誰もが愛する人のことを強く想い、しかしその想いが簡単に踏みにじられてしまった、忘れてはいけない時代を、「シュリ 」のカン・ジェギュ監督が、壮大にかつ決して中心を動かす事なく描いた秀作です。
「映画だから・・・」と言ってしまえば、それでおしまいですが、単純に今私たちが幸せならば、それは過去の積み重ねによっているのだなーと再確認したくなります。事実、この時間にもどこかで人と人が争っているのでしょうから。
話がそれましたが、ホントいい映画ですよ(笑)。内容的にはそんなに変わった展開はないですが、見せ方もよく練られていますし、脚本もしっかりしていますね。もちろん戦争映画なので、気持ちいいシーンばかりではないですが、それが主ではない描き方がされています。
申し上げるまでも無く(笑)、役者は豪華で素晴らしいですよ。チャン・ドンゴンが愛するもののために、必死に現実と戦い抜く迫真の演技を終始見せてくれますし、ウォンビンは兄を理解しつつも、自分の良心との狭間で苦悩する幼い面と、そこから成長する過程を豊かに演じています。そして優しく愛する人を想いながら、時代を強く生き抜こうとする女性を、イ・ウンジュが表現しています(ただ、このブログでも、後どれだけ「イ・ウンジュ」の名が書けるかな・・・と思ったりしますね。)
僅かですが、チェ・ミンシクも出演してますし、現代時の老人役のチャン・ミノ(すいません、よく知りません)という役者が、過去の描写を壊さない、いい芝居をしています。
膨大なエキストラをつかった大迫力の爆撃・銃撃の場面ですら、どこかかすんで見えるのは、その時代の中でしか生き抜くことを許されなかった人々の、いつの時代も変わらない「人を愛する」という気持ちを、豪華な俳優陣と丁寧な脚本で描いた作品だからでしょうか。ハイ、正直泣きましたね(照)。見てない方は是非どうぞ。
- タイトル: ブラザーフッド プレミアム・エディション 評価:★★★★☆