文句もなく、ゲージのなかで大人しくしている。
ときおり、ゲージをよじのぼり、
憂生は猫をかったのではなく、
猿をかっているのだと考え直させられる。
器用にゲージを登る姿はむしろ、猿というよりも、
スパイダーマンである。
たんび、よじのぼるため、ゲージのぼりのテーマ曲がでてきた。
スパイダーニャン・スパイダーニャン(もちろん、スパイダーマンの曲で)
で、このスパイダーニャンに大きな変化があった。
あれ?
あれ?
あれれれれれれれれ?
灰色っぽい顔が、やけに茶いろくなっている。
先住猫が外を自由に闊歩するのを見て、我も茶色くなれば
外にいけるのかもしれんと、変化したのか?
だとしたら、やはり、どじだ。
顔だけ茶色くなるか?
人間なら黄疸かと心配する。
だが、毛が黄疸になり、色がかわるなどありえん。
さては、
猿でもなく、蜘蛛でもなく、カメレオンニャーミーだったのか?
等と、馬鹿をいってる場合ではない。
原因不明の奇病か?
丁度、先住猫の体調不良で、病院にいくことになったので、
獣医にたずねてみた。
「あるんですよ。環境変化などにより、色がかわること、あります。
極端な話、黒猫が白猫になっちゃうなんてことも・・・」
げ?
「元気なんでしょ?」
スパイダーニャンしてます。
「体調が悪いとか、元気が無いとか、うんちがよくないとか、めやにがでてるとか・・」
いたって、快調で、スパイダーニャンのテーマ曲ができたくらいです。
そして、帰ってきて、次の日だったか、
ふと、外につれだせるか、リードをつけてだしてやった。
なんとか、背中からのだっこ?つまむ?で、外まで、つれだし、
へっぴり腰のスパイダーニャンを庭で、ひなたぼっこをさせてやった。
ほんの10~15分だったろうか。
その夜、またも、変化がおきた。
顔色が元の色にちかくなって、茶色がうすくなっている。
????????
紫外線消毒?
毛が茶色くなる病?????には、紫外線消毒が効く?????
まざまざと、獣医の言う、黒が白になる。
ありえるのだと知らされた。
猫をお飼いの皆様。
貴方のところの猫は、あるときは、スパイダーニャンのふりをしているけど、
本当の正体はカメレオンなんですよ。
あああああ、こんなこと、告げたくはなかった・・・・。
ところが、さらに三日後。
保護猫の顔色はほぼ元に戻っている。
ますます、不可解な?????・・
おりょ?
おもちゃにつるしてやった白い鼠が、茶色くなってる。
あ?
ああ、なるほど。
爪磨き用のダンボール(市販のもの)に付随のまたたび粉をすりつけたことを
わすれていた。
これにスパイダーニャンは顔をこすりつけて、
またたびに酔っていたのだろう。
まっ茶々になるほど、念入りにこすりつけていた場面を
知らずにいた憂生は
使用前、使用後の写真さながら、
その変化に驚きまくってしまったのだ。
にゃんだ。
わかってみれば、にゃんでもないことだ。
そして、なんだかしろっぽくなった保護猫を改めてみつめていた。
カメレオンニャーミーじゃなかったんだね。
「うにゃにゃ」
久しぶりにかまってもらえてうれしくなったんだろう。
ゲージをのぼりはじめた。
カメレオンニャーミーじゃなかったけど、
やっぱ、こいつはスパイダーニャンであることは間違いない。