チーズとワインとイタリアと -4ページ目

モッツァレッラ ディ ブファラ の旅 ⑤ Mozzarella di Bufala

モッツァレッラ ディ ブファラ の旅 ⑤ Mozzarella di Bufala




南イタリアの太陽の下、美しく輝くモッツァレッラ。


これが、本当に、

たった今、できたばっかりのモッツァレッラ ディ ブーファラ。


mozzarella1




今まで見学してきた水牛ちゃんたちのお乳が、こうなるのです!





しかし、その姿は・・・、

ツルンとした丸い形ではありません。



丸みはあるけれど・・・、

どれもこれも引きちぎられたような後がみえます。



この「引きちぎられた」あとがあるのが「手作りモッツァレッラ ディ ブーファラ」のポイント!

「モッツァレッラ」の語源はモッツァーレmozzare 「引きちぎる、切断する」から来ているのです!






では、引きちぎり方。


堆積


まず、

毎日、朝4時と昼15時に搾乳された水牛のミルクが運ばれてきたら・・・、

乳酸菌と酵素で固め、ある程度の水分と取り除き、4時間ほど放置します。




練る


そして、熱湯を加え、棒とお椀で練り上げます。

こうすることで、生地が弾力を帯びてきます。

ある程度の大きさにしたものを、隣の塩水の入った水槽へ送り・・・、



作る3


お兄さんたちが二人組で、

なにやら、もにょもにょもにょと・・・・、



作る2



っっっと、

「引きちぎった」瞬間!!!






それから・・・、

作る7


作る5



treccia

「ほらっ、三つ編みだってありだよっ!」







こんな風に

彼らがリズミカルにいっちょいっちょ作っている裏では・・・、


店内2


できたてのモッツァレッラを今日の昼食にするために・・・、


店内


「モッツァレラ 10個に、リコッタ2個。

 う~ん、バターもひとつ足してくれっ!」


なんてお客さんがぞくぞくと集まってきています。




店頭には、

古代ギリシャの神殿を控える町らしく、

ギリシャ神話が描かれた古代風の壷がみんなを出迎え。

つぼグレコ









「ねぇ、ねぇ、わたちたちのお話どうだった???

 面白かった?  」


1歳中

なんて声が聞こえてきそうな、水牛ちゃんたち。




私たちも興味津々だったけど、

彼女たちもかなりこちらに、いつも見ない東洋人のグループに興味津々。



いつでも、

近くからでも遠くからでもこちらを伺っているようだし、

写真を撮ろうとすると、なぜかカメラ目線・・・。笑




なんだかとっても親しみのもてる動物だなぁ~なんて思っていると、




「水牛は、厳ついその姿かたちとは反対に、穏やかでやさしい性格なんですよ。

そして、とっても頭が良いんです。ちゃ~んと私たち働いている者を区別するんですよ。」





ふ~ん。

そういえば、何かで読んだことを思い出しました。



・・・昔の水牛の乳搾り風景。

水牛たちはちゃんと各自名前がついていて、いつも自分の名前で呼ばれます。

乳絞りをする時間、人が名前を呼ぶと呼ばれた水牛がちゃんと搾乳をするポイントまでやってくるのだとか。






それから数日後、

日本に帰って、ヴァンヌーロでいただいた紙袋を眺めていたら・・・、

両面の水牛の写真の下に、



「CARCIOFO

  4ANNI  」


「DIVANO

  5ANNI  」


とあります。




あ~っ!!

ヴァンヌーロでもちゃ~んとみんな名前がついていたんだ~!

失礼しました!!!


次回、水牛に会うときは、ちゃんと自己紹介して名前を聞かないと・・・。




divano

                      アザミ 4歳


Calciofo

                       ソファー 5歳







終わり。
                 



モッツァレッラ ディ ブファラ の旅 ④ Mozzarella di Bufala

モッツァレッラ ディ ブファラ の旅 ④ Mozzarella di Bufala





もう少し、ここヴァンヌーロの水牛について。




ヨーグルト


水牛のミルクの一日の搾乳量は普通12ℓ程ですが、ここでは毎日約7ℓほどとのこと。
これは1日50㎏もの飼料(とうもろこし)を食べるにしては少ないそうです。



牛だったら約20ℓ、乳牛用に改良されている牛なんかだとそれ以上・・・。


搾乳機関は4歳から約10年。15、16歳が最高年齢なのだそう。



水牛のミルクの脂肪分は約10%ほど。牛のミルクの脂肪分が4%弱なのでかなり高脂肪・・・。
ですから飲料用には向きません。



ここでは1週間に一度ヨーグルトとプリンを作っているということだったので、食べてみました。
ブルーベリー風味とコーヒープリン風味、濃厚でとっても美味しかった!
ヨーグルトというよりはフレッシュチーズに近い・・・。


入れ物の瓶もかわいいので持ち帰ることにし、中を洗うと・・・、さすが10%の脂肪分!
水で洗うとべったりと油の膜が・・・、
普通の牛乳製のヨーグルトの容器を洗ってもこんなに脂肪を感じることはできません。




「ダイエットには絶対向きません!!」って説明に全員納得!!!笑








さて、次は、水牛のシャワー室。


シャワー


シャワー室があることは知っていたものの・・・、


マッサージ


マッサージ器付とは・・・。

よ~く見てください。
水牛ちゃんたちは順番を守っているようです!





目を左に移すと、

数人の男性が柵に入れられた水牛ちゃんたちの中に・・・。


獣医


これは獣医さんが健康チェックしているのだそうです。
この健康チェックも毎日の日課。



その後ろに見える小山は・・・、
これは水牛たちの落し物(糞)。


これを堆肥にして畑の土に混ぜるのだそうです。

そして飼料となるとうもろこしを栽培しているとの説明でした。







まだまだつづく・・・







モッツァレッラ ディ ブファラ の旅 ③ Mozzarella di Bufala

モッツァレッラ ディ ブファラ の旅 ③ Mozzarella di Bufala





1歳の群れ、


1歳以上

もうちょっとかわいく撮ってくれな~いっっ!




2歳の群れ、


2歳です

角がね、だんだんと反ってきて水牛らしくなってきたでしょうっ!!





3歳の群れ、


食事中

や~ねぇ、食事中よぉ~!!!





3歳になると水牛たちは雄の水牛と一緒になります。
そうして、自然に交尾を促します。
この3歳の雌の群れに15頭から20頭に1頭の割合で雄の水牛を離します。





そうして、妊娠した水牛は・・・、


なに見てンの~

入浴中


プール付の広~い特別室に通されま~す。
これは心身ともにリラックスさせて、落ち着いたマタニティライフを過ごすためです!!





ところで、水牛は・・・、

「牛」と言う漢字に「水」がくっついています。

水牛が水辺に生息する動物だと言うことがわかりますが・・・、



今回、興味深い話を伺いました。





なぜ、水牛が水辺を必要とするのか???

それは・・・、






水牛は牛と違い汗を外に出す器官がないとのこと。

そのため、気温が高いときには、水の中に入り、体温を下げて通常の体温に保つそうです。




水から上がったら、今度は、寝っ転がって体に泥をつけます。



これは、
虫除けの効果があるんだとか・・・。






ふ~む?!



いまや、

ここカンパーニャ州で作られる水牛のモッツァレッラは遥か遠くの国、日本でも十分美味しいものが食べられる。

それでも、

イタリアで食べるモッツァレッラがと~っても美味しいことも知っている。


しかし・・・、

そのミルクを提供してくれる水牛のことについては本当に知らなかったなぁ~。


はるばると、

いつもはモッツァレッラ ディ ブーファラが日本に向かってやってくる道のりを、

今回は私たちがモッツァレッラ ディ ブーファラとブーファラbufala(水牛のこと)に出会いにやってきた。飛行機


う~んっ!!

はるばる来てみてよかった~!!!






つづく・・・





モッツァレッラ ディ ブファラ の旅 ② Mozzarella di Bufala

モッツァレッラ ディ ブファラ の旅 ② Mozzarella di Bufala





「な~んかようかしら~」って感じで迎えてくれた水牛ちゃんたち。


なに見てンの~






私たちの訪れたモッツァレッラチーズ製造所は、
カゼイフィーチョ ヴァンヌーロ Tenuta Vannulo。

http://www.vannulo.it/it/produzione.html




カゼイフィーチョ ヴァンヌーロは、
アントニオ パルミエリさん Antonio Palmieri という方が1988年から始めた新しい会社ですが、
もとは、おじいさんが90haで始めた農地を基盤にしているそうです。



ヴァンヌーロの名前は、おじいさんの農地がそう呼ばれていたことから付けられました。




長い間、

水牛の生態に合う環境を大事にしながら水牛を飼育する技術を研究してきたヴァンヌーロは、
その結果、ここで作られる製品に対して、イタリアのバイオ農業団体からの認定を受けています。






現在の敷地は170ha。
ここに、600頭の水牛たちを飼っています。





600頭といっても、
300頭は子供だったり、妊娠中だったりとミルクを出さない水牛たち。
残りの300頭がモッツァレラをはじめとする乳製品を作るためのミルクを提供してくれる水牛たちです。




ここ、ヴァンヌーロでは全てをこの敷地の中で行います。
水牛を飼育し、交尾・妊娠・出産、ミルクを絞り、チーズを作る。



ミルクのほとんどは、様々な形と大きさのモッツァレッラに。

または、リコッタ、バター、ヨーグルトに。




製造するのは、
毎朝、敷地内で絞った新鮮なミルクからのみ。
ですから、一日に作る量には限りがあります!







さあ、敷地を見学してみましょう!



まずはこれ。


ハエ取り


ん?! 何でしょう・・・???



このつぼの中の緑の液体は、オスのハエを誘き寄せるためのもの。
メスの匂いを発する物質なのだそう。



ハエをいかに最小限に抑えるか、それも薬を撒くのではなく・・・。
これが全てをここで行うにあたっての一番の課題だと説明を受けました。






さあ、50メートルほどの道を歩いていざ水牛の地へ。

ヴァンヌーロでは年齢によって群れを作っています。







始めに見えたのは、生まれて3ヶ月ほどの仔水牛ちゃんたち。

1頭づつ個室かな?

3歳で~しゅ


毎日、ミルクの時間には自分の母水牛からミルクをもらうそうです。






それから4ヶ月から9ヶ月ほどのおチビちゃんたち。


1歳中


彼らのえさは半分ミルクで半分は飼料(このときは干草を食べていました)。
なんと、ある程度乳離れしているので、もう母親のミルクでなくてもいいらしい・・・。
牛のミルクを飲ませていました!




「なぜ牛のミルクを飲ませるんですか~???」の問いに、




「だって、水牛のミルクがないとモッツァレッラを作れないじゃないですか~!」との答え。




はははっ、笑!納得。









それから1歳の群れ、2歳の群れ、3歳の群れ・・・と続きます。








つづく



モッツァレッラ ディ ブファラ の旅  Mozzarella di Bufala

モッツァレッラ ディ ブファラ の旅  Mozzarella di Bufala

25.Settembre.2006



私は誰でしょう???


bufala2



ふふふっ。



bufala


私は・・・、



牛は牛でも・・・、

モッツァレッラ ディ ブファラを作り出すお乳を提供する、水牛で~すっ!!




そしてこれが、

私のミルクでできた、

出来立てのほっかほか(って、決して温かくはないのですが・・・)のモッツァレッラで~す。


mozzallera





今年の秋のイタリア旅行は、



「モッツァレッラ ディ ブファラ」の里、

カンパーニャ州Canpania サレルノ市Salernoに行ってまいりました。





まずは、ローマ~サレルノ間、電車で2時間30分の旅。

着いたサレルノ駅前。


salerno


それから、

私たち総勢10名は専用バスに乗り込み一路、

パエストゥムPaestum(イタリア人はペストゥムと発音)へ。







途中、まだまだ海水浴中の南イタリアの海岸を眺め・・・。


cilento


左に見えるは、チレント半島Cilento。




solento


右に見えるは、ソレント半島Sorrento。





そしてペストゥムへ。


paestum


ここはギリシャ時代の神殿が残る場所。







そのペストゥムから程近い、カゼイフィーチョCaseificio(チーズ製造所)、

ヴァンヌーロ Tenuta Vannulo を訪問しました。


caseificio



なに見てンの~


「な~んかようかしら~」って感じで迎えてくれた水牛ちゃんたち。









つづく。





アルバのトリュフ祭り 10月  Fiera Nazionale del Tartufo ALB

アルバのトリュフ祭り 10月  Fiera Nazionale del Tartufo ALBA -Ottoble



フェスタ

実りの秋がやってきました!!



ヨーロッパの田舎町では、
毎日どこかで収穫祭が行われています。


野菜・果物・ワイン・・・。





その中で日本人の目を楽しませてくれるのが、きのこ類。



ヨーロッパで見るきのこはとても種類が多く色や形が様々です。


特に、9月に入るとずんぐりとした「ポルチーニ」が店先を飾り、


ポルチーニ (9月のコルシカ島にて)


10月にはヨーロッパ三大珍味のひとつ「トリュフ」が出てきます。




今回はイタリアの「白トリュフ」のお話です。





トリュフには黒と白があり、



フランスでは「黒いダイアモンド」といわれる「黒トリュフ」が、



イタリアではアルバの町の「白トリュフ」が珍重されています。






北イタリア、ピエモンテ州は食の宝庫。



州都トリノでは食品やワインの見本市があり、
スローフード協会の本部があるブラの町でも、2年に1度チーズ祭りが行われ、世界のチーズが集まります。




今回の主役「白トリュフ」もまた、世界的に有名な町がここピエモンテにあります。



その町はワインの王様と呼ばれるバローロやバルバレスコを作り出す地域の中心の町、アルバ。




そして、毎年10月、11月には「白トリュフ」を目当てに世界中のグルメがやってきます。
特に10月は、毎週末トリュフ祭りが行われ、今年は76回目。




「トリュフ」というのは、


樫の木などの根元に自生する食用きのこで、地中に埋もれています。


でき方


採取するのは夜明け前。
アルバのトリュフ採取人は、その場所を他人に知られないように暗いうちから山に入ります。
嗅覚の鋭い相棒(犬)を連れて・・・。






今日は、10月27日日曜日!


10月の一ヶ月間は、アルバの町はお祭りムード一色。

チーズ・焼き栗・オリーブ・乾燥きのこ・ソーセージ・・・、様々な屋台が旅行者のおなかを満たします。




広場では旗振り隊が楽隊に合わせて行進しています。


旗振り隊




そして、
町のメイン通り、ヴィットーリオエマヌエーレ通りのトリュフ祭りのメイン会場。



さあ、人の流れとともに入ってみましょう。




会場は一年に一度の味覚を心待ちにしたグルメ達でいっぱい。



入り口をくぐると


「むふーっっ」


と、白トリュフと黒トリュフとが混ざったような香ばしい香りが、鼻から体中に一気に入ってきます。



人だかりの向こうには、恭しく並べられた大小様々な白と黒のトリュフ。


業者

トリュフを前に客と言葉を交わしている30件以上の販売者の姿が見えますが、
その顔つきの真剣なことといったら・・・、


冷やかしではちょっと近寄りがたいようです。





あちこちで、



グルメを魅了してやまない、
そしてこの時期しか食べることのできない、


白いトリュフを・・・、



今年は誰とどんな風にして食べようかとアイディアを膨らませながら、
自分なりの目利きと許す限りの財布の中身との接点を見つけながら、




おじさんの突き出す白トリュフに鼻を近づけている人、ヒト、ひと。


いくら?





人の波の中に、勇気を出して入ってみると・・・、



「手にとって嗅いでみな。どうだ?」



と、おじさんの声。




嗅いで見ると、


芳しい香りが鼻の中をくすぐります。



黒トリュフの、森の中のような土くさい香りとは違い、これが高級な香り・・・?!



くんくんくんと香りに酔っていると、




「これ量って見ようか?」


と、おじさん。



持っているトリュフはくるみ大。



「いくら?」


と、お金はないけど聞いてみます。



「35ユーロだな。どうだい。ものはいいぞ!」





日本円で4500円くらいでしょうか。※





トリュフの相場は毎日変わります。

形や大きさ香りによっても価格は変わります。



今日の相場は100g180ユーロ(日本円で約23000円)。※





大きくて形が良いともっと高い値段がつけられます。
そして、白トリュフは黒トリュフの3倍以上。


巨大 (巨大トリュフ、507g!)







現地では白トリュフを、



薄くスライスしてタヤリン(この地方特有のパスタ。リングィーネのように細い)に、
リゾットの上に、
目玉焼きやスクランブルエッグの上で蒸らしたり、


といった食べ方が一般的です。


トリュフと目玉焼き




レストランでは、

白トリュフを丸ごとテーブルまで持ってきて、目の前で専用スライサーでスライスしてくれます。



が、気を付けなければならないのが



「ストッ~プっっ!」



と、いうタイミング。



香りに酔って忘れているとパスタがとんでもない価格に・・・!笑






また、この地方には



「フォンドゥータ」



というイタリア版フォンデュなるものがあり、
卵黄とフォンティーナチーズを溶かした上にスライスした白トリュフを散らして食べます。



fonnduta




でも、白トリュフを買うのは11月からが良いそうです。



なぜなら、10月は観光客相手に値段が高く、
味も11月に入ってからのほうがだんぜんおいしいとのこと。





残念だけど??、


今日は香りだけに酔いしれてトリュフ祭りを後にしましょう。







※この情報は2002年10月の訪問時のもの、1ユーロ=約130円で計算しています。




チーズ教室(チーズで巡る巡礼の旅) 5.Settembre 2006

チーズ教室(チーズで巡る巡礼の旅) 5.Settembre 2006


巡礼の旅



9月のチーズ教室は、



「チーズで巡る巡礼の旅」と題し、かなり無理と短絡的な考えでテーマを決めました。






かなりの自己満足に(って満足しているわけではないのですが・・・)、


みなさん楽しめたのか???未だに疑問です。笑!





今回のテーマは、


スペインの北西に位置するガリシア地方で作られる「サンシモン」という名のチーズを食べようと思い立ち、なにかそれに行き着く理由を考えていた事から始まりました。




「サンシモン」チーズが作られるガリシア地方には


キリスト教3大巡礼地のひとつ「サンティアゴ・ディ・コンポステーラ」という町があります。




これを端にいろいろと頭をひねり、巡礼地付近で作られるチーズを食べてみようと言うことに・・・。


まっ、無理と短絡的なところを踏まえてちょっと行ってみようと思います!!










まずは、ルート説明。





・・・

その前に、



キリスト教3大巡礼地とは、


エルサレム、

ローマ、

サンティアゴ・ディ・コンポステーラの3つです。





そのうちエルサレムのチーズはご勘弁を。




ではルート。



地図

イタリアで立ち寄ったのは、



ローマ → キリスト教3大巡礼地のひとつ。


ミラノ → 3大巡礼地ではありませんが、今年、映画「ダヴィンチコード」が話題になっていたのでつい立ち寄る事に・・・。






フランスでは、



ヴェズレー → ブルゴーニュ地方にある町。サンティアゴ・ディコンポステーラへと向かう出発点となる町のひとつ。


バスク地方 → フランスからの巡礼者は必ず越えなければならないピレネー山脈。サンティアゴ・ディ・コンポステーラへの道はバスクを過ぎてからひとつの道となります。






そしてスペイン、



カスティーリャ・イ・レオン → サンティアゴ・ディ・コンポステーラの町があるガリシア地方に入る手前の州!


ガリシア地方 → キリスト教3大巡礼地のひとつ、サンティアゴ・ディ・コンポステーラがある。







こうして・・・、



私たちは牛やら山羊やら羊やらのミルクでできたチーズと、


それにこじつけたワインを飲みながら


イタリアのローマからスペインの北西の端まで旅することになりました。笑笑笑!






ローマ代表 Roma

ガエタ産オリーブ


ガエータ産のオリーブ Olivi Gaeta 



ローマからの代表はチーズではなく、オリーブの塩水漬け。

実はこのオリーブの塩水漬けは、私が日本で漬けました!



今年3月、ローマ近郊のガエータという町の市(メルカートMercato)をブラブラしていた時に見つけたのが「ガエータ産の生のオリーブ」。


どういう風に漬けるといいのか店のお兄さん教わって、日本に持ち帰り漬けました。


5ヶ月経ってなかなか良い味に・・・。


皆さんにもなかなか好評でちょっぴり嬉しかったです!







ミラノ代表 Milano


ルジャーダ


ルジャーダ RUGIADA



ミラノのあるロンバルディア地方で作られる、フレッシュタイプのチーズです。


今日は、牛乳100%と山羊乳100%に両方を食べ比べ。



ところが良く見ると、牛乳製のほうはルジャータで間違いないのですが、山羊乳製の方はフィオールディカプラという名前がついています。意味は「山羊のミルクの花」といったところ。


ちなみにルジャーダは「露」という意味です。



水分を抜いたフロマージュブランのような味わいと舌触りが爽やか。


山羊乳製は苦手な方もいましたが、蜂蜜やフルーツのコンポートを添えるととても食べやすく変身しました。





marmellta e miele


※フランス産菩提樹の蜂蜜


※グリオット種のチェリー45%とリンゴ40%の配合にキルシュで風味をつけた、ボルドー近くで作られるフルーツコンポート。





そして・・・、



イタリア代表のワインは、


rannburusuko

赤の発泡酒、ランブルスコ。


Pra di Bosso Reggiano Lambrusco DOC 2005 Casali

(伊、エミリア・ロマーニャ州)




実は・・・。

ロンバルディア州の赤の発泡酒、フランチャコルタを見つけるつもりが、勘違いをしてエミリア・ロマ

ーニャ州になってしましました。笑



しかし、このプラ・ディ・ボッソというランブルスコは、

私のイタリア生活の思い出のワインのひとつ。





ブログでも書きましたが、


エミリアロマーニャ州のフェラーラの町では


クリスマス時期にパンペパートという菓子パン を食べます。




右手にパンペパートを持って遊びに来たエミリア・ロマーニャ出身のおじさんが、


左の手に持っていたボトルがこのワイン。




こんな赤ワインもあるんだなぁ・・と、


ランブルスコワインの味わいと美しい赤紫色が印象的だったのです。



そして、この間のこと。


私がよく活用させて頂いている


ワインショップ、カフェジーノCAFÉ GINO で再び出会う事ができたのです!




なんという偶然!!





このランブルスコは、

ドライ(辛口)なので食前酒として、サラミ類などのアンティパストにオススメです。













次に続く。

チーズ教室(チーズで巡る巡礼の旅)③  5.Settembre 2006

チーズ教室(チーズで巡る巡礼の旅)③ 5.Settembre 2006



さあ、

それでは巡礼の最終目的、カテドラルに着いたところで、

最後のチーズでブレイクタイムです。




San simon 2


サン・シモン・ダ・コスタ  San Simon DOP


牛乳製、スモーク / 最低2ヶ月熟成

スペイン、ガリシア地方


 

どうですか?この形!!

なんだかいい感じでしょう~。

ひとつ丸ごとなんてなかなか購入できないのですが、ここは奮発!





一応、「形容詞としては・・・、



洋ナシのような、

筍のような、

大砲のような、

ドロップのような、




なんていわれています。


もうひとつ、「とんがったおっぱい」なんてのもありますが、

皆さんにとってはどのように見えるのでしょう?




味わいは、なんと、

キャラメルのような、コーヒー牛乳のような、

と言われるように、甘く香ばしい感じ。



と言うのが初めて食べたときの感想。大好きなチーズのひとつなのですが・・・、

最近なかなかこれこれ!というものに出会いません。




デザートとしてコーヒーと一緒に味わうつもりだったのですが、残念ながら思うような味ではありませんでした。涙



まぁ、こういうことが起こるのが、

いつも同じ味とは限らないとことろが、

手作りチーズの醍醐味というもの。次回に期待!!




で、中身はというと・・・、


San smon1

このチーズは、「オレオ」というガリシア地方特有の高床式貯蔵庫の中で熟成、スモークされるそうです。







ところで・・・、

サンティアゴ・ディ・コンポステーラという町が、

なぜ、キリスト教3大巡礼地のひとつであるのか・・・。



サンティアゴとは、

キリストの12使徒のひとり、聖ヤコブのことです。




彼は、

キリストが十字架に架けられた後、このスペインでガリシア地方で布教活動を行います。

7年後、エルサレムに戻った彼は、そこで殉教してしまいますが、

彼の遺骸は弟子たちとともに船に乗り、このガリシアの地に戻ってきたとのことです。




その時に、聖ヤコブの墓の上に教会が建てられたようですが、

その後、イスラム人のイベリア半島征服が長い間続きます。





やがて時は経ち9世紀、

わからなくなっていた聖ヤコブの墓でしたが、

ある羊飼いが星に導かれて行き着いたところで見つけ出されます。




それから、この地がサンティアゴ・ディ・コンポステーラと呼ばれることとなったそうです。



コンポとは「野原」、

ステーラとは「星」。



「星の野の聖ヤコブ」といったところでしょうか。




そうして、ローマ、エルサレムとともに巡礼地としてキリスト教徒がやってくる聖地となりました。


croce (この十字架は何の関係もありません)






ところで、

フランス料理のメニューに「サン・ジャック」とあるのを見かけます。

これも聖ヤコブのこと。



ではサン・ジャックを頼むと何が出てくるかというと、

「ホタテ」。





サンティアゴ・ディ・コンポステーラを目指す巡礼者は皆帆立貝の殻を胸に下げています。


ホタテ

これは、

聖ヤコブが、

キリストの弟子になる前に漁師だったこと、

遺骸を乗せた船がガリシアに着いたとき、船底が貝でびっしり付いていたこと、

また、その頃の托鉢僧は帆立の殻を使っていたとのこと、



などに由来するそうです。







最後のお口直しには・・・、


スペインを代表する野菜スープ、「ガスパチョ」を。


レシピを探してみると、たくさんあって作り方が少しづつ違います。

今回は、スペインのとあるレストランのシェフのレシピをアレンジ。


レモン汁を加え、トッピングに桃の甘みとゼリーのつるっとした食感を楽しみました。




チーズ教室(チーズで巡る巡礼の旅)② 5.Settembre 2006

チーズ教室(チーズで巡る巡礼の旅)② 5.Settembre 2006


巡礼の旅





お次はフランス代表、



ヴェスレーからは・・・、



まずはヴェズレーで作られる白ワイン、


「ブルゴーニュ ヴェズレー」
BURGOGNU VEZELAY La Chatelaine 2004 Domaine de la Cadette (仏、ブルゴーニュ)



知る人ぞ知る、有名な醸造家、フィリップ・パカレさんが醸造責任者であるとのこと。
(ちなみに私はワインショップのお店のご主人の受け売りです!笑)





ヴェズレーの町は、
やはり白ワインで有名なシャブリから南へ少し下ったところです。



少し前に、NHKの世界遺産の旅フランス編で取り上げられた町のひとつです。


そのときTVで観たヴェズレーの町・・・。



町の中心にあるサント・マドレーヌ・バジリカ聖堂の美しいフォルム。


確か、少し曲がった身廊。


印象的な中世の時代に彫刻された柱の図案。


心の琴線に触れるこの聖堂の歴史事実

そして、


丘になっているヴェズレーの町から見渡す葡萄畑の美しさに目は釘付けになりました。






そのヴェズレーの白ワインに合わせたのは、




マコネ ドゥミセッk


マコネ・ドゥミ・セック Maconnais Demi-Sec


ブルゴーニュ地方のマコンという地域で作られる,
山羊乳100%(無殺菌乳)のシェーブルチーズ。


このシェーブルチーズは近々43番目のAOCを名乗るとのことです。



写真でもわかるように、今日は熟成別に2通り用意しました。




左側は熟成21日で出荷され、日本にやってきたもの。


まだ柔らかくねっとりとした舌触りとミルクが凝縮した味わい。

口の中で程よく溶けていきます。



右側は同じマコネーですが、かなり水分が抜けてひとまわり小さくなっています。


口に入れると、溶けていく味わいは濃厚な生クリームのよう。


熟成期間が違うと外観も味わいも随分違いが現れます。




やさしい味わいのヴェズレーの白ワインに、
マコネのねっとりとした感じが洗われるようでとても良い感じ。






フランス代表をもうひとつ。


サモラ アルテサーノ

プティ・アグ-ル Petit Agoor


バスク地方で作られる羊乳(100%)製のチーズです。


ここバスク地方には、


太陽神アポロンの息子アリスティーアスが作ったと言われる、
「オッソー・イラティ」という羊乳製のチーズがあります。

そんな伝説が残るほど、


この地方は古くから羊と共存する事で生計を立てていたのでしょう。

ピレネーを越えたスペインでも羊乳製のチーズが盛んに作られています。



この「アグール社の小さいチーズ」と名付けられたチーズも伝統あるチーズと同様、バスクの羊のミルクで伝統的な製法で作られるそうです。


なんと、
2002年にフランスパリで毎年2月に行われている農業祭で金賞を受賞した経歴の持ち主。


なんともいえない上品な味わいが口の中に広がります。

あ~、このままずっと口の中にいて~って感じです!笑







巡礼の道は、


このバスクを、
ピレネーを越えると、

プエンテ・ラ・レイナの町でひとつとなります。




さあ、スペインです。
巡礼の道はまだまだ続きます。





サンティアゴ・ディ・コンポステーラまでの巡礼路にある町には、


11世紀~13世紀にかけて建築されたロマネスク様式の


修道院、
教会、
大聖堂


が残り、それらは今日、世界遺産に登録されています。




ちょうどその時代、
ヨーロッパでは大旅行ブーム。


ローマ、
エルサレム、
サンティアゴ・ディ・コンポステーラ・・・、

これらの町は人気スポットだったそう。






それでは、スペインの代表チーズに行きましょう!




プティアグール


サモラノ アルテサーノ Queso Zamorano Artesano DOP


カスティーリャ・イ・レオン地方


羊乳製 / 9ヶ月熟成


香ばしく、甘い感じ。


ぼそっとした乾いた感じで、まるでビスケットのような味わい!


このチーズは何世紀にも渡り羊の遊牧を生業としていたチーズ職人が、


サモラという場所で定住し、
土地の羊のミルクで作るようになったチーズだとのこと。


そして、スペインの中でも一番羊が多い土地だといいます。




・・・カスティーリャ・イ・レオンのレオンの町には、

スペインで最も美しいといわれるステンドグラスがあります。


それはカテドラル(大聖堂)のファサード(正面)。


このカテドラルは13~14世紀にかけてゴッシック様式で立てられているそうです。



残念ながら訪れたことがないので写真はありませんが、
興味のある方は探してみてくださいね。





それではここでスペイン代表のワイン。


カステーリャ・イ・レオン州の赤ワインです。


DURATON BODEGAS Y VINEDOS RIBERA DEL DURATON 2004


テンプランーニョ50%、

メルロー20%、

シラー20%、

カベルネ・ーヴィニオン10%



とても美味しいっ、
という個人的印象を持ったワインです。




購入したお店のご主人によると姉妹で作っているとのこと。




「屋敷や庭にお金をかけるよりも、
畑が健康であることや葡萄の木がストレスなく美味しい見をつけることに情熱とお金をかけます」

というポリシーのもと、日々ワイン造りに励んでいるそうです。







最後、やっと巡礼地にとうちゃ~くっっ!!


ここガリシア地方は、
ヨーロッパの最北西。


地理の時間、
「リアス式海岸」なんて習いましたが、
このリアス式海岸とはここガリシアのリアス海岸から名前が取られています。





スペインの守護聖人聖ヤコブ。


聖ヤコブの墓の上に建てられた大聖堂がこの巡礼の旅の最終目的地。


1122年に完成したサンティアゴ・ディ・コンポステーラの大聖堂です。


もちろん、私はまだ行ったことはありません。


いつの日か、スペインを旅し、この町を訪れ、この大聖堂の扉をくぐりたいと思います。


それまでは、日本に入ってくるスペインのチーズで我慢です!







次回に続く・・。

サルデーニャからのお土産

サルデーニャ島からのお土産 Un pensierino da Sardegna






友人のダニエレが、

夏のバカンスから、故郷のサルデーニャ島から帰ってきました。





「お土産があるよっ!」



との連絡を受けて、2週間ぶりにあった彼はなんだか元気がない・・・。




第一声が、



「僕は東京じゃなくて、サルデーニャで生活したいよ~!涙涙涙」



私は

「笑笑笑!」





そんな彼が私に持ってきてくれたサルデーニャ島からのお土産がこれ!!




i dorci della  zia


ダニエレのおばあちゃんの手作りのドルチ(お菓子)!

とコルクでできた写真立て。




細かく刻んだアーモンドがたくさん入ったクッキーは、素朴でとってもあたたかい感じがします。

丸いほうは、アマレット風味。薄い紙を切ってキャンディのように包み、端にも切れ込みを入れてかわいらしくしています。



そしてコルクはサルデーニャ島の名産品。







このお土産をもらって・・・、




たった10日間だったけど、

サルデーニャ島に降り注ぐさんさんとした太陽の光のごとく、

家族の暖かいもてなしと強い絆を浴びてきたダニエレの心が、


サルデーニャから離れられない気持ちになっているのが私にもわかるような気がします。






そして、


おばあちゃんが作ってくれたお菓子を、

大事に大事に飛行機に乗せてもって帰ってきて、私にまでおすそ分けをしてくれるダニエレが、

人間的に好きだな~と思うのです。





温かい心というものは、何千キロと離れた日本にだって届いちゃうんですね。




まだ行ったことのないサルデーニャ島に思いを馳せて、

美味しくいただきます!!