　Ｊリーグ中断期にあたるこの時期を利用してシーズン序盤を振り返る、というテーマをポジションごとに観てきましたが、今回は最後に「ＭＦ編」です☆

　個人的には最も問題が多いポジションと見てます！巷で話題に上がる高齢化とかそういう問題もありますが、いろいろ指摘していきたいと思います！！

　まずは、シーズン前のＭＦの動向ですが、若手有望株と言われ続けながら、ここ２年の大型補強の煽りを受けて出場機会を相当減少させていた寺田紳一と倉田秋がそれぞれレンタルで横浜ＦＣとジェフ千葉へ移籍。

変わって新しく加入したのはレンタル移籍で２年間、愛媛ＦＣでレギュラーを張り、本職のボランチ以外でも中盤の全てをこなせるようになった、横谷繁の復帰でした。大分へのレンタルから復帰が期待されたガンバユースの至宝＝家長昭博はセレッソへ再レンタルが決まり、これで３年連続他クラブで過ごすことになりました。もうｊ復帰はまずないか？（涙）

　これらの選手の退団により、２０１０年シーズンのＭＦの陣容はとにかくバックアッパー、中堅層の不在が浮き彫りになったものでした。

　家長、寺田、倉田（以下、アキ、チンくん、シュウくん）は共にガンバユース出身の期待のテクニシャンＭＦ。それぞれゲームメイクやドリブルでの局面打開、スルーパスなど武器をいくつも持つポテンシャル充分な選手。ですが、ガンバではレギュラーを安定して張ることができなかった。

　唯一、アキが０６年の夏頃までは左のウイングバックで定着していたものの、３バックは現在のサッカーでは難しいし、僕の書いた「ＤＦ論」（http://ameblo.jp/venger/entry-10543519473.html ）でも書いたとおり、シジクレイやツネさんがいない３バックだとただの守備的な布陣になってしまう。ツネさん移籍後のガンバの４バック移行後は家長がスタメンで出場することが激減し、０８年に大分へ行ってしまいました。２枚もユニフォームを買った僕としては非常に辛い（涙）しかも大分移籍後、靭帯断裂の大怪我や０９年の大不振により、最もプラスになると思われたシャムスカ監督とはあまり実践を通して戦えなかったのが特に残念。大怪我の影響もあり、小学生時代のパサーに戻りつつあるのも残念。あの独特のドリブルをセレッソでもいいから復活させて欲しい！！

　と、熱く語ってしまいましたが、上記の３人は本当に技術レベルは現在の遠藤保仁、二川孝広、明神智和、橋本英郎の「黄金の中盤」よりも確実に上でしょう！！そして実際にアキはレギュラーを張った時期もあったし、チンくんも０５年から３年連続で天皇杯や終盤のリーグ戦で結果を残したりもしました。シュウくんも０７年のナビスコ制覇や０８年度の天皇杯制覇に貢献しました。

　しかし、「黄金の中盤」に衰えがあまり感じれなかったり、怪我もあまりないこの４人に対し、このユース出身の３人のテク二シャンはパフォーマンスが安定しなかったり、怪我があったり、ルーカスや山崎雅人、佐々木隼人などの加入にも押される・・などなどで、結局は毎年ガンバでは有望株どまりでした。今年もチームに残る選択肢もあったでしょうが、監督やＪリーグのルール規制が固定メンバー制を敷く現状や、自身のキャリアや後輩達も出番を待っている状況などを考慮しながら退団を決意したことでしょう。正直、この中の一人だけでも残ってくれていたらチーム的にも本人的にも充実のシーズンを送っていたかもしれませんがね。

　現在の平井将生、宇佐美貴史ばりのインパクトを残せなかったがためのビッグクラブからの退団でしたが、現在は３人ともレンタル先でレギュラーとしてプレーしているので心強いです！いずれガンバに復帰するのか、そのまま完全移籍になるのかは未定ですが、ガンバ以外でもしっかり活躍してほしいです！！

　そして彼等に負けることなく、チームに残っている彼等よりも若い、大塚翔平、安田晃大、星原健太、内田達也、菅沼駿哉なども負けることなく他チームへレンタル中の選手とも切磋琢磨してほしいものです！！

　長くなりましたが、今シーズンの話題ですが、「黄金の中盤」のコンディション」が昨年の序盤に続き非常に悪かった。しかも、ここ５年ほど長期離脱がほとんどなかった万能型な橋本英郎が長期離脱の怪我というアクシデント。明神智和も開幕直後は安定せず、ＡＣＬを欠場するなどもしました。遠藤保仁はガンバの始動より前に代表で始動しており、昨シーズンの疲れが残っているのか？明らかなコンディション悪化でガンバでも代表でも結果を残せない、運動量の低下が見られます。加えて、そういったアクシデント時に中盤で起用していたルーカスも怪我を負い、ガンバ自慢の中盤は崩壊寸前でした。相手にポゼッション（支配率）で劣る試合も多く出てきたのです。

そんな中、武井拓也、宇佐美貴史等が出場機会を重ねたことは貴重な経験です！

そして、そんなこんなで今シーズンはすでにＧＫの太洋一以外は全選手がベンチ入りを経験したことになりました☆

それでは長くなりましたが、個々の採点などを基にリーグ序盤を振り返りましょう☆

７遠藤保仁　３０歳

リーグ出場９（先発８）７６５分１ゴール、評価５．５５

ＡＣＬ３試合（先発３）２７０分無得点

スーパーカップ９０分無得点

　代表での疲れなのか？ガンバでも代表でも彼らしいプレーが継続的に観られることは少ない。ガンバでは途中出場だったＦＣ東京戦がベストだったと思う！

　運動量が少なすぎたり、守備が軽すぎたり、失点に直結するミスがあったりといろいろあるが、コーナーキックの精度が特に悪い。コーナーキックはピンチっていう印象が強くなってきた。彼のコーナーキックの精度が戻れば、山口智もゴールが増えて両者ともにパフォーマンスも向上していきそうなのだが..........

　とはいっても５月に入ってからは徐々に良くなってきていると思うのでワールドカップでフル回転してくれると信じている☆「全てはここから＝マスター・オブ・ガンバ」

８佐々木隼人　２７歳

リーグ８試合（先発１）１４３分無得点、評価５．３３

ＡＣＬ６試合（先発２）２５９分無得点、評価５．８８

　今シーズンはなぜか出場機会が少ない。キャンプから完全に控え扱いで、練習試合でも結果が出なかったみたい。ガンバでは珍しいストロングポイントとなるスピード抜群なドリブル突破は一人でフィニッシュまで持ち込めるほどのスピードとパワーを持ち、シュート力も◎。ただ、守備意識が薄いか？

　ホームでのＡＣＬ水原戦での決勝アシストなど出場機会は減少したが今シーズンも要所で印象に残るプレーはあるでけに、今後のチャンスを生かしたい！！

１０二川孝広　２９歳

リーグ１１試合（先発１１）９４７分２ゴール、評価５．７９

ＡＣＬ７試合（先発６）分ゴール、評価５．８１

スーパーカップ９０分無得点

今シーズン、５バック気味の守備的な展開を強いられた試合でも少ないタッチから決定的なスルーパスやサイドチェンジでチャンスを演出している「ファンタジフタ」「イニエフタ」。

スピード系のＦＷとの連携の良さからアシストを量産するテクニシャンも今年で三十路。今後は宇佐美貴史とのポジション争いも待っているかもしれないだけに新エース＝平井将生との連携を高めると共に、フタ桁ゴールも期待したい！！

１７明神智和　３２歳

リーグ１１試合（先発１１）９９０分４ゴール、評価５．６７

ＡＣＬ６試合（先発５）４７５分無得点、評価５．８６

スーパーカップ９０分無得点

今シーズンからキャプテンに就任した「ガンバ大阪守護聖人」。

開幕直後は調子を崩したが、徐々に安定感も戻ってきた。アンカーとしてなら現在は稲本潤一や阿部勇樹より上だと思うのは僕だけでしょうか！？

加入当初は全く使えない状態だった彼が年々、攻撃での貢献度を上げて、パスワークでも重要な役を担うようになってくるなど、ベテランながらまだ進化していると感じます☆

　今年はまだまだここ２．３年のハイパフォーマンスを取り戻してはいない感じですが、リーグで４ゴールとミドルシュートへの意識などが飛躍的に高くなっているだけに、更なる進化があるのかが楽しみです☆

２３武井拓也　２４歳

リーグ３試合（先発２）１５４分無得点、評価５．１７

ＡＣＬ３試合（先発２）１９０分無得点、評価５．３３

　怪我人の続出によりついに固まった出場機会を手に入れ、プロＡ契約に至る出場時間を達成したチーム１のスタミナを誇るボランチ。練習試合では４５分を５，６本できるぐらいのスタミナを持つとか！？

　大学出身というガンバでは珍しい選手だが、ＪＦＬにも参戦する流通経済大学にはスポーツ推薦ではなく一般で入学した選手だった。大学でも５軍などでプレーしながらも、「自分は技術がある選手じゃないから、上手い選手を気持ちよくプレーさせられるプレーや走り方を見につけよう」と考え直して一気にプロ入りまでこぎつけた、という、これまたガンバには珍しい非テクニシャンタイプな選手。

　まだ攻守ともにほとんど貢献できていないが、難しいポジションだけに素晴らしい見本＝橋本、明神を横目にアピールを続けて欲しい！！　

　サテライトのキャプテンであり、宴会では乾杯担当を受け持つムードメーカーでもある。

２５横谷繁　２３歳

ＡＣＬ１試合（先発０）７分無得点、採点なし

　２年間のレンタル移籍から復帰した「Ｇ６」の生き残り。昇格当初は「ポスト・遠藤」と目されてきたが.............

愛媛ＦＣでは２年間レギュラーを張り、ボランチもサイドでもプレイできる柔軟性と試合勘を養った。

しかし、現状はＭＦ陣の序列では最後尾に位置している状況。

２７橋本英郎　３１歳

リーグ６試合（先発６）４９４分１ゴール、評価６．０７

ＡＣＬ４試合（先発４）３３４分無得点、評価６．２

　シーズン開幕から調子は良かったのが唯一彼だったと思ってます。明神、遠藤の運動量が少ない中で中盤で最も動きまわり、且つゴール前へ効果的な飛び出しも多く、チーム状態が悪いながらも何とかもがいている姿を最も見せてくれていた、と。それだけに彼の怪我は痛かった。彼の離脱期間が、遠藤の離脱とも被ったので、武井拓也が先発に入ったということもあるでしょうが、中盤の押し上げが皆無になり、数年来見ていなかった守ってカウンターしかできないチームになってしまってましたから。

　「攻守の潤滑油」「青き知性のダイナモ」の中断明けの活躍にも充分期待できるでしょう☆

　シュート精度が上がればもっと評価が上がる選手なのでしょうが・・・・・。

３１安田晃大

試合出場なし

　ＡＣＬでプロ入り初のベンチ入りを経験するも未だにデビューには至らず。

兄以上のサッカーセンスから繰り出される柔軟なボールテクニックと中盤全ポジションや両サイドバックもこなす万能性を身につけつつあるものの、怪我が多くアピールには至ってはいないか？

　僕が練習試合で観た感じではサイドバックでの方が活きそうな感じがしました☆

３３宇佐美貴史１８歳
リーグ６試合（先発６）５１０分２ゴール　評価６．２５
ＡＣＬ４試合（先発３）２６７分２ゴール　評価６．３

スーパーカップ２８分無得点

　遂にトップチームの主力として頭角を現したガンバの至宝。度重なる故障者の離脱から出場機会を獲ると、仕掛けに崩しに大活躍！さらには将生の故障離脱によりストライカーとしても起用され、ゴール感覚も身に着けつつある１８歳。ボールを持つとまず自らがドリブルで仕掛けることを試みる姿勢が素晴らしい！そして、シュート数の多さも日本人とは思えない数。また、スルーパスも魅力充分で、大宮戦の将生へのアシストはジェラードのようなパスセンスを魅せてくれた！

　今後は左のサイドハーフでの起用が濃厚か？すでにチームに必要不可欠な存在も中断明けは橋本英郎、二川孝広等とのポジション争いを繰り広げる可能性もあり。

以上でポジションごとの振り返りは終了です。

次はちょっとしたデータなんかを入れて記事を書いてみたいと思います☆

宜しければバックナンバーもどうぞ☆

　ガンバ大阪ＧＫ論　　　　http://ameblo.jp/venger/entry-10542942281.html

　ガンバ大阪ＤＦ論　　　　http://ameblo.jp/venger/entry-10543519473.html

　ガンバ大阪ＦＷ論　　　　http://ameblo.jp/venger/entry-10540239082.html

最後まで読んでいただいてありがとうございます☆

お手数ですが↓にワンクリックしていただければ幸いです☆

今後ともよろしくお願い致します☆

ガンバ大阪ＭＦ論