フランシスコ・ザビエル
フランシスコ・ザビエルは偶然異国で漂流してきた日本人に出会い、その優秀さに驚いて本国のスペインから許可を得て、日本を目指します。
そして日本での布教の困難さも書き送っています。
ザビエルが人々に、
”洗礼を受ければ天国に行けるが、受けなければ地獄に落ちる”
と説明した時、
「では私達の先祖はあの世で如何しているだろうか」
と問われ、仕方なく、
”洗礼を受けていなければ地獄にいる”
と答えざるを得ません。
すると人々は、
「本当にその神は全能なのか」
と問い、ザビエルは、
”当然全能だ、全知全能の神だ”
と答えます。
これを聞いて人々は、
「その神が全能なら余りに無慈悲だ、私達の先祖を救い、天国に導くべきだ」
とザビエルに訴えます。
日本の人々は子孫の繁栄を祈り、すると先祖も子孫の繁栄を祈ったでしょうから、そのために先祖に感謝します。
そのような先祖や子孫との繋がりの中で、全能の神なら先祖を救える筈だ、できないならそれは全能でなく無能だ、と感じました。
こういうことをザビエルは詳しく本国へ、日本での布教は骨が折れる、と報告し現在までそれが伝わっています。