C/SのWin XPアプリを仮想化で延命

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チェーンソーなど開発するスチール(栃木県河内郡)は、グローバル基幹業務システムでのクライアントのアプリケーション移行プロジェクトでWindows XPベースの基幹業務アプリケーションを仮想化して延命、Windows 7対応改修に比べコストを10分の1以下に抑えたという。ネットワールドが7月13日に発表した。

スチールは、チェーンソーや刈払機をはじめとするエンジンや電動モーターを開発するSTIHLグループの日本法人。同社グループは林業や農業、造園、建設現場から家庭用までのパワーツールの開発、製造、販売を手掛け、現在では160カ国以上で販売し、1971年から販売台数世界ナンバーワンのチェンソーブランドの地位を確立している。スチールはグループの日本法人として1990年8月に設立された。

STIHLは、グローバルな基幹業務システムとして統合基幹業務システム(ERP)をクライアント/サーバ(C/S)形式で構築しているが、このシステムのクライアント側アプリケーションはWindows XPベースであり、サポート終了に伴い移行が必要となっていた。

既存のプログラムはWindows 7などでは動作せず、数年後に新しいグローバル基幹システムの導入を予定していたため、既存システムの改修に多額のコストを投じることは得策ではなく、クライアント側のプログラムをWindows 7ベースで新たに開発し直すことはできなかったとしている。

当面の回避策としてWindows Server 2003のターミナルサーバ機能でアプリケーションの利用を継続していたが、Windows Server 2003もサポート期間終了が間近であることから、早急な解決策が求められていた。

スチールは、この対策としてアプリケーション仮想化ソフトウェア「VMware ThinApp」に着目。ThinAppは、アプリケーションやレジストリ情報、システムファイルなどを1つのexeファイルにカプセル化し、アプリケーションとハードウェアやOSとの依存関係を完全に分離できるとし、アプリケーション延命を図ることができる。

ThinAppの評価版を使用したところ、カプセル化の手順自体は複雑ではないものの、アプリケーションを正常動作させるには、どのコンポーネントをパッケージに含めるかなどのノウハウが必要であり、また、カプセル後の段階でファイル容量が約3Gバイトもの大規模プログラムが対象で、自社内での作業では困難だと判明した。

そこで、ネットワールドが提供するアプリケーション仮想化支援サービスを利用することにしたという。アプリケーション仮想化支援サービスは、アプリケーション構成、内容などを確認し事前検証するアセスメントサービスとアプリケーションパッケージングサービスから構成される。

ネットワールドでは、着手から1日で正常に動作するパッケージを完成させ、従来と変わらない環境を利用できるようになると説明。ThinAppでカプセル化されたクライアントアプリケーションは2014年10月から本番業務に適用されている。


構成図(ネットワールド提供)

ThinAppによるアプリケーション延命は、プログラムをWindows 7対応に全面的に書き換える場合と比較するとコストは10分の1以下という。システムが抱える課題を解決できるか否かを的確かつ迅速に判断するアセスメントサービスが評価された。

スチールでは、基幹業務クライアントアプリケーションのほかにも、OSの互換問題を抱えたフリーウェアのアプリケーションを活用しており、今後同様にThinAppでのカプセル化を検討していると説明。将来的に新グローバル基幹システムが稼働した後も、アプリケーション管理運用面でのメリットから、引き続きThinAppの活用を図っていくとしている。

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