ものづくりに関わっている人間として考えさせられる出来事がありました。
コクヨの文具の中に、のりが付きにくいハサミというヒット商品があります。
これは僕の母校、京都工芸繊維大学の同級生の友人がコクヨ時代にデザインしたもので、結構誇らしげにプロダクトデザイナー仲間や教え子に紹介しておりました。
↓グルーレス刃が特徴でのりが付きにくい刃の構造を採用したハサミ(メーカー希望小売価格693円)
数々の文具賞を獲得しています。
しかーし、同じような構造でしかも100均で売られているハサミを発見してしまいました。
↓この商品です(110円)
特許に抵触しているのではと思い、調べてみました(そもそも刃物が100円で売られていることがおかしいが)
↓コクヨ側の特許出願書類(要約、図面部分だけ抜粋)
刃の形状により刃同士の接触面が少なくなり、切れ味など(のりの付きにくさ含む)が向上することを書いています。
↓拒絶査定通知書(抜粋)
刃の形状により機能を向上させるアイデアは既に出願されており、特許登録を却下されていました。
↓先行技術を示す引用文献(昔の人が考えたアイデアで、しかも期限切れ。つまり誰が使用しても可)
100均側も特許が取れていないことをわかった上で、販売しているという調査結果となりました。
ヒットした商品でも、特許じゃない商品は簡単に模倣されて売られているという現実を知ったのでした。
同級生も血の滲む思いでデザインしたはずだし、同級生の心情を想像するとかなりキツイですね(ヒットしただけにキツイ)
改めてプロダクトデザイナーのアウトプットは特許レベルを目指すべしいう戒めになりました。
ということで前の4年生の卒業制作展の様子をブログに書くのを躊躇しています(実際過去の卒業制作のアイデアとほぼ同じアイデアの家具がインスタでバズってたことがあったからね、、、)
↓卒業制作パネル抜粋
↓たまたまなのか、模倣なのか、、









