投資と利益
企業を所有しているのは株主であり、経営者は株主に支配される。
株主が短期的な株価の値上がりだけを求めた場合に 経営者は無駄な投資ができなくなる。
例えば各社が取り組む基礎研究などは 必ずしも利益に結びつかず、ましてや短期的には全く無駄である場合が多い。
これを止めてしまったのが欧米の産業である。
雇用に関しても 即戦力を求めて人材育成が疎かになり、業績悪化に伴って解雇する事に躊躇がない。
政治に対する視点も同じだ。
短期的な財政赤字に批判が集中し 政府による公共投資は無駄であると削減されてしまう。
国家を所有しているのは国民であり 政治家は国民に支配される。
国民が短期的な利益だけを求めた場合に 政治は長期的な投資ができなくなってしまう。
社会保障の改革が何より大事だと言われるが 他の観点も決して忘れてはならない筈だ。
長期的な利益は長期的な投資によって獲得が可能であり、これを止めては欧米の二の舞になってしまうに違いない。