【ゆのみん企画・Ti amo】
『ナヴィリの骨董市』1
運河沿いにお店がずらっと並んでいる。
行きかう人々、カフェで飲み物を飲む人々。
古いけれど、愛いらしい建物・・・運河にかかる小橋・・・それを取っても素敵な風景。
「知り合いから聞いたんですけどね、ヒョン。」
僕はビールを片手にユノヒョンに話かけた。
「なに?チャンミン?」
「このね、ナヴィリ地区のグランデ運河沿いにね、すっごく大きな骨董市が毎月あるんですって。」
「へえ、そうなの?いつ?」エスプレッソを口に運びながらヒョンが僕に聞いてきた。
ヨーロッパでコーヒーといえば、エスプレッソが普通。
ヒョンには・・・少し濃すぎるかも・・・。
「毎月最終の日曜日です。」
「あ・・・じゃあ、今回のこの撮影のスケジュールじゃ・・・ダメなんだね。」
「はい、残念ですけど。」
少しずつ暮れていく。運河沿いに光がともり・・・美しい。
「この運河沿いにね、たっくさんのお店が並ぶんです。絵や家具や、ランプにシャンデリア、コペンハーゲンやウエッジウッドの西洋の陶器や東洋の陶器、銀食器なんかもですよ。」
「へえ・・・見てみたいな・・・。」
「でしょう!僕の知り合いのかたは、ここでシャンデリアを買ったんですけど、すごい素敵なものなんですよ。まあ・・・お値段もよかったですけどね。」
「そうなんだ。」
「はい。おうちもすてきなんですよ。イタリアのトスカーナ地方をイメージしたおうちに住んでらっしゃって・・・・。」
「ソウルで?」
「いえ、違います。かなり田舎にお住まいです。素敵なお庭も作られてます。」
「だろうな・・・ソウルじゃ無理だよね。いいな・・・俺もいつかは自分の家・・・建てたいな。」
「海の見える・・・でしょ?」
「そうそう。」ニコニコしながら答えるヒョン。
「僕を一番に招待してくれるんでしょ?ヒョン??」
「え?そんなこと、俺、チャンミンに言ったっけ??」
「えー日本の番組でいってましたよ!!」
「そうだっけ?忘れちゃった、あーはーはー。」
相変わらず、でかい声で笑ってる。
暑いだろうな・・・そう思ってきた、ヨーロッパでの写真集の撮影。
けれど・・・韓国や日本より乾燥しているから・・・ずっと涼しく感じる。
こうやって日が沈むと・・・とっても過ごしやすい。
野外にカフェを出す文化ができるのも当然だ。
僕とヒョンは自然体でうろうろするのをカメラマンさんが取ってくれる。
日数も少ない撮影旅行だけど・・・日常から離れて、こうやって違う環境に身を置くのは楽しい。ヒョンもそれは同じみたいで・・・アイスクリームを食べたり、ショウウインドウ覗いたり、本当に嬉しそうに行動していた。
「ユノさん、チャンミンさん、お食事の用意ができました。リストランテに場所移動します。」
「はーい。」ビールを飲み終わっていた僕は立ちあがった。
ヒョンの方を見ると・・・・カップに残ったエスプレッソ。
あんなにお砂糖入れてたけど・・・やっぱり苦かったんだね。ふふ。
同じ運河沿いにあるリストランテに移動。
少し撮影して・・・ここで夕飯を食べることに。
「ユノ、チャンミン、今日の撮影は終わり。自由に食べていいよ。ワインもオッケー。僕達もこの周りで食事とってるから、終わったら迎えに来るよ。」
「え?みんなで食べないの??」
「ああ、明日の打ち合わせがあるんだ。二人は疲れてるだろうから、ゆっくりして。飯ぐらいゆっくり食べたいだろ?」
「えーでも、なに頼んでいいかわかんないよ。メニューイタリア語だし。」
ユンヒョンが少し寂しいかおをした。
ヒョン・・・僕がいるのに・・・寂しいの?
「ユノ、よく見ろ・・・メニューの下・・ほら!」
「あ・・・英語の表記がある!!」
「大丈夫だろ?じゃあ後でくるからな!」
「はーい。」
「はい。」
僕達は同時に返事をした。
次回更新は、あすの18:00です。
【ゆのみん企画第71回お題:Ti amo①】
みんなで同じテーマで記事を書いています。
参加者のすてきなブログはこちらから→http://yunomin.seesaa.net/article/401673710.html
<つぶやき>
いつかね・・・ちゃんと表記しないといけないって思ってましたので、ここで示しておきますね。
私のお話は・・・普通の男の子達、ユノとチャンミンです。
私は、二人が大好きだし、二人にまつわるお話も大好きです!!
BLも大好き!!大好きなんですううう!!
でも・・・私は、BLが書けません。
だから、きわどい場面も少ないし、あまり胸キュンのシーンもないと思います。
読み終わった後に、なーんだつまんないって思う方もいると思います。
そう思った方・・・ごめんなさい。(T_T)
白おおかみ