのですが、天皇や皇室はそのような神の存在を認めず、逆に自然が先にあります。


天地 (あめつち) はじめてひらけし時、で神話は始まりますし、神に祈りを捧げるよりも、そのような自然に対して祈る、それが天皇の姿であり、そういう自然に祈りを捧げる存在として権威を保っているのです。