二人の手には何か握られていて・・・お互い何度も見せ合っている。

なんだろう?

あ・・・懐中時計だ!

あの二人、互いの懐中時計について話してるんだ。

時には自慢げに・・時には相手の時計を覗き込んで、大げさに腕を広げたり、指差して笑ってみたり・・・すごく楽しそうだ。

あの懐中時計、骨董品なのかな・・・?

「なあ・・・チャンミン・・・。」

「はい?」

「俺達も・・・いつかあんな風になれたらいいな・・・。」

「ヒョン?」

肘をついて・・・目を細めて二人を見ている。

「まだずっと先のお話ですよ!あの年になるまでは・・・。」

「うん・・・わかってるさ。でも・・・・。」

ユノヒョンがやっと僕の方を向いてくれた。

「あの年になるまで・・・・お前と一緒にやっていきたい。」

アーモンド形のやさしい瞳が、キラキラと輝いていた。

そんな目でほほ笑まれると・・・ドキドキしちゃうよ、ヒョン。

「長いですねー先は!!」照れ隠しにふざけて言う。

「そうだな・・・。」ヒョンもふっと笑った。

「仕方ないですね!じいさんになっても付き合ってあげますよ!!」

「本当か?」

「本当ですよ!!」

「じゃあ、またここに2人で来ようか?そうだな・・・骨董市見に。で、二人で買った物、あの二人みたいに自慢しあおう!」

「いいですよ!ヒョン、骨董なんか見る目あるんですか?」

「あーいったな、チャンミン。俺だっていいものは分かるさ!!」

「日本のファンイベで、いつも高いもの当てられないじゃないですか。」

「あー、あれはだな、その・・・!?」

「絶対僕の方がいいもの見つけますね!」

「いや!俺だって今から勉強して、いいものをみつける目を養うからな!!」

「ほううううう?楽しみにしてますよ、ヒョン!!」

「必ず、掘り出し物を見つけてやるからな!!」

そんな子供の喧嘩みたいなことを言っていて・・・「ぶっ・・・。」ってヒョンが噴出した。

「チャンミン、お前って最高。」

「あ・・・。」

そんなこと言われると照れてしまう・・・・。

ヒョンはどうしてそんなにさらっと自分の気持ちが言葉に出来るの?

僕は・・・いつも憎まれ口ばっかり言ってしまう。

そんな僕を・・・僕はあんまり好きじゃない。

「チャンミン、お前といれてよかった。ありがとうな・・・。」

「は・・・はい。」

今だ、「僕もです!僕もヒョンといれて幸せです。」って言うんだ、チャンミン!!

自分自身に言い聞かすが・・・言葉がでない。

何やってるんだよ!シム・チャンミン!!心の中でもう一人の自分が僕を叱る。

 ドルチェをいただいて、その後コーヒーを飲んでいると、マネージャーが迎えに来てくれた。

「ユノ、チャンミン、ゆっくりできたか?帰るぞ!」

「チェックは?」

「俺がしたよ。」

「ありがとうございます。」同時に2人応えてテーブルから立ち上がった。


次回更新は、あすの18:00です。


【ゆのみん企画第71回お題:Ti amo①】
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