欧州危機とバランスシート
リーマンショックから3年が過ぎ、今世界は欧州危機に直面している。
4~6月期のGDPの成長は年率換算で米国は1%、ユーロ圏は0.6%、日本はマイナス2.1%と低迷している。
米国の住宅市場は低迷し 住宅ローンの負担の為に家計の消費は圧迫され、日本と同じ失われた10年となる日本化が起きる、と懸念される。
第一生命経済研究所熊野主席エコノミストは 「リーマンショック直後の各国の財政出動は、民間債務を政府が肩代わりしたに過ぎない」 と指摘している。
いつも記事で書いている通り、BS資金循環統計を観察すれば誰でもこれは直ぐに分かる。
経済は民間が債務を増やすことで成長し、それが収縮する過程がバブルの崩壊である。
そして民間の債務が拡大しなければ、政府が必ずこれを肩代わりし、 民間の危機が、 → 政府債務の危機に、 置き換わる。
政府でも民間でも先ず債務が自国通貨建てで有るか、内債か (国内調達)、そして経常黒字国か (貯蓄過剰)、さらに純資産がどれくらいか、などの条件で色分けされる。
日本はこの点が突出して強固な為、通貨は今後も上がると予想され、緩和策と増発によって下支えが必要である。