「いいところだな・・・ここ。」

タクシーを待つあいだにヒョンがグランデ運河をみてもう一度つぶやいた。

「ヒョン・・・。あの・・・。」

「ん?」

「いや・・・あの・・・。」

「なんだよ、チャンミン?」

「その・・・あの・・・絶対来ましょうね、骨董市!」

「あ・・・ああ!」

「約束ですよ。」

「うん。」

「いつも・・傍にいてくれてありがとうございます・・・ヒョン。」

「え?」

僕の突然の感謝の言葉に驚くヒョン。

「ヒョンは僕の大切な人です。これからも・・・一緒にいたい人です。」

「・・・。」

「これからも・・・よろしくお願いします。」

思わず恥ずかしくて・・・下を向いてしまった。

くしゃっと・・・髪の毛がつかまれて・・・優しく掌で頭を撫でられた。

「俺にとっても・・・同じだ、チャンミン。お前は誰よりも大事だよ。」

ユノヒョンが笑っていた。

「また・・・ここにこような、二人で。」

「はい・・・。」

やっと言えた。自分の気持ち。

ヒョンに伝えられた自分の気持ち。

僕の道はこれからも続く。ヒョンの道だって続いていく。

僕にはユノヒョンがいて、ユノヒョンには僕がいる。

兵役だってあるし、どこまで同じ道を歩めるかわからない・・・けれど、僕はヒョンを思いながらヒョンを目標に進んでいくよ。僕の心はヒョンとともに進んでいくんだ。

そして、いつか僕達の道がまた重なりあうときが来る。

その時は、またここに来たい。

そんな事と歳を二人で重ねて・・・いつか、あのおじいさんたちの様になれたらいいね。

ユノヒョン・・・僕はいつも、あなたの隣にいますから・・・。


Fin


<あとがき>

ユノみん企画第71回お題:Ti amo『ナヴィリの骨董市』これにて完結です!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

このお話は、写真集「Ti amo」の二人のコメントからインスパイアされ、作ったものです。

最初に、記述しました通り、ドキドキすることも、胸キュンの場面もありませんが・・・・自然体の2人に近い内容になっていると思います。

つまらなかったな・・・と思われた方・・・申し訳ありません。

けれど・・・私はこんな二人を・・・これからも綴っていきたいと思います。

本当に、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

感謝の心で一杯です。

白おおかみ


【ゆのみん企画第71回お題:Ti amo①】
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